JR四国の113系改造車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 07:38 UTC 版)
「国鉄113系電車」の記事における「JR四国の113系改造車」の解説
JR四国の111系は老朽化が著しくなり、1996年度の6000系の投入により5編成中2編成が廃車となった。残る3編成の老朽取替えにあたり、JR東日本より経年の浅い113系を購入してリニューアル工事を行うこととなった。113系改造車は1999年度から2000年度にかけて3編成12両が投入され、111系は2001年3月に営業運転を終了し廃車となった。 1999年にJR東日本で廃車となった0'番台4両編成3本12両と、部品提供車として車籍の無い3両が譲渡された。譲渡車は、部品提供車1両(クハ111-507)が幕張電車区所属車である他はすべて東海道本線および伊東線で使用されていた国府津電車区の所属車であり、一部はロングシート改造車も含まれていた。 JR西日本の体質改善40Nリニューアル工事に準じたアコモデーションの更新が実施された。内装材の交換、座席の転換クロスシートへの交換などの内装関係と補助電源装置の静止形インバータ化とこれにともなうパンタグラフの2基化などの機器関係の更新、窓サッシの黒色化、雨樋形状の変更が行われている。 塗装は編成ごとに異なるカラーリングとなった。第1編成は水色に窓周りが緑、第2編成はピンク色に窓周りが赤、第3編成は黄色に窓周りがオレンジの配色となった。 前面は前照灯の4灯への増設と前面強化が行われ、踏切事故対策が図られた。前照灯・尾灯の形状変更とともに種別・行先表示器部分にも前照灯2灯が増設され、行先表示器は貫通扉下部に移設された。貫通扉上に前照灯2灯を配置したスタイルは、阪急電鉄の車両が参考にされたという。 また乗務員保護のために窓下の鉄板が厚くされ、内部に衝撃吸収材を埋込むと同時に、貫通路部分の窓が拡大されている。一方で、窓枠は種車のものが再利用されたため、銀枠とはなっていない。また、四国のモハ110形や6000系と同様の方式の中間車乗務員室がモハ112形に設置されたことなどもあり、座席数は西日本のリニューアル車より少ない。中間乗務員室は6000系よりも若干広く取られている。 乗降用扉のドアエンジンは直動式に交換され、冬期の車内保温を考慮してドア横に半自動ドアボタンが設置された。1両に片側3箇所あるドアには1つずつ、合計で3つの、それぞれ違う音が3回鳴るドアチャイムが設置された。それぞれの音には、ずれがあるため、乗務員がドア操作をした場合は混ざってずれた音が3回鳴る。 従来111・113系の制御車はクハ111形であったが、新形式のクハ113形(元クハ111形0番台)・クハ112形(元クハ111形300番台)が与えられ、中間車のモハ113・112形も旧番を踏襲せず、それぞれ1番から付番された。113系モハの1・2番ユニットはJR西日本に、モハの3番ユニットはJR東海にそれぞれ承継されていたが、1・2番ユニットは当時高速化改造を受け-5001と-5002に改番されており、また3番ユニットはすでに廃車となっていたため、車番の重複は発生していない。 車番対照は以下のとおり。 ← 観音寺・琴平 岡山・高松 → 編成番号4号車 3号車 2号車 1号車 色 1クハ113-1(クハ111-223) モハ113-1(モハ113-257) モハ112-1(モハ112-257) クハ112-1(クハ111-532) 2クハ113-2(クハ111-198) モハ113-2(モハ113-270) モハ112-2(モハ112-270) クハ112-2(クハ111-529) 3クハ113-3(クハ111-222) モハ113-3(モハ113-272) モハ112-3(モハ112-272) クハ112-3(クハ111-528) 部品提供車(未入籍) モハ113-285 モハ112-285 クハ111-507 第1編成(2009年11月15日 / 宇野線 備中箕島 - 早島) 第2編成(2008年4月3日 / 宇野線 備中箕島 - 早島) 第3編成(2009年5月23日 / 予讃線 端岡 - 国分) 車内の転換クロスシート(2007年8月12日)
※この「JR四国の113系改造車」の解説は、「国鉄113系電車」の解説の一部です。
「JR四国の113系改造車」を含む「国鉄113系電車」の記事については、「国鉄113系電車」の概要を参照ください。
- JR四国の113系改造車のページへのリンク