1950年代後半-1960年代半ば
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「プログラミング言語年表」の記事における「1950年代後半-1960年代半ば」の解説
この時代には、人間にも理解しやすい言語を目指す高水準言語の開発が始まり、1950年代後半からFORTRAN、COBOL、LISP、ALGOLなど初期の代表的なプログラミング言語が登場した。 1957年 IBMのジョン・バッカスらがFORTRANを完成。1954年から開発が始まった。高級言語としては最初のものである。その後、何度かの仕様改定を行い、2010年現在も科学技術計算など大規模な計算を必要とする分野で使用されている。 1958年 ALGOL58を発表。アメリカ系のFORTRANに対抗して、ヨーロッパの研究者の主導で開発された。構造化プログラミングの考え方を取り入れた最初の言語である。その後、改良が進められたが、当時の水準ではコンパイラの作成が難しく、あまり普及しなかった。構造化プログラミングは後に登場するPascalやC言語など多くの言語に影響を与えた。 1959年 IBMがRPGを開発。Report Program Generatorのアクロニムであり、クエリの作成に特化したプログラム言語であるが、のちに他の機能の仕様も追加された。2018年現在でもIBMのミッドレンジコンピュータであるAS/400(現・System i)の開発では主力の言語である。 1960年 J.SammetらがCOBOLを発表。アメリカ国防総省主導で開発した。初期の高級言語の1つ。必ずしも専門的な知識・技能・経験などを持たない事務員や官吏らにも馴染みやすいよう工夫され、自然言語である英語に似せて作られたため、事務処理言語として広く普及した。COBOLは2010年現在でも企業の事務処理系システムで利用されている。 1960年 MITのジョン・マッカーシーがLISPを発表(開発したのは1958年)、ポーランド記法を使用した独特の文法を持つ言語であり、「純粋ではない」が最古の関数型言語でもある。現在でも人工知能やEmacsの記述言語などに使用されている。 1964年 米ダートマス大学がBASICを開発(ダートマスBASIC)。その後、1970年代にマイクロソフトがMS BASICを発表し、8ビットパソコンにROM BASICとして搭載され広まった。8ビットパソコン時代 (1970年代後半-1980年代前半)の中心的な言語となった。 1966年 IBMがPL/Iを発表。IBMがシステム/360用に開発した。当時、科学技術計算にはFORTRAN、事務処理にはCOBOLという図式ができていたが、PL/Iは双方の用途を1つの言語でカバーすることを目的とした。
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