G500
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「ガルフストリーム G500/G600」の記事における「G500」の解説
G500は2014年10月14日の発表時に自力で地上走行を行い、2015年5月18日に初飛行をした。当初は2017年に型式証明を受ける計画だった。2017年5月までにG500の試験機4機と量産機1機が2年間で延べ745回、2,900時間の飛行を行い、年末の型式証明取得に向けて順調に進んでいた。 2017年8月、FAA(連邦航空局)は飛行試験の前段階となる型式検査承認をG500に与えた。このときまでに5機の試験機は延べ820回、3,100時間を超える飛行を行い、客室システム、ブレーキ、照明、飛行騒音、燃料系統の試験を終えていた。5機目のG500は量産型の内装を備えており、実際に就航する最初の機体としてデモンストレート用に使われることが予定された。同月20日までにG500は延べ905回、3,460時間に及ぶ飛行を行い、その中には高度15,900m(53,000ft)でマッハ0.995に達した飛行もあった。 2017年10月のNBAA(全米ビジネス航空協会)展示会で、G500のマッハ0.85での航続距離は200海里増えて5,200海里(9,630km)に、マッハ0.9での航続距離は600海里増えて4,400海里(8,149km)に延びたことが発表された。この発表までに5機のG500は延べ995回、3,690時間の飛行をしており、その中での最長飛行はロンドンからラスベガスへの10時間19分に及ぶものだった。しかし、航続距離を延ばしたために追加試験が必要になったことと、サプライヤーの開発がEASA(欧州航空安全機関)の試験スケジュールに間に合わなくなったことから、G500の型式証明の取得は2018年前半に延期された。 2018年5月時点で、FAAの型式証明に必要な300時間の実用飛行テストは、延べ69回、185,000km、240時間に達していた。その後、氷結条件下での飛行や、高高度での離着陸試験も完了し、実用飛行テストは2018年夏に完了した。5機のG500による飛行は延べ1,355回、4,955時間に達した。 2018年7月20日、ガルフストリームはG500の型式証明と製造証明をFAAから取得した。G500はビジネスジェットで初めて着陸時のEVS(エンハンスト・ビジョン・システム)の使用が許可された。EVSは赤外線カメラで撮影した画像などをヘッドアップディスプレイに映すことで視界不良下での操縦を支援する装置である。G500の型式証明では、空港の滑走路視距離が300m以上あれば、自然視界に頼らずにEVSの映像だけを見て滑走路に進入し着陸することが認められた。また、今後の検証によっては、この視距離条件をさらに短くすることも可能である。 2018年7月23日、エンジンナセルのサプライヤーであるノーダム(Nordam)社が破産の申し立てをしたため、生産はペースダウンすることになった。9月26日、裁判所がガルフストリームによるナセルの製造ラインの買収を許可したため、ナセルの生産は再開された。 G500の初号機は2018年9月27日に顧客に引き渡された。 2020年10月、G500の航続距離は100海里延長され、マッハ0.85での飛行時は5,300海里(9,816km)に、マッハ0.9での飛行時は4,500海里(8,334km)になった。
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G500
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「ガルフストリーム G550」の記事における「G500」の解説
G500は、G550の燃料タンクを縮小して航続距離を短くしたモデルである。軽量化のおかげで離陸に必要な滑走距離が、G550の1,801mから1,570mへと短くなり、滑走路の短い小規模な空港でも利用可能になった。 G500は乗客8人を乗せ、マッハ0.80で10,742km (5,800海里)、マッハ0.85なら9260km (5000海里)を飛行可能である。キャビン構成によって最大14~18人の乗客を乗せることができる。G500は、ボンバルディアのグローバル 5000や、ダッソーのファルコン 7Xと競合することを狙っていた。EVS (エンハンスト・ビジョン・システム) は、G550では標準装備だが、G500ではオプションとなる。 G500はニッチな商品であり、G550ほどの需要を得られなかった。2009年1月時点で、G550は198機が就航していたのに対し、G500の就航数はわずか9機であった。G500は公式発表は特にされないまま、ガルフストリーム社のラインナップから消えた。その後2014年に、G450の後継となる新たなG500を2017年に市場投入することが発表されたが、そのG500は本稿のG500とは関係ないモデルである。
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