3代目 BA4/5/7型(1987-1991年)
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「ホンダ・プレリュード」の記事における「3代目 BA4/5/7型(1987-1991年)」の解説
1987年4月9日に登場。デザインは先代を継承するキープコンセプトなスタイルとなり、先代に引き続きデートカーとしてS13シルビアの登場まで一世を風靡した。サスペンションは、先代に対しリアの形式が変更され、4輪ダブルウイッシュボーンが採用された。 エンジンは先代からキャリーオーバーされたB20A型のみで、16バルブのDOHCモデル(PGM-FI仕様)と12バルブのSOHCモデル(CVデュアルキャブ仕様)の2種類。なお、出力計測条件がグロスからネットに変更されたため、出力の表記は先代より低くなっている。 量産乗用車では世界初となる、機械式4WSが搭載されている。前輪が操舵されると、前輪のステアリングギアボックスからセンターシャフトを介して入力軸である偏心シャフト、インターナルギアが固定されたプラネタリーギア、出力軸となるストロークロッドなどがあるリアステアリングギアボックスに回転が伝えられる。偏心シャフトが回転するとプラネタリーギアに偏心して固定されたピンが自転と公転を組み合わせた動きをし、この横方向の動きをストロークロッドに伝え後輪を操舵する。これにより後輪切れ角は、前輪舵角が小さいときには同位相に動作し、一定以上舵角が大きくなると逆位相方向に変化する特性になっている。なお、構造がシンプルな反面、速度や横Gなどを考慮した制御はできない。この4WS機構は、フォーミュラ1カーの開発担当として知られた佐野彰一が、部下の古川修らとともに開発したものである。 なお、当時のテレビCMのBGMには映画「地下室のメロディー」のメインテーマが起用され、4WSの動作をアピールするものとなっていた。型式のBA4型とBA5型の差は4WSの有無であり、4WS付きがBA5型、2WSがBA4型である。 1989年11月21日にマイナーチェンジが行われ、光軸を上げた固定式ヘッドライトの「PRELUDE inx(インクス)」という派生車種を追加し(カナダやアメリカの一部の州でのヘッドライト常時点灯の義務化対応のためだが輸出されることはなかった)、これまでより年齢層の高いユーザーへ訴求を試みたが、3代目発売当初の販売台数には及ばなかった。その他、「Si TCV」にはビスカスLSDが、「inx Si SRS」には運転席SRSエアバッグが、歴代プレリュードとして初めて標準装備された。 1990年10月には、3,000台限定でSi 4WSをベースに3ナンバー化した特別仕様車のSi States(BA7)を販売した。これは北米向けのB21A型エンジンを搭載し、グリーンガラス、ボディ同色サイドプロテクションモールなどが特別装備されている。サイドモールは対米輸出仕様と共通となり、全幅は1,715mmに拡大された。ボディーカラーはジュネーブグリーン・パール、 チャコールグラニット・メタリックの2色で、内装はモケットが標準であったが、オプションでレザー(グレー、タンの2色が設定されていた)が選べた。 1991年8月に生産終了。在庫対応分のみの販売となる。 1991年9月に4代目とバトンタッチして販売終了。
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