容器包装リサイクル法とは? わかりやすく解説

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ようきほうそうリサイクル‐ほう〔ヨウキハウサウ‐ハフ〕【容器包装リサイクル法】


容器包装リサイクル法 (ようきほうそう-ほう)

 容器包装廃棄物対象にしたリサイクル推進法で、1997年4月施行された。容器包装廃棄物とは、食品容器包装のうち、商品使われたり、商品分離され場合不要になるものを指す。瓶、缶、プラスチック紙類などで、一般廃棄物のうち容積で6割を占めるといわれている。法律では、消費者は瓶、缶などを分別して出し市町村分別収集運搬しメーカー小売店などの事業者は自ら、または指定法人リサイクル業者委託して再商品化する、という三者役割分担定めている。まず、ガラス瓶ペットボトル再商品化義務大企業対象施行されており、2000年4月からは中小企業対象になったほか、ペットボトル以外のプラスチック紙製容器などについても再商品化義務づけられた。

容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律

(容器包装リサイクル法 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/27 02:55 UTC 版)

容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律

日本の法令
通称・略称 容器包装リサイクル法
法令番号 平成7年法律第112号
提出区分 閣法
種類 環境法
効力 現行法
成立 1995年6月9日
公布 1995年6月16日
施行 1995年12月15日
所管 環境省経済産業省財務省厚生労働省農林水産省
主な内容 容器包装廃棄物の分別収集、リサイクル
関連法令 循環型社会形成推進基本法資源有効利用促進法廃棄物処理法
条文リンク 容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律 - e-Gov法令検索
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容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(ようきほうそうにかかるぶんべつしゅうしゅうおよびさいしょうひんかのそくしんとうにかんするほうりつ、平成7年6月16日法律第112号)は、日本における循環型社会形成を推進する法律のうち、容器包装廃棄物の排出抑制、分別収集リサイクル等に関する法律である。容器包装リサイクル法(ようきほうそうリサイクルほう)とも呼ばれる。

制定法は、1995年平成7年)12月15日1996年(平成8年)6月15日および1997年(平成9年)4月1日の3回に分けて施行[1]された。2000年(平成12年)4月1日には一部規定の適用除外期間が経過し完全施行[2]された。

制定の背景

日本経済の発展に伴って廃棄物の発生量が増大したため、1991年(平成3年)に「再生資源の利用の促進に関する法律」(現:資源の有効な利用の促進に関する法律)が制定され、再生資源の計画的な有効利用を進めるための基本方針が定められた。

容器包装廃棄物は、一般廃棄物の大部分を占めるものであり、このリサイクルは十分に行われていなかった。このため、廃棄物として処理されていた容器包装の資源の有効利用の促進を図るため、この法律が1995年(平成7年)に制定された。

目的

この法律は、容器包装廃棄物の排出の抑制並びにその分別収集及びこれにより得られた分別基準適合物の再商品化を促進するための措置を講ずること等により、一般廃棄物の減量及び再生資源の十分な利用等を通じて、廃棄物の適正な処理及び資源の有効な利用の確保を図り、もって生活環境の保全及び国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする(第1条)。

対象となる容器包装

同法において「容器包装」とは、「商品の容器及び包装(商品の容器及び包装自体が有償である場合を含む。)であって、当該商品が費消され、又は当該商品と分離された場合に不要になるもの」と定義されている(第2条第1項)。

容器包装のうち、再商品化義務対象となる容器包装は次の4つに分類されている。

また、「特定容器」とは、「容器包装のうち、商品の容器であるものとして主務省令で定めるものをいう(第2条第2項)。」とされ、スチール缶アルミ缶ガラス瓶段ボール、紙の箱、ポリエチレンテレフタレート製の、プラスチック製の箱などが概ねこれに該当する(同法施行規則第1条及び別表第1)。

平成18年の改正

「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律の一部を改正する法律(平成18年6月15日法律第76号)」によって法改正がなされ、この改正法は、公布の日、2006年(平成18年)12月1日2007年(平成19年)4月1日、及び2008年(平成20年)4月1日の4回に分けて施行[3]された。

見直しの基本的方向として、以下が規定された[4]

  1. 容器包装廃棄物の3Rの推進。
  2. リサイクルに要する社会全体のコストの効率化。
  3. 国、自治体、事業者、国民等すべての関係者の連携。

そして改正法での規定は主に、以下の4点である[4]

  1. レジ袋等の容器包装を多く用いる小売業者に対し、レジ袋の有償化、マイバッグの配布等の取組など、排出抑制を促進するための措置の導入。
  2. 事業者が市町村の再商品化の合理化に寄与する程度を勘案して市町村に資金を拠出する仕組みの創設。
  3. 罰則の強化による事業者間の公平性の確保。
  4. 円滑なリサイクルに向けた国の方針の明確化。

これを受けて、一般家庭からのゴミの排出の際、従来は「燃えるゴミ」「燃やせないゴミ」「金属類」「ガラス類」程度の区分しかなかったものが、商品パッケージについては「プラスチック製容器」(食品トレイ、ビニール袋など)、「PETボトル」、「ガラス瓶」(ドリンク剤やドレッシングなどの空き瓶)、「紙包装」などと細かい分別が求められるようになり、また、汚れもできる限り除去してから排出するように求められるようになった地区が多い。

令和2年の改正法施行

2020年(令和2年)7月1日の改正法施行により、プラスチック製買物袋を扱うスーパーマーケットコンビニエンスストアなどの小売店[5]で、レジ袋(持ち手のあるプラスチック製買物袋)の有料配布が義務になった[6][7]

構成

  • 第1章 - 総則(第1条・第2条)
  • 第2章 - 基本方針等(第3条-第6条)
  • 第3章 - 再商品化計画(第7条)
  • 第4章 - 排出の抑制(第7条の2-第7条の7)
  • 第5章 - 分別収集(第8条-第10条の2)
  • 第6章 - 再商品化の実施(第11条-第20条)
  • 第7章 - 指定法人(第21条-第32条)
  • 第8章 - 雑則(第33条-第45条)
  • 第9章 - 罰則(第46条-第49条)
  • 附則

主務官庁

様々な分野に関連するため、主管官庁は、環境省経済産業省財務省厚生労働省及び農林水産省と多数にわたっている。

脚注

  1. ^ 容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律の施行期日を定める政令(平成7年12月14日政令第410号)
  2. ^ 制定時の容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律施行令(平成7年12月14日政令第411号)第8条(法附則第2条第2項の政令で定める日)
  3. ^ 容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律の一部を改正する法律(平成18年6月15日法律第76号)附則第1条本文、同条第1号及び第3号、並びに容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令(平成18年11月27日政令第364号)
  4. ^ a b 3R 容器包装リサイクル法 環境省
  5. ^ 各種商品小売業、織物・衣服・身の回り品小売業、飲食料品小売業、自動車部分品・附属品小売業、家具・じゅう器・機械器具小売業、医薬品・化粧品小売業、書籍・文房具小売業、スポーツ用品・がん具・娯楽用品・楽器小売業及びたばこ・喫煙具専門小売業(容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律施行令(平成7年政令第 411 号)第5条)
  6. ^ “20年7月からレジ袋有料化 経産相が省令改正表明”. 日本経済新聞社. (2019年12月27日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53872220X21C19A2EAF000/ 
  7. ^ レジ袋削減にご協力ください! プラスチック製買物袋の有料化が2020年7月1日よりスタートします。”. 経済産業省. 2020年6月19日閲覧。

関連項目

外部リンク


容器包装リサイクル法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/28 17:28 UTC 版)

リサイクル法」の記事における「容器包装リサイクル法」の解説

瓶・缶・包装紙・ペットボトルなどの分別回収再資源化促進容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律参照

※この「容器包装リサイクル法」の解説は、「リサイクル法」の解説の一部です。
「容器包装リサイクル法」を含む「リサイクル法」の記事については、「リサイクル法」の概要を参照ください。

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