逓信省標準船とは? わかりやすく解説

逓信省標準船

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/17 07:04 UTC 版)

逓信省」の記事における「逓信省標準船」の解説

ワシントン海軍軍縮条約脱退後国際情勢悪化可能性見込んで1936年昭和11年)から標準船制定動き起きた日中戦争中の1939年昭和14年4月正式決定され、造船量の増大効率化目的大小貨物船6形式が計画された。その後日本パナマ運河経由ニューヨーク航路高速貨物船(いわゆるニューヨークライナー)に相当するL型計画されるが、さらなる情勢悪化により中止艦隊随伴大型タンカーTL型蘭印向け中型タンカーTM型鉱石運搬船K型追加された。また、D型E型中間にあたるH型計画されたが、こちらは計画のみ終わった。後の戦時標準船制定により平時標準船とも呼ばれ第1次戦時標準船はこの型式ベースにして設計されている。 ※以下、諸元総トン数機関最大速力の順 A型タービン6,300トン・ディーゼル6,200トン・レシプロ6,400トンタービンorディーゼルorレシプロタービン&ディーゼル15.5ノット・レシプロ15ノット) 6船倉三島貨物船タービン船は建造されなかったが、ディーゼル船日本鋼管鶴見造船所で1隻、レシプロ船が川南工業香焼島造船所で7隻建造された。うちレシプロ船は非公式で、1隻が応急タンカー改装された。レシプロ船とディーゼル船とは、4番船倉用デリックポストの位置異なる。全て太平洋戦争戦没した。5tデリック×12基を搭載25デリック×1基を搭載したB型(4,500トンタービンorレシプロ、14.5ノット) 5船倉三島貨物船で、川崎重工業神戸造船所等で10建造された。うち2隻は応急タンカー改装されている。9隻が太平洋戦争戦没し、終戦時残存したのは1隻のみである。5tデリック×10基、20tデリック×1基を搭載C型(2,750トンタービンorレシプロ13ノット) 4船倉三島貨物船で、名古屋造船等で41隻(制定前から同一要目建造され新京丸型含めて50隻)建造された。うち、タービン2隻、レシプロ1隻が応急タンカー改装された。太平洋戦争全て戦没し、戦後に1隻が浮揚再生された。 D型三島型1,990トン船尾機関型1,900トンレシプロ三島12ノット船尾機関型13.5ノット) 4船倉三島貨物船と、2船倉船尾機関型の2パターンある。三島型は藤永田造船所等で16隻、船尾機関型は日本海船渠等で44隻(同一要目建造された船を含むと53隻)建造された。船尾機関型は日之出貨物船第二靑山丸(大興汽船、1,898総トン)の設計そのまま踏襲しており、第二靑山丸型貨物船とも呼ばれる船尾機関型は非公式で、うち6隻が応急タンカー改装された。三島型は太平洋戦争14隻が戦没し、2隻が終戦時残存していた。船尾機関型は太平洋戦争44隻が戦没し、2隻が終戦時残存していた他、2隻が浮揚再生された。戦後船尾機関型は2隻が第1次計画造船KD型として建造された。 E型830トンディーゼル10ノット) 2船倉三島貨物船で、6隻が建造された。3隻が太平洋戦争戦没した。 F型490トンディーゼル10ノット) 1船倉船尾集約貨物船ではあるが、建造数がはっきりしないK型三島型5,400トン長船型5,950トン船尾機関型5,800トン三島レシプロ長船型&船尾機関タービン三島型&長船15ノット船尾機関型15.5ノット) 4船倉三島貨物船と、4船倉長船型、5船倉船尾機関型の3パターンある。三島型は三菱重工業神戸造船所で7隻、船尾機関型は東京石川島造船所で2隻、長船型は日本鋼管鶴見造船所等で8隻建造された。三島型と長船型3隻ずつ、計6隻が応急タンカー改装された。太平洋戦争全て戦没した。 TL型10,000トンタービン、19.5ノット艦隊随伴大型タンカー播磨造船所設計されたが、当時多数就役していた川崎型油槽船建造した方が良い判断されたためか、商船として起工されず、海軍給油艦仕様風早速吸の2隻のみが起工され、速吸は後に航空機搭載計画変更されたため、風早のみがオリジナルに近い形態竣工したTM型(5,200トンタービン、16.5ノット蘭印向け中型タンカー日立造船桜島工場等で7隻が建造された。太平洋戦争全て戦没し、戦後に1隻が浮揚再生された。

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