カルビー 会社概要

カルビー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/01 07:53 UTC 版)

会社概要

沿革

1949年昭和24年)、広島県広島市(現在の南区宇品)にて、松尾糧食工業株式会社として設立。 1955年(昭和30年)現在の会社名のカルビーに変更。カルビーは、当時の日本人に不足しているとされたカルシウムの「カル」と、ビタミンB1の「ビー」を組み合わせた造語である[2][3]

1964年(昭和39年)に発売された、瀬戸内海小海老を使った「かっぱえびせん」がヒット商品となり、カルビーの名が知られるようになる。仮面ライダーのカード付きスナック菓子[注釈 1]や、藤谷美和子を起用した「カルビーポテトチップス」のCMでも話題になった。1973年(昭和48年)に本社を広島から東京に移転。

2005年(平成17年)には3代続いた同族経営をやめて、創業家外の社長兼CEOCIOとして、中田康雄が就任。バランスト・スコアカード(BSC)を経営に積極活用し、BSCを用いて立てた仮説を検証するために、“経営の見える化”を図った。2009年(平成21年)6月には米ペプシコの全額出資子会社であるジャパンフリトレーの買収を発表[4]。「ドリトス」などトウモロコシを材料とする商品で強みを持つジャパンフリトレーを傘下に加えることで、ポテト関連商品の割合が70%を超える同社が新たに成長軌道を描くための基盤を整えた。同時にペプシコが、子会社のフリトレー・グローバル・インベストメンツ社(オランダ法人)を通じて、カルビーの株式を20%取得し大株主となった[4]

2009年6月24日より伊藤秀二に代表取締役社長をバトンタッチするとともに、松尾雅彦の指名により、会長兼CEOとして、ジョンソン・エンド・ジョンソンの代表を務めた松本晃[5][6]を迎えた。同時に社外取締役制度の強化を図り、カゴメ相談役喜岡浩二キッコーマン取締役会議長茂木友三郎一橋大学教授一條和生を招聘した。

年表

カルビー旧本社ビル(北区赤羽南一丁目)。現在はPALTAC東京支社。
カルビー広島工場東棟
カルビー広島工場西棟
  • 1949年昭和24年) - 広島に松尾糧食工業株式会社を設立。
  • 1955年(昭和30年)
  • 1964年(昭和39年) - 「かっぱえびせん」を発売。
  • 1968年(昭和43年) - 宇都宮工場を操業。
  • 1969年(昭和44年) - 千歳工場(現在の北海道工場)を操業。
  • 1971年(昭和46年) - 「仮面ライダースナック」を発売。
  • 1972年(昭和47年)
  • 1973年(昭和48年)
  • 1975年(昭和50年)
  • 1976年(昭和51年) - 宇都宮第2工場、滋賀工場(現在の湖南工場)を操業。原料部門が独立し、カルビーポテト株式会社を設立。
  • 1982年(昭和57年)2月22日 - 本店を東京都北区赤羽南一丁目20番1号に移転。
  • 1983年(昭和58年) - 各務原工場を操業。
  • 1986年(昭和61年) - 広島西工場(現在の広島工場西棟)を操業。
  • 1988年(昭和63年) - シリアル食品市場に参入。
  • 1989年平成元年) - シリアル製造の清原工場を操業。
  • 1990年(平成2年) - スナックフード・サービス株式会社を設立。
  • 1991年(平成3年)
    • F1世界選手権に参戦するティレルにスポンサードを開始(1994年シーズンまで)。同時にアルファベットで「CALBEE」表記のロゴマークを制作する[7]
    • 東京研究開発センターを開設。
  • 1992年(平成4年) - 「ピザポテト」発売。
  • 1993年(平成5年) - 「堅あげポテト」発売。
  • 1994年(平成6年)
    • VIの導入で、社名ロゴを「Calbee」に改める[7]
    • 旧本社ビルが完成。
  • 1995年(平成7年)
  • 1996年(平成8年) - ガーデンベーカリー株式会社を設立。
  • 1999年(平成11年) - 綾部工場(現在の京都工場)を操業。じゃがいも不作により「ポテトチップス」を価格据え置きで100グラム→90グラムに減量。2世代目のカルビーポテト丸の竣工。
  • 2000年(平成12年) - 株式会社カルナックを設立。
  • 2004年(平成16年)
    • シリアル製造部門が独立し、オイシア株式会社を設立。
    • 研究開発の拠点となるR&DDEセンター(現在の研究開発本部)を設立。
  • 2005年(平成17年) - 滋賀工場が独立し、カルビー湖南株式会社(現在のカルビー・イートーク株式会社)を設立。
  • 2006年(平成18年)
    • 「じゃがビー」(Jagabee)を発売。
    • 旧広島工場(宇品)を閉鎖し、現広島工場(現在の広島工場東棟、廿日市市)創業。
  • 2007年(平成19年) - 「ポテトチップス」のコンビニ専用サイズを従来の90グラムから85グラムに減量。参考価格は抜き140円。コンビニ以外サイズは70グラムから65グラムへ減量。参考価格は消費税抜き100円。
  • 2009年(平成21年) - ペプシコと業務・資本提携を締結、ペプシコがカルビーの発行済み株式を20%取得し、カルビーがジャパンフリトレーを完全子会社化する[4]。「ポテトチップス」のコンビニ以外サイズを従来の65グラムから60グラムに減量。参考価格は抜き100円。
  • 2010年(平成22年) - 本社を現在地(丸の内トラストタワー本館)に移転[8]。旧本社屋はその後、吉野家ホールディングスの本社として2016年1月まで使用されたのち、同年11月よりPALTAC東京支社となっている。また、2008年11月より「ポテトチップス」のコンビニ専用サイズが158円(85グラム、税込参考価格)となっていたが、値下げされ148円となった。
  • 2011年(平成23年)3月11日 - 東京証券取引所1部上場。[注釈 3]
  • 2012年(平成24年) - 世界最大のポテトチップス(501キログラム)を作成し、ギネス世界記録に認定。
  • 2013年(平成25年) - 2004年に独立させたオイシア株式会社を吸収合併。
  • 2015年(平成27年)秋 - 同社初となる筒入り型「ポテトチップス クリスプ」を発売[9]
  • 2019年令和元年)5月6日 - 「ポテトチップスコンソメパンチ」40周年を記念して、「ポテトチップスコンソメ肉パンチ」と「ポテトチップスコンソメ野菜パンチ」が発売。
  • 2020年令和2年) - カルビー(中国)管理有限公司(中国上海市)を設立。株式会社ポテトかいつかを100%子会社化[10]
  • 2022年(令和4年)以降 - 「ポテトチップス」コンビニ向け80グラム、コンビニ以外60グラムともに2022年上旬、2022年9月、2023年6月に原材料費高騰を理由に値上げ。2023年7月現在で、80グラムが参考価格170円前後(税抜)、60グラムが参考価格160円前後(税抜)となっている。
  • 2024年(令和6年)4月1日 - 東京ディズニーリゾートを運営しているオリエンタルランドとの間でスポンサー契約を締結。東京ディズニーランドのレストランであるキャンプ・ウッドチャック・キッチン、東京ディズニーシーファンタジースプリングス[注釈 4]のレストランであるアレンデール・ロイヤルバンケットとスナグリーダックリングを提供する[11]

注釈

  1. ^ 「おまけ」の「仮面ライダーカード」のおかげで記録的な売り上げを達成したが、カードだけを取ってスナックを廃棄する現象が全国で発生。「ライダースナック投棄事件」として社会問題化した。
  2. ^ 北海道内販売分は内容量100グラムであった。
  3. ^ 上場日の2011年3月11日(金曜日)14時46分に東日本大震災が発生し市場の終了間際に株価が急落した。
  4. ^ 2024年6月6日オープン予定。
  5. ^ 一部広告専門マスコミ通信社向け配信サイトからの情報で「カルビー広告戦略見直しで2014年10月以降はスポット広告重視に」という記事を受けたもの。
  6. ^ 平成版のシリーズと同様。

出典

  1. ^ コーポレート・ガバナンス - カルビー株式会社
  2. ^ 企業情報|カルビー
  3. ^ 本間之英『誰かに教えたくなる「社名」の由来』講談社+α文庫
  4. ^ a b c 米ペプシコ:カルビーに20%出資-海外でのスナック菓子販売強化”. Bloomberg (2009年6月25日). 2021年11月7日閲覧。
  5. ^ 松本晃インタビュー「会社は勉強の場ではない」日本経済新聞』ネット版(2017年4月11日)
  6. ^ カルビー、なぜフルグラ大ヒット?透ける経営改革と「脱ポテト王」、世界企業への脱皮 ビジネスジャーナル(2014年3月1日)
  7. ^ a b カルビーロゴはなぜ赤いのか?~社員も意外と知らない真相に迫る。”. カルビー (2022年7月19日). 2023年12月6日閲覧。
  8. ^ カルビー、本社を移転 日本食糧新聞社・2010年1月8日
  9. ^ カルビー:筒入りポテチ参入 年間100億円目指す毎日新聞』2015年3月24日
  10. ^ 会社の歴史|カルビー
  11. ^ 相川真由美 (2024年4月1日). “カルビー、東京ディズニーランド・東京ディズニーリゾートとスポンサー契約を締結。新テーマポートのレストランなど3施設”. トラベル Watch. 2024年4月1日閲覧。
  12. ^ ジャガイモ輸送コンテナ船『ポテト丸』 カルビー株式会社、2021年11月7日閲覧
  13. ^ カルビーフューチャーラボ(2019年9月22日閲覧)
  14. ^ カルビー直営店
  15. ^ 【ジュニアプレス】ポテチ ご当地の味開発/カルビー 地元の人に試食依頼『読売新聞』夕刊2018年3月10日
  16. ^ a b c あの煌めきを再び!バブル期の人気商品3品を復刻!』(プレスリリース)カルビー、2018年3月7日https://www.calbee.co.jp/newsrelease/180307a.php2021年1月6日閲覧 
  17. ^ 秋冬限定クルミ入り「フルグラ」カルビー”. 朝日新聞 (2015年10月11日). 2015年10月13日閲覧。
  18. ^ フルグラ食後の血糖値の上昇が気になる方へ(G606)
  19. ^ 恩田雅和 (2015年3月25日). “「放送史に残る名物番組の軌跡を追う」 卒業論文は「落語考」 放送局では長寿番組「紀の国寄席」を企画 定年直前に「繁昌亭」支配人へ” (pdf). 関西民放クラブ. 2023年8月16日閲覧。
  20. ^ 【カルビー ポテトチップス】の秘密(男の浪漫伝説 Vol.61) |ドリームメール
  1. ^ 「Yesterday’s tomorrow」1号店を10月28日オープン』(プレスリリース)カルビー、2017年10月27日https://www.calbee.co.jp/newsrelease/171027b.php2021年12月24日閲覧 
  2. ^ 『極(きわ)じゃが 焼きしお味』新発売!』(プレスリリース)カルビー、2017年7月12日https://www.calbee.co.jp/newsrelease/170712.php2021年12月24日閲覧 
  3. ^ ポテトチップス47都道府県の味』(プレスリリース)カルビーhttps://www.calbee.co.jp/lovejapan/2021年1月6日閲覧 






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