14年ぶりの帰郷とは? わかりやすく解説

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14年ぶりの帰郷

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 21:51 UTC 版)

小林一茶」の記事における「14年ぶりの帰郷」の解説

寛政2年1791年)の竹阿の没後一茶は再び素丸渭浜庵に執筆として住み込むようになった寛政3年1792年)春、一茶師匠素丸に父の病気理由に、帰郷申し出た。この帰郷については「寛政三年紀行」という紀行文残されている。ただし筆跡から見て寛政3年帰郷時に書かれものそのものではなく文化3年1806年)から文化5年1808年)頃に改作されたものである考えられている。内容的に方丈記奥の細道野ざらし紀行など、古典芭蕉著作など影響見られる。 なおこの寛政3年帰郷は、一茶にとって15歳故郷を離れて江戸奉公出てから14年ぶりとなる帰郷であった考えられている。これは寛政3年紀行描かれている浅間山情景からも裏付けられる。安永6年1777年)に一茶故郷離れた後、天明3年1783年)に浅間山大噴火起こしており、かつて見た浅間山周辺の様子から一変した荒涼たる光景驚いている。このことからも一茶安永6年以降帰郷したことがなかったと推定されている。 一茶の14年ぶりの帰郷は寛政3年3月26日1791年4月28日)に江戸出発した。しかし北信濃実家直接向かうことはなく、まずは下総方面目指した。下総一茶同門葛飾派知己巡り餞別集めて旅費工面図った下総の旅の中で、一茶現在の茨城県北相馬郡利根町布川で、葛飾派俳人、馬泉と考えられる仁左衛門新居祝った新家記という文章書いている、その中でこのような山水恵まれ風情のある場所はめったにない風情を知るものがこのようなところに住めばどんなにか心豊かに過ごせであろうか、翻って私は、目はあっても同然、耳はあっても馬同然なので、せっかくの美し風景風情いっこうに心に響かない、まさに『景色罪人』です」。という内容の文を記した上で 蓮の花(しらみ)を捨るばかり也 と詠んだ新家記の文章構成自体芭蕉俳文参考にしているが、句は美し蓮の花前にして捨てるばかりの自分の姿を詠んでいる。当時29歳一茶は、早くも一茶俳句特徴ともいうべき、風雅な蓮の花よりも、つまり実生活や生活に結びついた感情題材とする点、そして伝統的な花鳥風月愛でる感覚反発見せ一面見せていた。 4月8日1791年5月10日)には江戸戻り2日後故郷へ向けて改め江戸出立した一茶基本的に中山道進み碓氷峠越え軽井沢周辺では前述のようにかつて見た光景一変した天明大噴火後の浅間山周辺荒涼とした光景描写している。追分宿からは中山道離れて北国街道入り善光寺参詣して4月18日1791年5月20日)に柏原実家に14年ぶりの帰郷果たした寛政三年紀行では、「父母健やかなる顔を見ることのうれしくめでたくありがたく」と記録しており、実父ばかりではなく、関係が悪かったおかげで江戸へ奉公に出なければならなかった継母に対しても、14年ぶりの再会喜んでいる。しかし一茶その後継母腹違いの弟との激し確執が続くことになり、継母との再会を喜ぶような記述はこれが最後のこととなった一茶寛政3年帰郷時に、父に対して西日本各地を巡る計画があることを打ち明けた。これはもちろん俳諧修行第一目的とした旅であるが、計画聞かされた父から、京都西本願寺代参依頼された。前述のように父を始め一茶一家一族浄土真宗信者であり、父、そして一茶自身も熱心な浄土真宗信者であった

※この「14年ぶりの帰郷」の解説は、「小林一茶」の解説の一部です。
「14年ぶりの帰郷」を含む「小林一茶」の記事については、「小林一茶」の概要を参照ください。

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