金属器の種類と時代区分とは? わかりやすく解説

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金属器の種類と時代区分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/22 04:15 UTC 版)

金属器」の記事における「金属器の種類と時代区分」の解説

金属器は、その材料違いによって青銅器鉄器などと呼び分けられる。特にこの二者は、利器容器などとして広く用いられてきた。考古学分野においては青銅器時代、鉄器時代のように、出土する遺物に応じて時代名称としても用いられる。この時代区分は、デンマーククリスチャン・トムセン提唱した先史時代時代区分法によるもので、おもに使用されていた道具材質によって、その時代を石器時代青銅器時代、鉄器時代3期区分したのである。 なお、金属利用そのもの石器時代さかのぼり自然金自然銅自然銀ならびに隕鉄新石器時代から使用されていた。とくに自然銅に関しては、イランのアリ・コシュ遺跡新石器時代初頭から使用されていたことが確かめられており、紀元前5000年ころのエジプトでも自然金自然銅使用始まっている。 これらはいずれも、天然状態のものを採取して、鍛打したり、切削したりして使用したのであるまた、赤鉄鉱原料とする赤色顔料利用も古いが,これは金属としての利用とは言い難い世界一部地域ヨーロッパ南東部西アジア中央アジア)では、青銅器時代先立って銅器時代例外的に設定することがある。これは、と錫(すず)との合金である青銅つくられる前段階相当するは錫との合金によって、硬質鋭利な農具工具武器となりえたのであり、そのままではやわらかくて利器としては活用できない青銅器は、錫の含有率14前後のものが、最もつよく伸び小さく利器としての使用にたえるとされる青銅器使用は、メソポタミアエジプトインドアナトリアなどでは紀元前3500年ころから紀元前3000年ころにかけて、エーゲ海から地中海ドナウ川経てヨーロッパで紀元前2000年前後するころから中国では紀元前1700年ころから始まっており、いずれも武器祭器装身具として利用された。ヨーロッパ青銅器文化大中心地スペインやウネティチエ(チェコ)などの中央ヨーロッパであった。それに対し日本における青銅器使用遅く弥生時代初期からであり、銅剣銅矛銅戈銅鐸銅釧(どうくしろ)などとしてであり、これは鉄器使用開始時期とほぼ同時期にあたる。したがって日本においては利器としての金属器当初から鉄製のものが使用され青銅器当初からもっぱら祭器としての性格が強い。 なお、断片的な資料ながら、佐賀県唐津市久里大牟田遺跡からは弥生時代の矛として鉛製のものが出土しており、日本産の鉛を使用していたとみられる。また山口県福岡県弥生時代遺跡からは中国からもたらされとみられる鍍金技術をともなう遺物出土している。日本本格的に水銀利用して鍍金金めっき)・鍍銀(銀めっき)がなされるのは、古墳時代以降のことである。 ほかに金や銀、などの貴金属素材とする金属器もあるが、青銅器鉄器のような実用性低く、その稀少性から宝器としての性格が強い。 ことにエジプトでは、金は「神々の肉」と称されツタンカーメンの「黄金のマスク」はじめ数多く金製品がつくられ、そこでは冶金工場神殿国家所属していた。材料となる金は、周辺砂漠地帯金鉱で間に合わなくなると、ナイル川第二瀑布までさかのぼったヌビア(いまのスーダン)の金山での採掘をおこなっている。また、エジプトでは宝石シナイ半島から運ばれている。

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