自転: 歳差と章動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 16:03 UTC 版)
多くの天体は公転に加えて自転しており、自転運動はオイラーの運動方程式によって記述される。測地学では地球の自転を地球に対して固定された座標系で議論することが多いものの、天文学分野では慣性系を用いて議論することが好まれる。惑星の自転はある軸(自転軸)まわりの回転として表現でき、その軸を n {\displaystyle \mathbf {n} } 、自転角速度を ω {\displaystyle \omega } とするとき自転は角速度ベクトル ω = ω n {\displaystyle {\boldsymbol {\omega }}=\omega \mathbf {n} } により記述される。角速度ベクトルは自転角運動量 L {\displaystyle \mathbf {L} } と L = I ω {\displaystyle \mathbf {L} =\mathbf {I} {\boldsymbol {\omega }}} という関係にある。ここに I {\displaystyle \mathbf {I} } は慣性モーメントテンソル I i j = ∫ ρ ( | x | 2 δ i j − x i x j ) d 3 x {\displaystyle I_{ij}=\int \rho (|\mathbf {x} |^{2}\delta _{ij}-x_{i}x_{j})d^{3}x} である。しばしば座標系として慣性主軸を取り、そのとき慣性モーメントテンソルは主慣性モーメント A {\displaystyle A} , B {\displaystyle B} , C {\displaystyle C} を固有値とする対角行列となる。 詳細は「地球の自転」を参照 地球の自転軸は月と太陽および他の惑星による摂動を受け、複雑に変化する。このうち長周期での軸の移動を歳差 (英: precession)、より短周期での振動を章動 (英: nutation) と呼ぶ。歳差の周期は約2万6000年であり、春分点の移動をもたらす。章動のうちもっとも振幅の大きな成分は周期18.6年であり、月の昇交点がこの周期で移動していることによる。歳差および章動は木下宙によって1977年に精密な理論が構築された。 詳細は「歳差」および「章動」を参照
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