院号とは? わかりやすく解説

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いん‐ごう〔ヰンガウ〕【院号】

読み方:いんごう

上皇対す尊称。「高倉院」「後鳥羽院」など。

皇太后准母など皇族女性で、上皇準じた待遇を受ける人への尊称。「建礼門院」「東三条院」など。

その人建てた菩提寺(ぼだいじ)や居住した僧院称号をもって貴人をよぶ敬称。「法興院藤原兼家)」「等持院足利尊氏)」「前唐院慈覚大師)」など。

戒名または法名で「院」の字を含むもの。古く貴人場合限られた

年功を経た修験者(しゅげんじゃ)をよぶ呼び方


いんごう 【院号】

法名

院号 【いんごう】

天皇譲位隠居しその後居住され御所○○院と呼んだことに始まる。例え後白河法皇御所は「蓮華王院」、嵯峨天皇御所は「令泉院」、後に「嵯峨院」へ移り住む当初天皇使用していた院号もやがて公家武士の間にも使われるようになり、江戸時代になると院号も金銭買えようになった驚いた幕府禁止令を出すが、それまで使われていた院号についてはお構いなしとの画期的な裁定下している。明治以降になると大富豪政治家にも院号が用いられるうになる今日では社会的に大きく貢献した人や、寺院対す貢献顕著信仰心の非常に篤い人、また多額寄付等による一時的な功労者にまでつけられるようになった
院号を最初に贈られたのは嵯峨天皇とされている。臣下では関白藤原兼家が「法興院」と称したのが始まりである。また院号の代わりに○○庵、○○軒、○○斎、○○亭などを使う場合もある。

院号

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/22 23:03 UTC 版)

院号(いんごう)は、下に「」の字が付く称号である。邸宅・寺院)に関係する、もしくは、歴史的には院に関係した。

種類

上皇(太上天皇)の尊称

823年 (弘仁14年)、嵯峨天皇が京都の嵯峨に御所を移し、嵯峨院と称せられたことにより、太上天皇(上皇)の異称としての院号が定着した。例えば、冷泉天皇円融天皇がそれぞれ譲位後に冷泉院、円融院と呼ばれた。

時期によっては上皇・法皇の人数が複数になった。その際には御在所の名称で(場合によっては崩御後にそのまま追号となる場合もある)か、在位の前後において一院(本院とも)・中院(3名以上いる場合)・新院と呼んで区別した。

天皇の追号

当初は存命中に譲位した天皇におくられたが、在位中に崩御した天皇に対しても追号として院号を贈る慣例ができた。

女院の尊称

一条天皇の母后である皇太后藤原詮子が東三条院の院号を受けることがきっかけとなり、朝廷では皇后皇太后太皇太后などの三后にも、院号を贈ることが慣習化した。女院の院号を定める公卿の評定を「院号定め」というが、藤原詮子以降の院号では、上東門院(藤原彰子)をはじめとした、門院号を贈ることが通例化された。院号を授けることを「院号宣下」という。

皇族優遇のための称号

皇位につかなかった皇太子、或いは天皇の実父ながら親王身位に留まる皇族などに対して、しばしば太上天皇の尊号が贈られた。

皇位継承をしなかった皇太子に贈られた例は、敦明親王准太上天皇の待遇として小一条院の院号を受けた。

皇位についていない親王の皇子が天皇の後継に立てられ即位した場合にも天皇の実父として院号が贈られた制度がある(太上天皇参照)。

寺院の称号

平安時代以降、皇族門跡となっている寺院などに対して院号が許された。

戒名

もとは天皇、三后のみに許されていた院号が、臣下にも普及するようになったのは、関白藤原兼家法興院を称したことによる。

平安時代から鎌倉時代までは、当初は天皇皇族、ひいては摂家将軍家戒名として院号が用いられた。しかし、時代が下るにつれ、院号は大名やその正室及び側室の俗名戒名、家臣の戒名にまで広がりを見せる。そればかりか、室町時代以降は院号の上位の号として院殿号や寺殿号が成立するなど、戒名としての院号は第二位の称号となった。

中世・近世には、摂家足利将軍家徳川将軍家大名家以下武士、民衆の戒名として用いられた。関連する号として、院殿号寺殿号、軒号などがある。

現在では、在家信者にも、戒名・法名に付されるようになる。日本国内の仏教檀家すべてを包括するものとはいえないが、今日では院号は一般国民に広く普及している。

戒名に、院号と位号(居士、大姉、信士、信女など)を付すことが、標準的と認識されるようになる。特に院号と位号を合わせて院居士・院信士と俗称される。浄土真宗など宗旨によっては、位号を用いない。

関連項目


院号

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/05 14:25 UTC 版)

法名 (浄土真宗)」の記事における「院号」の解説

法名前に「院号」を付け場合もある。「院号」は本来、寺を建立する位の貢献をした者に送られる称号であった。現在は、本山手次寺護持貢献した者へ送られる名である。 しかし、一切衆生浄土では平等であるという教えから、院号を用いることに対して反対する意見一部にある。

※この「院号」の解説は、「法名 (浄土真宗)」の解説の一部です。
「院号」を含む「法名 (浄土真宗)」の記事については、「法名 (浄土真宗)」の概要を参照ください。

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「院号」の例文・使い方・用例・文例

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