つうしん‐てじゅん【通信手順】
読み方:つうしんてじゅん
通信手順
【英】protocol
通信手順とは、ネットワーク上でデータを通信するための順序や規約の集合のことである。
通信手順はしばしば言語にたとえられる。例えば、英語しか話せない人に日本語でお願い事をしても、日本語がわからないという理由で、願いは聞き入れられることがない。これと同様に、二つのコンピュータが通信を行う場合にも、互いが意思疎通できるような仕組みを持っている必要がある。
通信手順は、端末が通信する場合に際して、最初に情報を発する端末の選定、送信するデータの形式、パケットの構成、あるいは通信エラーが起こった場合の対処法などを細かく取り決めている。これによっていかなる場合にもスムーズな連携を行うことが可能となっている。
インターネットでWebページを見る場合、WebブラウザやWebサーバーは「HTTP」(Hyper Text Transfer Protocol)という通信手順を利用して通信を行っている。HTTPは、TCPと、その下で具体的な通信を行うIPという2種類の通信手順を使用している。ちなみにHTTPはRFC 2616として規格化されている。
また、ユーザーがプロバイダと電話回線によって接続される際には、ユーザーのコンピュータとプロバイダのコンピュータはPPPという通信手順を用いて通信を行っている。他方モデムは、エラー訂正やデータ圧縮に、MNPなどの通信手順を使用している。
参照リンク
Hypertext Transfer Protocol -- Network Working Group - (英文)
通信手順
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 15:24 UTC 版)
CSMA/CDは、データリンク層で実装されるMAC機能であり、半二重通信環境で動作する。 初期イーサネットにおける同軸ケーブルによるバス型構成では、複数の端末が1本の同軸ケーブルに接続される。一つの論理バス内の全端末はそれぞれ電気的に等価であるため全てのフレームを受信する。各端末はこのうち宛先が自身のMACアドレスであるフレームのみを処理し、そうでないものは廃棄する(同一バス内に流されたフレームをモニタリングする機器により他者の通信内容を傍聴することも可能ではある)。多数の端末が繋がっている場合には、任意の端末AとBとの「1対1」の排他的な通信は不可能であり、端末Aから送出されたデータは、同じイーサネットの配線に繋がっている全端末へ届けられる「1対全」の通信方式である。「1対全」の通信であるため、既に端末AとBが通信している時に端末Cが新たに送信したい場合は、伝送路の空きを待つ必要がある。接続された複数の端末がほぼ同時に送信を行った場合、データが損失する。これを衝突(コリジョン)と呼ぶ。なお、同軸ケーブルのみならずリピータハブでも半二重通信となり、衝突が発生する。 CSMA/CDは、この衝突対策のために通信経路上での信号の発送手段を規定しており、以下の内容を含んでいる。 Carrier Sense: 通信開始前に、現在通信中の端末が他にいないか確認する。 Multiple Access: 複数の端末が同じ通信路を共用できる。 Collision Detection: 複数の端末が同時に送信を行った時はそれを検知し、ランダムな時間待ってから再送する。 それぞれの動作について以下に概説する。 キャリア検知(搬送波検知) バス上の全ての端末は通信路上の全て信号を常に受信可能であり、通信路が他の端末によって使われているかを確認できる。 多重アクセス 端末は通信路が空いていることを確認できたら送信を開始し、完了後に再びキャリア検知状態に復帰する。これにより複数の端末による共有バス上での通信が可能となる。 衝突検出(コリジョン検出) たまたまほぼ同時に複数の端末が送信を開始すると衝突が発生する。物理層が衝突による電気信号の乱れを検出した場合は、受信中のフレームは破棄され、ジャム信号という特殊な信号を伝送路に送信する。送出中の端末は衝突による自身の信号の乱れを検出するかジャム信号を検出すれば、直ちに送出を停止し送信中だったフレームは送信前の状態に戻される。 衝突後の再送 フレームの送出を中止した端末は、擬似乱数によるランダムな時間だけ待った後に、再び受信を試みて通信路が空いていれば、自分のフレームを送出することができる。その際にもし再度衝突が発生した場合は、n回目の衝突に対して2n個の待ち時間候補の中からランダムに決定される。この方法は「TBEBアルゴリズム」(Truncated binary exponential backoff algorithm) と呼ばれる。
※この「通信手順」の解説は、「CSMA/CD」の解説の一部です。
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