逸物とは? わかりやすく解説

いちもつ

別表記:一物、逸物

「いちもつ」とは、1つだけのものや心に残るわだかまりのことを意味する表現

「いちもつ」とは・「いちもつ」の意味

「いちもつ」とは、「1つのもの」を意味する。このほか「わずかな量のもの」「心に残るわだかまり」あるいは「金銭」を意味する言葉だ。「Kの胸に一物(いちもつ)があって、談判でもしに来られたように思われて(夏目漱石『こころ』より引用)」のように用いる。「いちもつ」は漢字では一般的に一物」と表記するが「逸物」と書くこともある。「逸物」は「周囲のものよりも突出して優れていること」を意味する言葉だ。「どの馬を見て磨墨ほどの逸物(いちもつ)はいないので彼はすつかり気をよくして上機嫌になつていた。(伊丹万作余裕のことなど』)」のように用いるとよいだろう

「いちもつ(一物)」は「男根陰茎男性器身体から突出した部分)」を意味することもある。この意味での「いちもつ」はお笑いコンビどぶろっくメンバー森慎太郎江口直人浅井企画所属)」が下ネタとして用いたことがよく知られている。「どぶろっく」の歌ネタテレビで放送され当時は、言葉の意味わからずYahoo!知恵袋において「いちもつ」が何であるか尋ね質問多く寄せられた。また「いちもつは放送禁止用語にかかるのではないか?」という疑問持った人も少なくなかった

放送禁止用語放送中止用語・放送自粛用語)とは何らかの理由放送ふさわしくない言葉を、放送局新聞社などが自主規制によって使用禁止にしている言葉のことである。放送禁止用語は各放送局において関係者限り知らされているので、どのような語が含まれているか正確に把握されていない。だが「いちもつ」という言葉放送禁止用語には含まれていないとみられる

「いちもつ」の語源・由来

「いちもつ(一物)」という言葉正確にいつから用いられてきたのか、その由来語源不明なところが多い。だが平安時代中期11世紀)に記された「本朝文粋ほんちょうもんずい)」には「天下一已上連二賓頭」との記載がある。そのため、平安時代中期にはすでに用いられていたであろうことがわかる。なお、表記では「一物(いちもつ)」であるが、その意味は「特に優れたもの」を指す「逸物(いちもつ)」だ。

「逸物」の意味での使い方なら、平安時代中期記され宇津保(うつほ)物語970年から999年頃)の春日詣において「世の中名高き逸物の者どもをなむ」との記載見られる。「いちもつ」が現代の用法や意味に近い形となったのは江戸期であるとされている。主に武士の言葉として使われた。

「いちもつ」の熟語・言い回し

一物があるとは


一物がある」とは、「いちもつがある」と読む。「内心秘めたたくらみ思いわだかまり)を持つ」といった意味で用いられる。「心中秘めたたくらみがあること」を「腹に一物がある」という。類似する表現に「胸に一物」というものがある。これは「心にわだかまりがある」ことを意味する

いちもつをくださいとは


「いちもつをください」とは、日本お笑いコンビどぶろっく」の持ちネタ農夫神様」で使われフレーズ大きな一物ください」を指す言葉だ。「いちもつをくださいの意味は「男根(いちもつ)をください」である。

大きな一物をくださいとは


大きな一物ください」とは、お笑いコンビどぶろっく」の「農夫神様」で用いられフレーズである。「農夫神様」のことを指す場合もある。「農夫神様」は、病の母を助けるために入った農夫願い事を、神様1つだけなんでも叶えてやろうと言うのに、農夫は母の病を治すよりも「大きな一物」を求める、という歌ネタのことだ。ここで使われている「一物(いちもつ)」は「男根」のことを意味する。「農夫神様」は2019年9月21日の「キングオブコント 2019」の決勝においても披露された。結果圧倒的点数獲得し優勝した

農夫神様」は配信限定シングルとして「農夫神様大きなイチモツ~」として、2022年9月7日発売された。2022年9月21日発売された、どぶろっく4枚目のアルバム「バストアルバム」にも収録されている。

いちもつの不安とは


「いちもつの不安」とは、「一抹の不安いちまつのふあん)」を書き間違えて生まれた言葉で、Twitter話題になった書き込みをしたのは、ファッション・ヘアスタイル・美容などを紹介しているメディアニュース会社株式会社MERY」のTwitterアカウント2019年1月30日投稿において「いちもつの不安(原文イチモツの不安)」と投稿した2023年1月時点では、すでにこの投稿削除されている。なお「一抹の不安」は「少しだけ残った不安の念」「(気にするまでもないほどの)小さな不安要素」という意味である。

いち‐ぶつ【逸物】

読み方:いちぶつ

いちもつ(逸物)」に同じ。

「この太刀、寸こそ短けれども、身においては—にてあるぞ」〈義経記・五〉


いち‐もつ【逸物】

読み方:いちもつ

群を抜いて優れているもの。特に、牛・馬、または人などにいう。いちもち。いちぶついつぶつ

三頭三頭ながら、大きさも毛なみも一対まだらの—で」〈芥川偸盗


いつ‐ぶつ【逸物】

読み方:いつぶつ

いちもつ(逸物)」に同じ。


「逸物」の例文・使い方・用例・文例

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