スペース カウボーイ ストーリー

スペース カウボーイ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/26 13:08 UTC 版)

ストーリー

1958年アメリカ空軍X-15テストパイロットチーム・ダイダロスは、アメリカ初の宇宙飛行士になるはずだった。しかし、直前になってアメリカ政府はダイダロス計画を中止。新設されたNASAが選んだのはチンパンジーだった(※マーキュリー計画)。彼らは宇宙へ行く夢を諦め、技術者として勤務し、やがて退役した。

計画中止から40年余。妻バーバラと共に郊外の一軒家でのんびりと暮らしていたダイダロスのメンバー、フランクにNASAから突然協力依頼が来る。衛星軌道上で旧ソ連によって作られ、ソ連崩壊後のロシアで引き続いて使われている通信衛星「アイコン」が故障。ロシアと協力して修理を行うことになったNASAが調査したところ、かつてアメリカが作った宇宙ステーション「スカイラブ」と同じシステムが使われていたことが判明。しかし、システム自体が古いため設計に関わった者の多くが既に死亡している中、修理できるのは数少ない生き残りであるフランクだけだった。なぜ自分の設計が旧ソ連の通信衛星に使われていたのか疑問に思ったフランクだったが、今もNASAに留まって出世コースを歩んでいたかつての上官・ガーソンと交渉し、チーム・ダイダロスの宇宙行きを約束させる。

操縦技術を活かし曲芸パイロットになっていたホーク、機械技術を活かしジェットコースター技師になっていたジェリー、何故か宗教に目覚め牧師になっていたタンク。そんななか、ガーソンは不安を訴えるロシア軍のヴォストフ将軍に対して「技術だけを聞き出し、フランクたちは宇宙には行かせない」と伝える。かつての仲間たちが集まり訓練を始めるが、訓練を共にする若い飛行士たちはダイダロスのメンバーをバカにして栄養ドリンクを届ける。それでも一訓練に奮闘し、若い飛行士たちへのお返しにフランクたちはベビーフードを届ける。訓練の終盤、フランクは若手飛行士から上層部がチーム・ダイダロスを宇宙へ送るつもりが無いことを聞き出し、激怒してガーソンに抗議する。ガーソンは反論し、さらにホークが膵臓癌のため宇宙に行けないことを告げる。マスコミの報道により人気者となっていたダイダロスは宇宙に行けることになったが、フランクはホークのことを考えて宇宙行きを止めようとする。しかし、フランクやホークの気持ちを知ったサラの尽力により、ホークも含めたメンバー全員が宇宙に行けることになる。

チーム・ダイダロスは2人の若手イーサン、ロジャーと共に宇宙へと飛び立つ。しかし、目の当たりにした「通信衛星」アイコンの正体が核ミサイル6発を搭載した自衛能力付きのミサイル衛星だということが分かり、フランクはガーソンとヴォストフに詰め寄る。ヴォストフは「冷戦時代にガーソンの元から、スカイラブのシステムをKGBが盗み出した」と真相を語る。フランクは修理を止め、衛星のエンジンを使って宇宙空間への投棄を考えるが、任務を優先するイーサンが独断でアイコンを起動させてしまう。そのうえ、衛星のエンジンが誤作動し、フランクのシャトルに衝突、そのまま地球に向けて落下を始める。フランクたちはアイコンの予備エンジンを逆噴射させ、地球への落下の阻止には成功する。だが、予備エンジンを使った影響で人工衛星の軌道に戻すのは不可能となり、衛星用の太陽パネルが破損してしまったため、軌道上に戻しても地球側から制御できないという問題に直面する。これに対し、自分の死期を悟っているホークは核ミサイルの推力を利用して地球から引き離すことを提案。ミサイルの手動点火役を引き受け、自身の夢でもある月に向かうことを告げる。フランクたちは反対するが、ホークは1人アイコンに残り、月へと旅立った。一方、フランクたちは衝突によって問題が発生したシャトルを何とか制御して地球に帰還する。フランクは「ホークは月に辿り着いたはずだ」と語り、バーバラと共に月を眺める。月面には、SAFERの横にホークが腰を掛けて地球を眺めている姿が映し出された所で幕を閉じる。


注釈

  1. ^ 2017年10月18日に、BSジャパンでもこの日本テレビ版が放送されたが、ボブとの駆け引きでフランクが帰宅しようとする場面、タンクがホークのベンチプレスをこっそり助ける場面などがカットされ、初回放送版より13分短い。

出典

  1. ^ a b c Space Cowboys (2000)”. Box Office Mojo. 2022年11月8日閲覧。
  2. ^ 2000年興行収入10億円以上番組 (PDF) - 日本映画製作者連盟
  3. ^ Hughes, Howard (2009). Aim for the Heart. London: I.B. Tauris. ISBN 978-1-84511-902-7 
  4. ^ The cast of Space Cowboys suffered on set injuries”. Entertainment. 2023年1月29日閲覧。
  5. ^ "Space Cowboys". Rotten Tomatoes (英語). Fandango Media. 2022年11月8日閲覧
  6. ^ "Space Cowboys" (英語). Metacritic. Red Ventures. 2022年11月8日閲覧。
  7. ^ THE 73RD ACADEMY AWARDS 2001”. Academy of Motion Picture Arts and Sciences. 2020年7月31日閲覧。


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