自転と公転
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/08 01:28 UTC 版)
太陽から土星までの平均距離は1.4×109kmである。公転速度は平均9.69km/秒であり地球の10,759日(約29.5年)で太陽のまわりを一周する。公転軌道は楕円で、地球の公転面から2.48° 傾いている。軌道離心率は0.056 であり、近日点と遠日点では土星-太陽間の距離は約1億5500万kmの差が生じる。 外観上の自転速度は、木星と同じく、緯度によって異なった回転周期を持つ領域として観察される。システムIは赤道域を含む領域で、一周が10時間14分00秒(844.3度/地球日)である。他の領域はシステムIIと呼ばれ、一周10時間38分25.4秒(810.76度/地球日)で回転している。これらとは別に、ボイジャーが接近した際に観測した電磁波の放射に基づいた回転はシステムIIIと呼ばれ、この一周10時間39分22.4秒(810.8度/地球日)がシステムIIに替わって自転と広く受け止められている。 しかし内部の回転周期は未だ正確に把握されていない。2004年に土星に接近したカッシーニは電磁波の回転を、従来よりも遅い10時間45分45秒(±36秒)と観測した。2007年3月には、電磁波の回転が土星の自転と一致しないことが判明した。この電磁波の変調は土星の衛星エンケラドゥスの間欠泉が影響している可能性がある。土星の軌道上に放出された水蒸気は、磁場の邪魔をして抗力を引き起こし、電磁波の回転を惑星よりも遅らせている可能性がある。カッシーニやボイジャーそしてパイオニアなどの様々な観測結果から、2007年9月には最新の報告として、土星の自転は10時間32分35秒とされている。
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