電気式補聴器とは? わかりやすく解説

電気式補聴器

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/02 05:59 UTC 版)

補聴器の歴史」の記事における「電気式補聴器」の解説

電気式補聴器が登場したのは、電話機マイクロフォンそれぞれ1870年代1880年代発明され後のことだった。もっとも初期の電気式補聴器は、小形電話機そのものだった。電話機技術により音の大きさ周波数、歪の制御可能になり、補聴器機能大きく広がった専用の電気式補聴器は1898年にミラー・リース・ハチソン(英語版)によって初め作られた。最初のモデル卓上設置型で、2年後には「アコーフォーン」と名付けられ携帯用モデル発売された。これらには音声によって電流変調することで信号増幅を行うカーボンマイクロフォン用いられていた。シーメンス電気的な増幅機能を持つ補聴器製品化した最初会社一つである。1913年作られ同社初期モデルは、「高さのある葉巻箱」ほどの大きさ携帯難しかったが、耳に差し込むスピーカー備えていた。やがてカーボン補聴器小型化されると、ポーチカメラのような小物偽装した商品作られた。 1900年代発明され真空管優れた信号増幅性能持っており、通信技術大きく前進させた。1920年海軍技師アール・ハドソン最初真空管補聴器特許取った。「ヴァクチュフォーン」と名付けられハドソン補聴器電話機用の送話器用いて音声電気信号変換し真空管増幅してから受話器音声信号戻していた。重さは7ポンド(約3.2 kg)で持ち運び可能だった米国ウェスタン・エレクトリック社は1923年真空管補聴器市販モデル始めて開発したが、220ポンド100 kg)の重さ5000ドル価格を持つ「オーディオフォーン」は一般人気軽に手を出せるものではなかった。このような大型モデルろう学校教室備え付けられる例があった。 真空管補聴器音の再現性がよく、増幅性能70デシベルまで向上した。また難聴者社会運動影響もあり、1920年代から1930年代にかけて真空管補聴器一般に普及していった。1920年代半ば開発された「アコースティコン」56型は携帯用モデルとして最初期のものである着用可能な真空管補聴器英国1936年に、米国では翌年最初に発売された。 補聴器利用者にとって機器目立たないことは重要な要素だった。真空管登場後も、隠蔽性重視して増幅性能の劣るカーボン補聴器を選ぶ使用者多かった1930年代登場した着用モデルマイクロフォンバッテリー別々に衣服中に隠すことができた。第二次世界大戦周辺技術進歩すると、耳の中に隠せ小型受信機登場した1940年代にはサブミニチュア真空管プリント回路ボタン型電池といった新し技術採用した一体型補聴器登場しモダンなデザインによって補聴器イメージ変えていった。当時流行ゼニス英語版)社のポケットサイズモデル「ミニチュア75」に見ることができる。このころ補聴器エレクトロニクス小型化技術の「実験場」であり、サブミニチュア真空管のように、補聴器のために開発され技術標準化した例もあった。 ジョセフ・ポリアコフが1937年特許取ったテレコイル」は電話機音声信号磁気的に受信する部品で、通話音声以外のノイズ除去することができた。テレコイル採用した補聴器ロンドンのマルチトーン(英語版)社によって最初に製品化された。この技術原型となったヒアリング・ループ」は21世紀にも用いられている。

※この「電気式補聴器」の解説は、「補聴器の歴史」の解説の一部です。
「電気式補聴器」を含む「補聴器の歴史」の記事については、「補聴器の歴史」の概要を参照ください。

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