セルフレスキュー用推進装置
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/15 15:56 UTC 版)
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セルフレスキュー用推進装置SAFER(セルフレスキューようすいしんそうち、Simplified Aid for EVA Rescue : SAFER)とは、スペースシャトルや国際宇宙ステーション (ISS) の乗組員が船外活動 (EVA) を行なう時に誤って飛ばされてしまった場合でも、自分で戻れるようにするための小型・独立型の緊急用の推進装置である。不測の事態でのみ使うことを目的として、有人機動ユニット (MMU) を小型化・簡略化したものである。
STS-88(2A)以降、ISSで米国の宇宙服船外活動ユニット (EMU) を装着する船外活動では、SAFERの装着が義務づけられている。SAFERは、ジョンソン宇宙センターにある NASA のロボット工学部門で開発された。初めて使われたのは STS-64 で、命綱無しでの飛行テストが行なわれた。STS-88から実用装備が開始された。SAFER は重さ約34kg(76lb)であり、窒素ガスの噴射で推進力を発生させるものであり、ΔVの合計は少なくとも3m/s(10ft/s)である。使用する時は、右側の腰の下からハンドコントローラを取り出し、胸の所に設置して、操縦を行う。2009年末まで、試験目的以外で使用されたことは1度もない。
STS-121においてピアーズ・セラーズがEVAの最中に、SAFERの左側面にあるラッチを意図せずに何かにぶつけて、ラッチ解除の位置に移動してしまったため、マイケル・E・フォッサムがテザーでSAFERが外れないように仮固定し、船外活動は続けられた。その後のSTS-121、STS-115の船外活動では、ラッチが不意に開かないようにカプトンテープで予防的に固定された。 STS-116からは、ラッチの誤動作防止のためのカバーが開発されて装備されている。
外部リンク
- “A SAFER Way To Space Walk” (英語). NASAExplores. 2006年5月13日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2006年7月11日閲覧。
セルフレスキュー用推進装置
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/21 04:00 UTC 版)
「宇宙飛行士推進ユニット」の記事における「セルフレスキュー用推進装置」の解説
セルフレスキュー用推進装置(Simplified Aid For EVA Rescue (SAFER))は、宇宙遊泳中の安全装置として意図された小型のバックパック推進システム。1.4kgのガス状窒素が含まれる。これはMMUよりもはるかに少ないデルタV機能を提供し、毎秒約3メートル(毎秒約10フィート)。SAFERは、MMUよりも複雑でなく低コストで操作も簡単である。 目的がレスキューのみの使用においては制限されたデルタVで十分である。プロトタイプが開発されている他のクルーセルフレスキュー(CSR)のデバイスは、インフレータブルポール、伸縮ポール、バイステムポール。また、ボーラタイプの投げ縄デバイス(astrorope)は、漂流する宇宙飛行士は宇宙ステーションに引っ掛かるために投げることができる。
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