考古学分野
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 02:51 UTC 版)
考古学の専門家や一部の遺物探査を趣味とする人々が歴史的な物体を探査する際に金属探知機が広く使用されている。フランスやスウェーデンでは許可なく金属探知機で遺物の探査を行うことを法律で禁止している。これは遺跡などを保護することを目的としているが、違法に金属探査をする人々がいるのは紛れもない事実である。また、新しい遺跡が発見されても決して公表されない他徹底的な調査が行われない。違法に探知された遺跡では順層が荒された上で装飾品などが盗まれ、それらがブラックマーケットに流れることがある。 イングランドとウェールズでは一部の制限地域(歴史的遺産の保護地区や農業地における環境改善計画地区)を除いた場所では、地主の許可を得られれば宝探しを行うことができる。遺物を発掘した場合はイギリス政府の行っている遺物発見データベース等に届け出ることが望ましい。スコットランドでは状況は異なり古代の装飾物を発見した場合、 bona vacantia の原則に従って持ち主の特定できないあらゆる収集品は王室に所持権が発生する。金属探知機による探査にせよ、考古学調査による結果にせよ、いかなる時代のいかなる収集物もスコットランド国立博物館の重要発掘物諮問委員会を通じて王室に報告される必要がある。この委員会は収集品の扱いを決定する。スコットランドでは歴史的収集物の発掘報告は任意ではなく義務であり、これを怠ったことが発覚した場合刑事罰が下される。 金属探知機が考古学、歴史学において重要な役割を果たし人類の過去を知る大きな手がかりを提供しているということも事実である。かつて戦場であった場所において埋没した金属物体が金属探知機で探り当てられ、研究されている。南北戦争の大激戦地であったアメリカメリーランド州アーティンタムで金属探知機を使用した歴史調査が行われ、その有用性が示された。
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