5000番台・サハ102形
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「国鉄103系電車」の記事における「5000番台・サハ102形」の解説
1989年(平成元年)3月11日に片町線(学研都市線)の長尾 - 木津間が電化されたのに際し、電化時に開設された松井山手駅で京橋寄りの4両を切り離し、以東の各駅には輸送需要の関係から木津寄りの3両が入線する分割併合運用が実施されることとなった。分割併合対象の編成は Tc-M-M'-T'+Mc-M'-Tc の組成となり、T'車とMc車に分割併合用の電気連結器を設ける改造が行われ、5000番台が登場した。 その後、松井山手以東が3両編成では輸送力不足となり、翌1990年には Tc-M-M'+Mc-M'-T'-Tc として4両編成が木津に乗り入れるよう組成変更が行われた。 ← 京橋 木津 → 1989年3月11日 - 1990年クハ103 モハ103 モハ102 サハ102(5000番台) (連結) クモハ103(5000番台) モハ102 クハ103 松井山手分離編成 木津直通編成 1990年 -クハ103 モハ103 モハ102(5000番台) (連結) クモハ103(5000番台) モハ102 サハ103または102 クハ103 松井山手分離編成 木津直通編成 分割併合部分にあたるモハ103形は、電気連結器と電気空気開閉器を搭載したクモハ103形5000番台に改造された。木津への乗り入れ編成は増結編成より3編成多く必要となり、羽衣支線のクモハ103-48を含む3両編成と大阪環状線の6両が転入し、改造時に冷房化(WAU102形)と側面方向幕設置が施工された。 クモハ103形5000番台の運転台は、クハ103形2500・2550番台と同様に1次改良型タイプだが、クモハ103形から改造の5001を含めて奥行きが広くなり、改造時に運転台直後の戸袋窓が閉鎖されている。 松井山手駅に残される4両編成側の連結部の先頭車化改造は行わず、サハに電気連結器を設置する等の改造が行われた。サハ103形に電気連結器などを装備すると、既存の床下機器(低圧ツナギ箱)と干渉するため、方向転換を行っての電気連結器の設置によりサハ102形5000番台に改造された。分割併合側の幌には蓋が設けられ、妻面には標識灯掛が設置された。 クモハ103形5000番台 5001はクモハ103形が種車、他はモハ103形に運転台が設置された。新番号は5004を除いて古い順に振り直された。クモハ103-48・モハ103-248・249・241・295・304・427・435・480・485・499・727・729・770・772・780→クモハ103-5001 - 5016 サハ102形5000番台 クモハ103形5000番台の分割・併合相手として、サハ103形0番台から13両が改造された。5001を除いて新番号は古い順に振り直されている。サハ103-385・277・280・281・286・290・320・323・366・383・386・390・416→サハ102-5001 - 5013 1990年3月の編成構成の変更により、サハ102形5000番台は1年足らずで自動解結装置が撤去され、サハ102形0番台となった。サハ102形は再びの方向転換は行われず、側面方向幕の設置位置が逆側になるなど、サハ103形との外観差異はその後も残った。電気連結器はモハ102形に移設され、改造車はモハ102形5000番台となった。 モハ102形5000番台 編成組成の変更に伴い、新たにクモハ103形5000番台の分割・併合相手としてモハ102形0番台から改造された。改造内容はサハ102形5000番台に準じているが、方向転換はされていない。モハ102-395・450・459・590・635・638・640・654・882・884・2026・2028・2041 → モハ102-5001 - 5013 サハ102形0番台 編成組成の変更に伴い、サハ102形5000番台から改造された付随車。自動解結装置の撤去後も方向の再転換は行われず、引き続きサハ102形に区分された。サハ102-5001 - 5013 → サハ102-1 - 13 当初4両編成に組成されていたサハ102形を木津直通編成に転用されたが、車両不足が生じた。2両は一般のサハ103形が転用されたが、残りの1両はユニット相手のモハ102-387がクハ103形2500番台に改造され余剰となったモハ103-232を種車として、サハ103-2501に改造された。同時にWAU102形による冷房改造および延命N工事が施工された。 サハ103形2500番台 編成組成の変更に伴いモハ103形0番台から改造された付随車で、クハ103形2550番台から運転台設置を省いた形態である。モハ103-232 → サハ103-2501 1990年の207系投入で103系の分割併合運用は終了し、5001は原番復帰、5002以降は車番を-2501の2500番台に区分された。なお、48(←5001)は新製時からクモハ103である車両で最後の現存車両であり、広島運転所が最終配置となった。 サハ102形は1・9 - 13に延命N40が施工されたが、2008年に9が廃車されて形式消滅した。モハ102形は廃車となった車両がある一方で体質改善工事施工車もあるが、標識灯掛が残存しているため妻面の形状が一般のモハ102形と異なる。サハ103-2501は廃車となった。
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