近年のCNに関する主なできごと
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「カナディアン・ナショナル鉄道」の記事における「近年のCNに関する主なできごと」の解説
1999年12月、ケベック州サンロムアルドにあるウルトラマーの石油精製所とモントリオールの石油備蓄基地を結ぶユニットトレイン(同一貨物を同一区間輸送する貨物列車)である「ウルトラトレイン」が脱線し、貨車同士が衝突、爆発事故を起こした。乗務員が亡くなった。現場はモントリオールの南、サントマドレーヌ〜サンチレール間である。脱線の原因は、分岐器のフログが傷み、破損したためである。多くの乗務員によれば、この区間は欠陥がある部分として知られており、再三の報告にもかかわらず、会社は効果的な修理を拒否していた。亡くなった乗務員を記念し、この路線に設置された新しいふたつの駅は、彼らの名前をとり、デービスとテリオーと名付けられた。 2003年5月14日、ブリティッシュコロンビア州のマクブリッジ近郊で、貨物列車の重量のためトレッスル橋が崩壊し、乗務員2名が亡くなった。両名は、この鉄橋を渡ることが安全でないとして、別の列車の乗務を拒否して懲戒処分を受けたことがあった。1999年からの一連の調査で、いくつかの橋は一部が腐食していながらも会社からは修復の指示がなされていないと報告された。亡くなった両運転士への懲戒処分は、死後ではあったが撤回された。 CNが2003年、略称を「Canadian National(カナダ国有)」ではなく「CN」とだけしたことで、カナダ政府の一部で論争が再燃した。アメリカ国内では、イラク戦争に参加しなかった「カナダ」の印象が悪く、「カナダ」を連想させない「CN」にしたのではないか、というものである。CNはもはやカナダの企業ではなく、アメリカの株主のものなのか、という議論が巻き起こり、カナダの運輸大臣はCNのとった処置を「不愉快だ」と述べた。この論争は、ほとんどの大企業は略称で呼ばれているという事実を認識することにより、収束した。にもかかわらず、相変わらず法的には「カナディアン・ナショナル鉄道」と呼ばれている。 2004年3月、カナダでもっとも大きな労働組合であり、CNにも組合員のいるカナダ自動車労働組合は、組合と経営側に根の深い分断があると表明した。 2005年8月、アルバータ州のワバマン湖の住民は、CNの貨物列車脱線による油流出事故に対する不満から、CNの路線を封鎖した。8月5日、9両の貨車がスコーミッシュ付近のチカマス川の鉄橋で脱線して川に落下した。ほとんどは材木が積荷であったものの、水酸化ナトリウムを積んだ貨車が1両あり、41,000リットルが川に流出した。数千リットルの軽油も流出した。カナダ放送協会(CBC)はこの汚染からの回復に50年を必要とするだろうと述べた。ブリティッシュコロンビア州政府は周辺の井戸の使用の禁止を命じ、CNは飲料水をトラック輸送して対応した。リカマス川は釣り産業でにぎわっていたが、その先行きも不透明となった。 州政府は、CNの対応が悪いと非難し、州史上最悪の化学汚染だと非難した。カナダ運輸省は、多くの両数の脱線事故に鑑みて、CNの列車は最大80両とする規制を言い渡した。伝えられるところによれば、CNは150両もの貨車を連結し、山岳路線を走行していたとのことである。 2006年6月30日、リロートの北20マイルのモランで、別の脱線事故が起き、さらなるCNの安全施策への疑問が生じた。8月にはリットンの近くで日を分かたず2件の脱線事故が起きた。ひとつはCPRの20両の石炭車がCNの路線を走っている際に置き、12両がトンプソン川に転落した。もうひとつは穀物を積んだ12両の貨車が転覆し、CNのほかの列車に積み荷をぶちまけた。 2007年8月4日には、列車の衝突事故が起きた。ブリティッシュコロンビア州プリンス・ジョージ近くのフレイザー川の土手で、ガソリンや軽油、木材を積んだ数両が爆発、炎上した。空中からの消火活動が行われた。積荷の油の一部はフレイザー川に流出した。 2007年12月4日、アルバータ州ストラスコナ郡エドモントンで列車が脱線した。28両が脱線したが、幸いにもほとんどが空車か、木材やパイプなどの危険ではないものを搭載していた。 2021年3月、アメリカのカンザス・シティ・サザン鉄道を買収することを発表。これに対し、同じカナダのカナダ太平洋鉄道も対抗して買収提案を行ったが、同年8月12日、カンザス・シティ・サザンの取締役会は、カナディアン・ナショナル鉄道の提案を推奨した。
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