電気めっき
被覆しようとする金属の塩を含む溶液中に、対象の金属を浸漬し、被覆金属をアノードにしてカソード電流を流す。この手法では電解浴組成、温度、電流密度、通電時間などにより、めっき厚さ、光沢、硬度、加工性など制御できる。しかし、金属表面の清浄さが密着性を大きく左右し、また無孔性で均一厚さのめっき層を得るには、それなりの技術的工夫が必要である。
電解めっき(電気めっき)
湿式めっきのうち、電流によって金属イオンを処理物に固着させ、金属被膜を生成する方法を電解(電気)めっきという。
電解めっきでは、金属が溶けてイオン化している水溶液(めっき浴)中に、陰極(-)として処理物を、陽極(+)としてめっきと同一の金属をそれぞれ浸し、両極間に電流を流す。これによりめっき浴中の金属イオンは陰極へと移動し、処理物表面で電子を交換して元の金属に還元、析出しめっき層を生成する。電気めっきでは電流の流れる時間によって還元される金属原子の量が変わるため、処理時間を長くすることによって厚い被膜も生成できる特徴がある。
電解めっきは、多くは純金属のめっき方法として使われるが、めっき層に高度な性能あるいは特殊な機能を与えるために、合金めっきや金属中に非金属物質を分散させた複合めっきも行われることがある。
電解めっきは装飾、防錆のほか耐摩耗性、電気特性の向上を目的に、ニッケルめっき、クロムめっき、銅めっき、亜鉛めっき、貴金属めっきなど広く行われている。また最近では、電子回路のはんだ付け工程として、はんだ(Sn-Pb合金)めっきも一般化している。
適している分野・使用事例
ニッケルめっき、クロムめっき、銅めっき、亜鉛めっき、はんだめっき。
用語解説
電気めっき
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/04/04 07:29 UTC 版)
電気めっき(でんきめっき、英語: electroplating)または電鍍(でんと)とは、電流を使うめっき法で、めっきしたい物質を含む溶液、溶融塩、または、固体電解質からその物質を還元させ、電導性のある物体にその物質(金属など)の薄い層を形成させる。電気めっきは、めっき対象の物体に欠けている特性(耐摩耗性、耐腐食性、潤滑性、見栄えなど)を補うことができる。また、小さすぎる物体の厚さを増加させる目的で行うこともある。
- ^ Dufour, IX-1.
- ^ a b Dufour, IX-2.
- ^ a b Dufour, IX-3.
- ^ Degarmo, E. Paul; Black, J. T.; Kohser, Ronald A. (2003), Materials and Processes in Manufacturing (9th ed.), Wiley, p. 794, ISBN 0-471-65653-4.
- ^ Todd, pp. 454–458.
- ^ Stelter, M. (2004). “Process Optimization in Copper Electrorefining”. Advanced Engineering Materials 6: 558. doi:10.1002/adem.200400403.
- ^ Richard Feynman, Surely You're Joking, Mr. Feynman! (1985), in chap. 6: "The Chief Research Chemist of the Metaplast Corporation"
- 1 電気めっきとは
- 2 電気めっきの概要
- 3 歴史
- 4 関連項目
電気めっき
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 05:09 UTC 版)
電気めっきは、陽イオンとなる金属の溶液中に対象物を漬け、対象物に電圧を掛けて陰極とすることで表面に金属を析出させるめっき法である。亜鉛めっき、ニッケルめっき、クロムめっきなどが行われる。亜鉛めっきは安価でありよく使用される。亜鉛めっきはそのままでは亜鉛が酸化されやすいので、めっき後にクロム酸塩溶液中に浸してクロメート皮膜を作るクロメート処理が行われることが多いが、クロム酸塩溶液は人体や環境に有害な六価クロムを含むため、三価クロムのような代替法が開発されている。
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電気めっき(電解めっき、電鍍)
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「めっき」の記事における「電気めっき(電解めっき、電鍍)」の解説
詳細は「電気めっき」を参照 電気めっきとは外部電源を用いて被めっき物の表面に金属イオンの還元反応を生じさせて金属を析出させる方法である。電気めっきの用途には、装飾、防蝕(さび止めや塗装の下地など)、表面硬化、摩擦の緩和、ゴム等との接着、浸炭や窒化の防止、寸法を合わせるための肉盛り、表面模写、着色などがある。
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