韓国の現状
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詳細は「韓国における外国人参政権」を参照 韓国では永住資格(F-5)を獲得して3年以上が経過した19歳以上の外国人に地方参政権を付与している。2005年7月の済州道における住民投票が、永住資格保有者の参政権を認める初の例となった。外国人有権者には政党加入、政治資金の寄付が禁止され、基本的に投票行為以外の選挙運動は禁止されており、違反した場合は3年以下の懲役刑が科せられることとなっている。 日本での在日韓国人地方参政権獲得運動の進展が見られないため、これへの支援の一環として韓国での外国人参政権付与が検討されてきた側面が大きい。また、付与対象外国人有権者数は内国人有権者の0.05%であり、選挙結果に何も影響しないとの思惑もあった。韓国の金大中大統領は1999年以降外国人参政権付与を目指したが、当時韓国では永住資格制度もまだ整っておらず(2002年から)時期尚早であり、また、日帝残滓である在日問題と国内問題を同一線上で捉えることへの反発など国民世論も収斂しておらず韓国国内で廃案となった。この後、金大中のノーベル平和賞受賞の趣旨を後押しする目的で再推進され、2005年6月に盧武鉉政権下で「永住外国人に対する外国人地方参政権付与法案」が可決された。 主な当事者である華僑からの要求が表面化しない中で付与が決定されたが、在日韓国人支援の名分がなければ成立したかは疑問であるとされる。またそれ以外にも、韓国は日本よりもナショナリズムが強く排外的な国なので、思い切って地方参政権を開放した(文喜相ウリ党党首)、激しく華僑を差別してきた国で真の民主化を達成するには外国人の人権保障を進めなければならず、地方参政権付与はその象徴である(民主労働党議員)といった意見が述べられている。 永住資格取得(詳細は永住権#大韓民国)には、韓国人の一人当たり国民総所得の4倍の年間所得6500万ウォン以上があること、あるいは7年以上滞在して居住資格(F-2)を獲得した後、さらに5年滞在し、かつ韓国人の1人当り国民所得以上の収入があることなど、特に東南アジアからの移住労動者には厳しい条件とされる。また、韓国人や永住者の配偶者として永住権を申請する場合も3000万ウォン以上の財産関係立証書類の提出を要求されるが、一方、大韓民国政府樹立以前に入国した在韓華僑とその直系卑属、及び2002年4月18日以前に居住資格を取得した韓国人の日本人妻は、身元保証及び財産関係立証書類の提出が免除される。 2006年5月31日の第4回韓国統一地方選挙の時点で、韓国に居住する約20万人の外国人のうち6726人に選挙権が与えられ、内訳は大陸系華人5人、台湾系華人6511人、日本人51人、米国人8人、ドイツ人2人、マレーシア人1人、アイルランド人1人などとなっている。在韓日本人有権者のうち9割以上が韓国人と結婚した日本人女性である。これは当時の在韓日本人永住者1622人のうち3.144%にあたる。また、東南アジアからの移住労動者80万名のうち、投票権を得たのは11人だった。 2010年6月2日に実施された第5回韓国統一地方選挙で投票権を持つ外国人は2006年に比べ11680人に倍増し、成人年齢19歳以上の地方選挙有権者3876万人の0.030%となった。外国人有権者が最も多い地域はソウル市の3400人で、以下、京畿道1600人、台湾華僑の多い仁川広域市1400人、釜山広域市850人、江原道590人、全羅南道550人、忠清南道500人、忠清北道460人、全羅北道410人、大邱広域市430人となっている。 韓国は、相互主義として在日韓国人への参政権の付与を日本に対して求めている。日本では、その非対称性のため「相互主義」そのものが成立しないとする意見や、参政権を付与すべきだとする意見など、議論になっている。 詳細は「日本における外国人参政権#日韓の比較」を参照
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