ソフトウェアテスト 単体試験と統合試験

ソフトウェアテスト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/01 06:06 UTC 版)

単体試験と統合試験

単体試験 (Unit Test)

単体試験 (英: unit test) は、関数、メソッドなどの小さな単位で行うテストのことである。単体テストは、関数の場合には基本はブラックボックステストである。ブラックボックステストが済んだものの品質を確保するためにホワイトボックステストを行う。「Unit Testing」の略である「UT」と呼ぶことがある。また、開発現場によっては「CT(和製: Coding Test)」や「PT(和製: Program Test)」と略すこともある。

単体試験の道具としてJavaではテスティングフレームワークJUnitが有名である。これはJava専用である。他の言語にも同様のものがあり、それらを総称してxUnitと呼んでいる。

統合試験 (Integration Testing)

統合試験 (英: integration testing) は、単体試験が完了したプログラムを組み合わせて行うテストである。プログラムのどの部分から組み合わせていくかで、トップダウンテストとボトムアップテストに分けることができる。「Integration Testing」の略である「IT」と呼ぶことがある。また、結合テストと呼ぶ場合もある。 統合試験とシステム試験を分ける場合もある。統合試験とシステム試験を分ける場合に、模擬試験 (英: simulation) を統合試験に分類する場合と、システム試験に分類する場合がある。

システムテスト (System Testing)

プログラムを単独ではなく、他のプログラムやハードウェア通信ネットワークデータベースなどと組み合わせて実施するテストである。開発環境と実行環境が異なる場合には、実際の実行環境を使って行うこともある。顧客にしか実際の実行環境がない場合には、顧客環境で行う場合がある。実際の環境を利用することが高価であったり時間がかかる場合には、模擬試験環境 (simulator) を作成して実施することがある。この場合には、模擬環境のシステム試験、実環境でのシステム試験と区分する。模擬環境では、複数の事象を同時に発生させることが難しかったり、逆に実環境ではありえない事象を発生させることができなかったり、それぞれの短所・長所を見極めて試験を実施する。エンタープライズ[要曖昧さ回避]系と組込みソフトウェアで本質的な違いがあるわけではなく、OS、言語、ネットワーク、データベース、接続機器数の違いが大きい。

受入試験 (Acceptance Test)

受入試験 (英: acceptance test) は、検収テスト、承認テストとも呼ぶこともある。受入試験は、システムを受け入れるかどうかを判定する試験である。システムの実際の利用者が行う場合と受け入れ試験をシステム運用・保守会社が実施する場合がある。システムが仕様通りの機能や性能を備えているかどうか確認する検証試験だけの場合と、システムが利用者の意図通りに動くかどうかを確認する妥当性試験を含む場合がある。


注釈

  1. ^ 特にコード変更が継続して行われるインクリメンタル開発モデルやイテレーティブ開発モデル(アジャイルなど)では、コンポーネントテストのリグレッションテストを自動化して、変更が既存のコンポーネントを破壊していないという信頼を積み重ねていくことが重要である。  2.2.1 コンポーネントテスト ISTQB  v2018  

出典

  1. ^ "1 テストの基礎" - "1.1 テストとは何か?" - "1.1.1 テストに共通する目的" "テスト技術者資格制度 Foundation Level シラバス Version 2018.J03" ISTQB
  2. ^ 1.1.1 Typical Objectives of Testing ISTQB FL Syllabus 2018v3-1
  3. ^ In some cases, especially in incremental and iterative development models (e.g., Agile) where code changes are ongoing, automated component regression tests play a key role in building confidence that changes have not broken existing components. ISTQB(2018) FL Syllabus v2018 2.2.1 Component Testing
  4. ^ POSIX Test Suite (POSIX 1990 version)” (2006年7月7日). 2014年8月8日閲覧。
  5. ^ TTSP” (2014年8月8日). 2014年8月8日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g h i j G. J. Myers『ソフトウェアテストの技法』近代科学社 1980年
  7. ^ a b c d e f 情報システム用語事典:カバレッジ基準”. ITmedia. 2016年4月17日閲覧。
  8. ^ 実践アジャイルテストを参照





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