1993年Jリーグ開幕節とは? わかりやすく解説

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1993年Jリーグ開幕節

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/14 20:32 UTC 版)

1993年Jリーグ開幕節(1993ねんJリーグかいまくせつ)は、日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)の最初のシーズンとなった1993年シーズンのサントリーステージ(1stステージ)第1節(開幕節)として、1993年5月15日に行われたヴェルディ川崎横浜マリノス、および5月16日の4試合(後述)を指す。この項目では、この5試合、特に開幕戦となった「ヴェルディ対マリノス」を中心に、そこに向けた準備とその後について記す。なおクラブ名や会場の呼称は、全て当時の呼称で記載する。


注記

  1. ^ これにより、同シーズンのチャンピオンシップは1994年1月に開催される事となった。チャンピオンシップ(およびリーグ戦)が年をまたいだのはこのシーズンのみである (その後Jリーグカップ2020年大会の決勝が年をまたいでの開催となったが、これとは事情が異なる) 。
  2. ^ 先述のワールドカップ地区予選のためにリーグ開催可能期間が限られる一方、当時のJリーグ参加数は10チームと少なく、年間2回総当り(18試合)だけだと興行面で不利が生じる恐れがあり、年4回総当り(36試合)で日程を組んだため(2005年以降のJリーグ1部では18チームが参加し、年2回総当たりの34試合が組まれている)、第1ステージは5月中旬-7月中旬の2ヶ月間でほぼ毎週2試合ずつという過酷な日程を強いられた。第2ステージは極力週2試合を行わないように配慮していたが、それでも11-12月のいくつかの週は週2試合ペースとなった場合もあった。
  3. ^ ヴェルディには、ラモス瑠偉都並敏史柱谷哲二三浦知良武田修宏北澤豪が、マリノスには勝矢寿延松永成立井原正巳山田隆裕の代表選手が所属していた。
  4. ^ これは、NHK総合テレビで毎日19時00分から「完全帯番組」であるNHKニュース7を放送しているためで、その後数回にわたって(サントリーチャンピオンシップなど)総合テレビでナイトマッチが中継された際にも、いずれも19:30のキックオフとなっている。
  5. ^ a b 観客がこの記念チケットを完全な形で保存できるよう、試合当日のもぎり(半券の切り離し)は行われず、入口ではチケット所持の確認だけが行われた。このため、2008年の「クラシコ」では半券を持参とあるが、実際には記念チケットそのものが残っている形となった。
  6. ^ これは、ヴェルディの主催試合のうち、マリノス戦やチャンピオンシップなどの大観衆が見込める場合に国立競技場を使用する最初の例ともなった。
  7. ^ クラブが主管権を第三者に譲渡するもの(いわゆる譲渡試合)ではなく、後のJ1昇格プレーオフ決勝などのように「リーグが主管する公式戦」として開催された。
  8. ^ ペレが語ったこの開幕戦の感想を報じた1993年5月16日付の「朝日新聞」(朝刊19面)は、この肩書でペレを紹介した。ペレはこの訪日中に、東京ガスサッカー部(現在のFC東京の前身)と提携して設立した、自身の名を冠したサッカースクールの開校に立ち会った。
  9. ^ 例として「朝日新聞」を挙げると、5月15日の朝刊(13版東京=最終版)ではサントリーとSCPが展開する公式グッズショップ「CATEGORY-1」(現在のJリーグ公認ショップフラッグスタウンの前身の一つ)の全面広告2本を含めて3ページ分以上、同日の夕刊ではJリーグとサントリー(炭酸入り健康ドリンク「デカビタC」の懸賞告知)の全面広告2本が掲載された。
  10. ^ その費用は1億3000万円とされた[2]
  11. ^ TUBEはSCPと同じソニーグループの音楽部門、ソニー・ミュージックエンタテインメントに所属していた。
  12. ^ スポーツのセレモニーとして実施された初めての事例。なお、当時は1999年に制定された国旗及び国歌に関する法律による規定が存在しなかったため、「事実上の国歌」としての扱いである。
  13. ^ 原稿では「夢の実現に向けて」だった。読み替えた理由は不明
  14. ^ NHK総合テレビでの生中継はこの選手入場から始まった。開幕セレモニーは翌日にNHK BS-1で録画放映された。
  15. ^ Jリーグの公式記録では90分制の表記が用いられているため、本項目でもそれにならい、後半での時間数を便宜上付記する。
  16. ^ これは同年4月から毎週土曜に始まっていた。ただし、日曜日である同年5月16日には放送されなかった。
  17. ^ 解説はサッカーマガジン編集長の千野圭一、司会はTBSアナウンサーの松下賢次(当時)。この番組が同年10月開始の「スーパーサッカー」の原点となった
  18. ^ サッカー担当のキャスターとして俳優の川平慈英が出演。
  19. ^ 視聴率は関東地区で9.4%だった。
  20. ^ リーグ戦以外は1998年1998 FIFAワールドカップ(W杯フランス大会)直後に横浜国際総合競技場で開催されたJリーグオールスターサッカーで6万0566人を記録した。
  21. ^ 当時は引き分けが無く、同点の場合はサドンデス方式(翌1994年にVゴールに変更)の延長戦、さらにPK戦で必ず勝敗を付けた。
  22. ^ グランパス監督のドラガン・ストイコビッチは、自らの現役時代もゴールを決めることができなかったこのアウェーでの勝利を「今日は一つ、歴史的勝利として刻まれるものだと思います」とコメントした[15]
  23. ^ a b c 1999年にJリーグは2部制に移行、従来のJリーグはディビジョン1 (J1) に改称し、下部リーグとなるディビジョン2 (J2) が導入された。なお、それまでは「J1」の呼称はJリーグの下部リーグであったジャパンフットボールリーグ1部の呼称としても用いられていた(中山がインタビューで述べていた「J1」はこれを指す)。
  24. ^ Jリーグで「クラシコ」の名称が使われたのは、2006年にFC東京川崎フロンターレが直接の対戦を「多摩川クラシコ」と名付けたのが最初。なお、ヴェルディは2000年にフロンターレと川崎ダービー、2001年以降はFC東京と東京ダービーを戦っている。
  25. ^ Jリーグの優先放送権は民間テレビ放送局ではTBSが持っていて、日本テレビのヴェルディ戦中継は同日深夜の録画放送が常であるため、この生中継は異例であった。日本テレビがヴェルディ戦を生中継したのは、2004年10月2日神戸戦以来約4年ぶりだった。なお、この時以降は生中継されていない。
  26. ^ 城は1993年当時は鹿児島実業高等学校の3年生だった。
  27. ^ これは F・マリノスの公式サイトで告知された
  28. ^ なお、同企画では1993年度(1994年1月)のチャンピオンシップ2試合も放送され、その後も再放送を行った。
  29. ^ 上記の通り、中山は1993年にはJリーグでプレーしていない。
  30. ^ 正確には、2019年11月に竣工した、改築後の国立競技場での開催。
  31. ^ 厳しい言葉が多いクラマーも、記者団には「選手は開幕戦ということで、かなり神経質になっていたようだ」と苦言を呈しながら「放送用のヘリコプターが飛び、華やかなオープニングイベントを見て、(日本の)世の中も変わったなと感じた。」と述べ、試合終了後と同時にはメキシコ五輪でコーチだった岡野俊一郎日本サッカー協会副会長を「おめでとう!」と祝福した[27]
  32. ^ Jリーグ開幕戦を自宅のテレビで観戦していたプロ野球・セントラル・リーグ会長の川島廣守は「確かに強敵現る、ですな」と危機感を示した。また、パシフィック・リーグファンとしてコメントを寄せた文芸評論家の川村二郎は「日本人は新しもの好きだから、わっとなる。でも、それだけのこと。熱気は、すぐに冷めますよ」と冷ややかに述べた。一方、当時はトップリーグのプロ化を模索し、1994年にVリーグを発足させた日本バレーボール協会会長の松平康隆は「新しいものの誕生は喜ばしい」「外国人選手に頼った安易なチームづくりで、本当に人気は続くのだろうか」という賛否両面からの指摘を行った[12]
  33. ^ 開幕戦後の談話で王は「ゴールと本塁打の感激が違うように、野球との比較はできない」と釘を刺していたが、既に5月16日のTBS「サンデーモーニング」では「激突!サッカー対野球」のコーナータイトルが新聞のテレビ番組欄に掲載されていた。
  34. ^ それまでは同年4月18日のW杯1次予選、日本-UAEの24.0%。なお、中継を担当したNHKの担当プロデューサーは15-20%と予想していた[32]
  35. ^ 関東地区における巨人戦の年間平均テレビ視聴率は、1992年が19.3%、1993年が21.5%。同年には長嶋茂雄監督の復帰で巨人人気の上昇が期待されていた。

出典

  1. ^ 出典:「朝日新聞」1993年5月15日朝刊23面。
  2. ^ 出典:「朝日新聞」1993年5月16日付朝刊18面
  3. ^ 2013年、スカパーによる同試合の再放送で実況担当の八塚が加えたコメントによる。
  4. ^ 出典:「朝日新聞」1993年5月16日付朝刊18面。
  5. ^ 出典:「朝日新聞」1993年5月15日朝刊16面、庄司信明の署名記事。
  6. ^ 出典:「朝日新聞」1993年5月15日朝刊16面(前出)、及び『Jリーグオフィシャルガイド』16pの財徳健治東京新聞記者の財徳は「ヴェルディ川崎と横浜マリノスが二強」と記していた。
  7. ^ スポーツ法政・OBインタビューより [1]
  8. ^ Jリーグ開幕戦で主審を務めた小幡 真一郎氏に訊く。歴史的試合にあった知られざる真実。”. J.LEAGUE.jp (2021年5月15日). 2021年5月15日閲覧。
  9. ^ 川端康生 (2020年5月15日). “Jリーグが誕生した――1993年5月15日”. Yahoo!ニュース 個人. 2021年3月4日閲覧。
  10. ^ 出典:「朝日新聞」1993年5月15日朝刊17面「万全 助っ人パワー」、同日夕刊1面「Jリーグ今夜開幕 大物外国人ずらり スポーツ『新市場』」。
  11. ^ 出典:「朝日新聞」1993年5月15日夕刊1面(前出)。
  12. ^ a b 出典:「朝日新聞」1993年5月15日朝刊3面「時時刻刻」。
  13. ^ 参照:「朝日新聞」1993年5月17日朝刊17面「ジーコ、ハットトリック 格違う戦術眼・動き 名古屋DF、大慌て」。
  14. ^ 出典:「朝日新聞」1993年5月16日朝刊19面。
  15. ^ 【J1:第22節 鹿島 vs 名古屋】ストイコビッチ監督(名古屋)記者会見コメント”. J's GOAL (2008年8月23日). 2008年8月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月16日閲覧。
  16. ^ 伝統の一戦のブログ - Ameba Blog
  17. ^ 【J1:第10節 東京V vs 横浜FM】柱谷哲二監督(東京V)記者会見コメント”. J's GOAL (2008年5月3日). 2008年5月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年2月25日閲覧。
  18. ^ a b 「エルゴラッソ」2008年11月26日号の記事より。
  19. ^ 東京ヴェルディ公式サイト「クラブからのお知らせ」 「祝20周年Jリーグ特番 1993年シーズンの開幕戦とチャンピオンシップをスカパーにて放送!」、2013年3月3日閲覧。
  20. ^ 【2013Jリーグ・スカパー!共同記者会見】 スカパー!Jリーグ新CM及び、 20周年記念キャンペーンについて”. スカパー (2013年2月18日). 2014年4月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年3月3日閲覧。
  21. ^ a b Jリーグ20周年記念「Jリーグ20thアニバーサリーマッチ」5月11日(土)J1リーグ戦 第11節 浦和レッズvs鹿島アントラーズ 試合前セレモニー内容決定のお知らせ』(プレスリリース)日本プロサッカーリーグ、2013年5月4日http://www.j-league.or.jp/release/000/00005042.html2013年5月7日閲覧 
  22. ^ サッカーにかける男たち ~Jリーグ誕生から20年~
  23. ^ 【写真まとめ】歴史築いたヴェルディとマリノス「名門対決」の記録”. 朝日新聞 (2024年2月25日). 2024年2月25日閲覧。
  24. ^ 「鳥肌が立った」「感動で涙出る」Jリーグの開幕戦煽り映像にファンが感動…31年前の再現となる東京Vvs横浜FMは必見「これはヤバい」”. 超!WORLDサッカー (2024年2月20日). 2024年2月25日閲覧。
  25. ^ 川淵三郎氏、東京Vの16年ぶりJ1カムバックに感極まる「お帰りなさい、東京ヴェルディ!」 1993年開幕カードが国立で”. スポーツ報知 (2024年2月25日). 2024年2月25日閲覧。
  26. ^ 【横浜】16年ぶりJ1復帰の東京Vとの国立開幕戦2-1土壇場逆転勝ち!5万3026人沸いた”. 日刊スポーツ (2024年2月25日). 2024年2月25日閲覧。
  27. ^ 出典:「朝日新聞」1993年5月16日朝刊19面
  28. ^ 出典:『AERA』1993年5月18日号、「朝日新聞」1993年5月15日朝刊2面「社説 スポーツ文化に新風を」で引用。
  29. ^ 出典:『AERA』1993年5月18日号、「朝日新聞」1993年5月15日朝刊2面「社説」(前出)、「この地域主義は、理念として持ち続け、実現への努力をしてほしい。」
  30. ^ 当時Jリーグの広報室長だった佐々木一樹のインタビューより [2]
  31. ^ 出典:「朝日新聞」1993年5月16日朝刊19面。当時、王はNHKの野球解説者を務め、1990年のW杯イタリア大会では決勝戦のテレビ中継でゲストに招かれていた。
  32. ^ 出典:「朝日新聞」1993年5月17日朝刊3面「時時刻刻」。


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