国際連合安全保障理事会決議1970
(United Nations Security Council Resolution 1970 から転送)
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国際連合安全保障理事会
決議1970 |
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日付: | 2011年2月26日 |
形式: | 安全保障理事会決議 |
会合: | 6491回 |
コード: | S/RES/1970 (UNSCR1970) |
文書: | 英語 |
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投票: | 賛成: 15 反対: 0 棄権: 0 |
主な内容: |
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投票結果: | 全会一致 |
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安全保障理事会(2011年時点) | |
常任理事国 | |
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非常任理事国 | |
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国際連合安全保障理事会決議1970(こくさいれんごうあんぜんほしょうりじかいけつぎ1970、英: United Nations Security Council Resolution 1970)は、2011年2月26日に国際連合の安全保障理事会において採択された、リビア情勢に関する決議[1]。略称はUNSCR1970。
決議はリビアにおける内戦の即時停戦を要求し、リビア政府当局に対して人民を保護する責任の履行を求めるとともに、国際連合憲章第7章に基づき事態に関する捜査と訴追を国際刑事裁判所(ICC)に付託した[2]。決議は、ICCに付託する決議では初めて全会一致で採択されたものとなった。
2011年3月3日、ICCのモレノオカンポ検察官は、リビアにおいて人道に対する罪などの犯罪が行われている可能性を調査した結果、その疑いが十分あるとして、本件に関する捜査を開始することを表明した[3]。(和訳解説)
要点
- 事態の捜査と訴追を国際刑事裁判所(ICC)の検察官に付託することを決定
- リビア政府に対し、暴力の即時停止と人権及び国際人道法の尊重を要求
- 加盟国に対し、人道支援組織の帰還支援を要請
- 加盟国に対し、リビア政府幹部指導者に対する海外渡航禁止と資産凍結措置の実施を要請
- 加盟国に対し、武器禁輸の実施を要請
- 制裁委員会の設置を決定
投票結果
賛成 (15) | 棄権 (0) | 反対 (0) |
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* 常任理事国は太字で表記。
主な議論
国際刑事裁判所(ICC)への付託を規定した条文に、ICC非締約国の国民及び政府要員に対し、「リビアでの活動から生じ申し立てられた全ての作為または不作為については当該国の排他的管轄権に従う」義務を明記した一方で、事実上ICCの管轄権行使を免除した格好となったことから、この件について各国から様々な意見が出された[1]。
- フランス代表 - 「人民の保護に対する国際社会の新たな決意を示すものとなることを望む("hoped the vote would open a new era in commitment to the protection of populations")」とした。
- ブラジル代表 - ICCの非締約国が同裁判所の管轄権に属さないとした規定について、国際正義と説明責任の推進に決して役立たないとして、強い憂慮を示した("expressed strong reservations to the provision in the resolution allowing for exemptions from jurisdiction of nationals from non-States parties")。
- インド代表 - 同国を含む理事会メンバーのうち5カ国がICCに非締約国であることに言及し、付託により暴力の停止が確実に行われることを歓迎しつつも、より「測定的なアプローチ("calibrated approach")」を望むとした。
- レバノン、ロシア代表 - リビアの主権と領土保全の重要性を強調した。
- 中国代表 - リビア状勢の特殊性を挙げ、決議の内容を支持するとした。
- リビア代表 - 「理事会の行動はリビア人民に対する精神的な支えとなるとし、トリポリのファシスト体制が終焉を迎えなければならないことの象徴だ」("Council’s action represented moral support for his people and was a signal that an end must be put to the fascist regime in Tripoli")と、ICCへの付託に対し歓迎の意を表した("welcomed the referral to the International Criminal Court")。
参考文献
- ^ a b 国際連合 (2011年2月26日). “IN SWIFT, DECISIVE ACTION, SECURITY COUNCIL IMPOSES TOUGH MEASURES ON LIBYAN REGIME, ADOPTING RESOLUTION 1970 IN WAKE OF CRACKDOWN ON PROTESTERS, Situation Referred to International Criminal Court; Secretary-General Expresses Hope Message ‘Heard and Heeded’ in Libya” (英語). UN News Centre. 2011年4月9日閲覧。
- ^ “安全保障理事会決議1970(2011)2011年2月26日、安全保障理事会第6491回会合にて採択” (日本語). 国連広報センター (2011年2月26日). 2011年4月9日閲覧。
- ^ ICC (2011年3月2日). “ICC Prosecutor to open an investigation in Libya” (英語). International Criminal Court. 2011年4月9日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 決議全文 - Wikisource
- 安全保障理事会決議1970(2011) - 国連広報センター(暫定訳)
- 安全保障理事会決議1973(2011) - 国連広報センター(暫定訳)
- Security Council Resolution - 安全保障理事会決議集
「United Nations Security Council Resolution 1970」の例文・使い方・用例・文例
- POTUSは「President of the United States」の略だ。
- 「生年月日はいつですか」「1970年2月20日です」
- 1970 年代初頭以来、独特の皮肉精神を持つRollinsは、近代化によってもたらされた複雑な社会を風刺した、印象的な作品を立て続けに発表している。
- ブラックスプロイテーション映画は1970年代に都会の黒人観客を引き付けるために制作された。
- 1970年代までは額面発行をする企業が多かった。
- 彼は1970年3月31日に生まれました。
- 1970年代にウーマンリブが始まった.
- 日本でも 1970 年代の始めにミニスカートがはやり出した.
- テンピンズは 1970 年代に大流行した.
- 女性の中絶の権利は、1970年代に憲法に組み入れられた
- 1970年代後期のアルゼンチンの汚い戦争の間に、数千人が姿を消し、殺された
- 1970年代に打ち上げられた2台のソビエト宇宙ステーションのどちらか
- 1960年代から1970年代の米国における若者の対抗文化
- 1台のネットワーク装置から別の装置にデータを送信するために1970年代にインターネット用に開発された(TCPを含む)プロトコル
- 人気があるダンスミュージック(特に1970年代後半の)
- 1960年代と1970年代の主要なBlack音楽ジャンルであった世俗的なフォームに関する福音
- 1970年代に出現したロックミュージックのスタイル
- 大いに農業生産性を上昇させた1960年代と1970年代の農薬の導入、高収率穀物とより良い管理
- アル・ファタハは、1970年代に西ヨーロッパと中東で多数の国際テロ行為を行った
- 1970年代後期から活発な、イスラム過激派グループ
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