通常戦装備
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/04 13:38 UTC 版)
詳細は「朝鮮人民軍の兵器一覧」を参照 朝鮮人民軍の通常戦装備は、全軍事予算の1/4しか投入されていない。朝鮮人民軍の装備は自国製、ソ連製、中国製が多く、全軍とも1950〜60年代に開発された旧式な装備が大半を占めている。MiG-29等、比較的新しい兵器も一部配備されているものの、ごく少数に留まっている。装備の中には独自の改良、改造を行ったものが見受けられるため、詳細については不明なものもある。半世紀も前に開発された旧式な装備は部品調達が困難なものも多く、共食い整備によって維持されていると考えざるを得ないが、高価な最新兵器の部品を必要量購入することも経済的に難しい。よって実際の稼動戦力はそれほど多くないと言われる。特に空軍は錬度維持もままならないほど部品や燃料が枯渇しているという。3隻しかない海軍のフリゲートに至っては殆ど繋留されたままである。 一般兵士の使う自動小銃(AK-47、AKM)は、老朽化が進んでいる。また、軍服や軍帽の品質も悪く、一部の部隊だけが西側諸国のPASGTに酷似した軍装を着用している。朝鮮人民軍において、迷彩服とボディアーマーは、ごく一部の選ばれた精鋭部隊にのみ与えられるエリートの証である。特に、歩兵にとって重要な武器である自動小銃の新調は近い将来行わざるを得ず、北朝鮮国内では、ロシアのイジェフスク機械製作工場からライセンス生産の許可を受けていないAK-74の密造が行われている。AK-74の密造にあわせて、対応する高倍率の照準器とGP-25グレネードランチャーも密造している。サイドアームとしては、製造元の許可を受けずにCz75、トカレフ、マカロフ、FN ブローニング・ハイパワーの密造が行われている。北朝鮮に銃器を輸出する国があるかどうかは不明である。ただ、状況証拠からみて、朝鮮人民軍が2010年に初公開した新型の地対空ミサイルに関して、中国からの技術流出が疑われる。軍事独裁国家だったミャンマーとの間では、野砲などの火器の取引が頻繁に行われていた。2020年10月に行われた軍事パレードでは新型のブルバップ式の小銃や98式小銃をベースに開発したと思われる短機関銃が相次いで登場し、既存の98式小銃にもマズルブレーキやフラッシュライト、スケルトンストック、ヘリエルマガジン、高倍率スコープ、レーザー、レイルシステムと見られる各種アタッチメントが取り付けられており、兵士の戦闘服もデジタル迷彩が取り入れられた最新式の物へと変更されていた。また冬季迷彩や砂漠用と見られる迷彩など新しい迷彩パターンも複数確認された。防弾ベストやニーパッド、モバイル情報端末を装備し、フリッツ式のヘルメット、携帯型通信装備も新しい物へと更新されており、急速な近代化が行われていることがわかる。また2021年1月の閲兵式では、2018年の軍事パレードで初登場したK11複合小銃に似た新型複合小銃や新型携行型擲弾銃も確認された。 通信装備に関して、2011年12月17日の金正日の死去の前後に無線交信量の変化がさほどなかったと韓国国情院が報告しており、これと関連して朝日新聞は軍司令部など各所を結ぶ光ファイバー網が整備されているためであり、天安沈没事件の際にも人民軍にとって有効であったと報道している。近年、北朝鮮では、各国に在する土台人により不正輸出された約1800台のパソコンを使用する「平壌情報センター(PIC)」が設立されている。サイバー戦争で仮想敵国のインフラを破壊することが狙いとみられている。
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