Twentieth_Anniversary_Macintoshとは? わかりやすく解説

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Twentieth Anniversary Macintosh

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/08 01:17 UTC 版)

Apple > Twentieth Anniversary Macintosh
Twentieth Anniversary Macintosh
発売日 1997年3月20日 (1997-03-20)
販売期間 生産終了: 1998年3月14日 (1998-03-14)
標準価格 希望小売価格: 7,499 USドル
対応メディア 4× CD-ROM
OS System 7.6.1 - Mac OS 9.1
CPU PowerPC 603e 250MHz
メモリ 2スロット
32 MB、最大128 MB (2 × 64 MB) (168ピン、5 V,
60+ ns EDOもしくはFPM DIMM)
ストレージ 2GB 2.5インチ IDE
リムーバブルストレージ Apple SuperDrive
グラフィック 12.1" TFT LCD
800×600もしくは640×480 @16ビットまで
ATI 3D RAGE 2チップセット
外部接続 背面ポート:
可変レベルのサウンド入力
サウンド出力
DB-25 SCSI
TVチューナー
FMチューナー
側面ポート:
1 ADB
2 DIN-8 GeoPort
DB-25 SCSI
Sビデオ入力
サウンドライン入力
拡張スロット経由:
通信用拡張カードスロット
PCI拡張スロット
サイズ メートル - 438 × 419 × 254 mm
インペリアル - 17.25 × 16.5 × 10 in
重量 6.8 kg (14.9 lb)

Twentieth Anniversary Macintosh(TAM、20周年記念マック、以下TAMと表記)は、1997年Apple Computer(現Apple)の創業20周年を記念して限定販売されたパーソナルコンピュータ

開発コードネームはSpartacus(スパルタカス)[1]またはSmoke and Mirrors(スモーク&ミラー)、Pomona(ポモナ)[2]

概要

TAMの希望小売価格は当初7,499USドル[3](日本の当初直販価格は88万8,000円[4][5])で、アメリカ合衆国日本イギリスフランスドイツの5カ国のみで12,000台の限定発売だった[5]

TAMには、3年間のハードウェア保証(パーツ料と技術料)・ピックアップ&デリバリーサービス・通話料無料の電話サポート(ハードウェアとMac OS)・コンシエルジュ[2]と呼ばれた出張設置サービス(希望者のみ)という、四つの手厚いサポートが用意されていた[6]

日本における設置サービスは、当時のアップル正規サービスプロバイダーの日本NCR等が担当していた。

Appleの創業者であるスティーブ・ウォズニアックスティーブ・ジョブズにもこのマシンが贈られ、1990年代後半にウォズニアックが自身のオフィスに設置したウェブカメラにはウォズニアックの机にこのコンピュータが置かれているのが映っていた。しかし一方のジョブズは、このマシンを好まず窓から投げ捨てたといわれているが、真偽は定かでない。

歴史

TAMはApple Computerの創業20周年を記念して1997年に発売される(ただし実際の創業20周年にあたる日は1996年4月1日)。

1997年1月7日にサンフランシスコで開催されたMacWorld Expoで、希望小売価格と3月20日のリリース(予約受付)が発表される[7]。日本では4月25日に発表会で予約受付開始がアナウンスされている[6]。その際、生産が12,000台に達した時点で金型は廃棄するとも発表している。

実際の出荷は同年6月に開始され[2]1998年3月で生産を終了している。

仕様とデザイン

デザインは、IDEOとApple社内のIDGによるもの。それぞれの担当者は、深澤直人ジョナサン・アイブである[8]

TAMは、ディスプレイ一体型の本体、サブウーファーと電源を収めたベースユニット、トラックパッド付きのキーボードという三つで構成される。Appleの1990年代中期のPower Macintoshラインナップ(ディスプレイ一体型のPerformaシリーズを含む)や他社製のPCは、主にベージュ色の筺体を使用していたが、TAMはメタリックグリーンとゴールドの筐体が特色となっている。その独特な外観は、パーソナルコンピューティングが実現していく将来性のビジョンを表わすようにデザインされた。

新たに設計されたロジックボード(マザーボード)には、PowerPC 603e 250MHzのプロセッサを搭載。デスクトップ型のMacとしては初めて液晶ディスプレイ(12.1インチのアクティブマトリクスLCDを採用し、ATI 3D Rage IIと2MBのVRAMで、解像度は800x600か640x480の16ビットカラーに対応する。さらに本体正面には4倍速の松下電器CD-ROMSCSI接続)[5]、本体右側面にはApple製FDドライブのSuperDrive、TV/FMチューナーなどを備える。ATAハードディスクは2.5インチ2GBであり遅い。

拡張スロットとして、7インチのPCIスロットと通信用拡張カードスロット(Apple Communication slot II)がある。後に、SonnetやNewerTechnologiesが製作したPowerPC G3アップグレードオプションは、レベル2 キャッシュスロットを使用して500MHzにすることができた。ただしこれらのオプションを使うためには全て、本体背面のパネルを外してマシンの奥行きに数インチ追加する「hunchback」カバーに取り替える必要があったため、TAMのスリムなデザインを犠牲にする必要があった。

サウンドシステム

TAMでは高音質のサウンドを提供するために、音響機器メーカーのボーズと提携してAcoustimass サウンドシステム[9]を搭載。ネオジウム合金製の2インチ[5]Jewelスピーカー(エンクロージャーは深さ2.5インチ)を中高音域用として本体両脇部分に埋め込み、低音用のサブウーファーを本体とは独立したベースユニットとして用意された。ベースユニットには、本体の電源装置も内蔵されている。

起動音はTAM限定のものが設定されている。

キーボード

専用のADBキーボードには、レザー仕様のパームレストがある。マウスが付属しない代わりにApple トラックパッド(タッチパッド)が付属している。パームレストの中央にあるトラックパッドは任意に着脱可能で、外した部分にキーボード底面に付属しているレザーカバーを挿入して埋めることができる。キーボードを使わない場合は、本体の筐体の下に収納できるが、トラックパッドは出たままになる。

その他の入力機器としては、リモコン(Apple製のTV/FMチューナーカードの標準形)が付属しているが、筺体のフロントパネルにも音量調整・CDプレイバック・明るさ・コントラスト調整・Mac/TVモード切り替えに対応したボタンがある。

対応OS

プリインストールされたオペレーティングシステムは、Mac OS 7.6.1の専用バージョン(System Enabler 704)。最大のアップグレードはMac OS 9.1まで。サードパーティー製のプロセッサアップグレードカードおよびXPostFacto 4.0ソフトウェアを使うことで制限付きながらMac OS Xの幾つかのバージョンを動作させることができる。

評価

発売当初は7,499ドルだったが、販売時期も中頃に差し掛かると3,500ドルに値下げされ、1998年3月の生産終了時には1,995ドルで投げ売りされた[10]。Apple製コンピュータはほとんどが発売から1年間で生産を終えていたため、1997年3月発売のTAMがこの時期に打ち切られたのは特に珍しいことではないが、販売数が12,000台分に達したとのアナウンスはされていない。1997年にAppleに復帰したスティーブ・ジョブズは、抜本的な改革としてTAM生産完了と同時期にNewton MessagePadの事業も終了させている。

広告キャンペーンが賞を取るほど好評だったにもかかわらず売れなかったのは、単に性能に対して値段が高過ぎたためとされる(ほぼ同スペックのPower Macintosh 6500は2,999ドルで販売されていた)。PC Watchの記事では「スペックそのものだけを取り上げれば、とりたてて見るべきものはない」[6]と評されており、MACPOWER 1997年10月号の記事では、同程度のスペックを持つMac(40万円台半ば)とサウンドシステム(10万円程度)より25万円以上高くなるTAMは「かなり高価」であると指摘していた[5]

一方で、デザインについては、「インテリア用のオブジェといってもおかしくない美しいデザイン」(PC Watch)[6]、「秀逸なオリジナルデザイン」(MACPOWER)[5]と評価しており、1997年度のグッドデザイン賞も受賞した[11]

販売終了後

当時はあまり売れなかったが、収集家の間での人気は高い。2010年現在、箱付きの完動品は1,000ドル以上で取引されている[12]

Appleとスピーカーメーカー(当初はボーズ、後にハーマン・カードン)の共同作業は他の幾つかの製品開発でも行われた。

登場作品


関連項目

脚注

  1. ^ マッキントッシュ礼賛 1987, p. 188.
  2. ^ a b c アップルコンフィデンシャル - 著:オーエン・W・リンツメイヤー、訳:林信行・柴田文彦(アスキー
  3. ^ 25 years of Mac - the good, the bad, and the cheese grater”. The Register. 2012年10月3日閲覧。
  4. ^ アップル、20周年記念Macを発表、予約販売は4月25日より受付”. pc.watch.impress.co.jp. 2024年1月26日閲覧。
  5. ^ a b c d e f MACPOWER 1997年10月号 Power Review(アスキー
  6. ^ a b c d アップル、20周年記念Macを発表、予約販売は4月25日より受付 - PC Wathc(インプレス
  7. ^ 20th Anniversary Macintosh”. Apple-History.com. 2009年8月1日閲覧。
  8. ^ なぜ日本メーカーはアップルになれないのか デザインを殺すシステム、もう捨て去る時だ
  9. ^ Archived - Twentieth Anniversary Macintosh: Technical Specifications - Apple Support
  10. ^ Nast, Condé (2011年8月29日). “ジョブズが葬ったアップル製品5選”. WIRED.jp. 2024年1月26日閲覧。
  11. ^ パーソナルコンピュータ twentieth anniversary Macintosh - グッドデザイン賞公式サイト
  12. ^ 参考:20周年記念Mac:Spartacusの未使用品がeBayにのブログ記事(2011年3月30日付)で、1ドルから始まった未使用TAMのeBayでの入札が、4,050ドルまで値上がりしていることが触れられている。

参考文献

  • 中原晃司、梶浦正規著『マッキントッシュ礼賛』株式会社カットシステム、1997年6月1日。ISBN 4-906391-45-1 

外部リンク


Twentieth Anniversary Macintosh (20th Anniversary Macintosh)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/11 21:52 UTC 版)

Macintoshの機種一覧」の記事における「Twentieth Anniversary Macintosh (20th Anniversary Macintosh)」の解説

Apple創業20周年記念するMacintoshとして登場した開発コードネームは「Spartacusスパルタカス)」で、長い名称であることからそのままスパルタカス呼ばれることも多い。CPUPowerPC 603eをさらに省電力化させた603evの250MHzを搭載した一見すると液晶モニタ見えるような薄型筐体は、本体機能組み込まれているとは思えない独創的なデザイン有している。前面CD-ROMドライブ搭載していることから察せるように、随分なコンパクト化計られている。キータッチ良いとされるPowerBook3400のキーボードトラックパッド組み込み革張りパームレスト備え独特なキーボードユニットを備えている。予約購入者にはPerforma 5420等で用いられ黒色マウス付属した電源ユニット兼ねたBOSE製のオーディオシステムを採用していることも特徴であるが、完全予約制による手厚いサポートオーナーシップ込みの分、高額な価格設定であった1997年3月発売当初は7,499ドル販売されたが、1年以上後には通常サポートのみとなり、1,999ドルApple自身から在庫処分される結果となってしまった。同じ頃、日本国内でも求めやすい価格発売されることになった。後に二次キャッシュスロットに挿すタイプPowerPC G3カードSonnet社より発売されている(もともと搭載されていた二次キャッシュは外す)が、Mac OS 9.1までしかサポートされていない発売当時CEOギル・アメリオは非常に気に入っており、創業者である二人スティーブ(ジョブズウォズニアック)にもシリアルNo1No2それぞれプレゼントされた。

※この「Twentieth Anniversary Macintosh (20th Anniversary Macintosh)」の解説は、「Macintoshの機種一覧」の解説の一部です。
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