同期自転の例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/07/04 12:02 UTC 版)
火星のフォボス・ダイモスや木星のガリレオ衛星を始め、太陽系の惑星にあるほとんど全ての衛星は自転と公転とが同期している。また、惑星と衛星との距離が近く、両者の質量の差があまり大きくない場合には、衛星からの潮汐力によって惑星の自転周期も衛星の公転周期・自転周期と同期し、両者とも完全に相手に同じ面を向けたままの状態になる場合も考えられる。準惑星の冥王星とその衛星カロンとはそのような同期の例である。地球と月とは現在、月のみ自転と公転が同期した状態にあるが、月との相互作用に起因する潮汐トルクによって地球の自転速度は徐々に遅くなっており、遠い将来には月の公転周期と同期するところまで遅くなって安定すると考えられる。 近接連星系の多くも互いの星の自転と公転が同期していると考えられている。 太陽系外惑星のうち、ホット・ジュピターと呼ばれるような軌道半径が小さい惑星は自転と公転が同期していると考えられる。また、太陽よりも質量の小さいM型主系列星の周りを回っているハビタブル惑星(生命が存在する可能性のある惑星)は、ハビタブルゾーンが恒星の近くに存在するために惑星が同期自転している可能性があると考えられている。地球型惑星が7つも連なっていることで知られるトラピスト1惑星系は、恒星に近い所を公転していることが分かっており、潮汐ロックが起きている可能性が高い。大気の存在が確認されている惑星もあり、そのような惑星では主星となる恒星の光を常に受け続ける面とその反対側の面の間で対流による大気と気温の平準化が起きている可能性もある。 変わった例では、1997年にうしかい座τ星に発見された系外惑星は、通常とは逆に恒星の自転周期が惑星の公転周期で強制され、同期しているらしいことが分かっている。
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