軌道修正制御とは? わかりやすく解説

軌道修正制御

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/22 21:44 UTC 版)

あかつき (探査機)」の記事における「軌道修正制御」の解説

あかつき結果的に金星パワードスイングバイを行う形となり、公転周期224.7日の金星よりやや内側203日で公転する近日点9000km遠日点1億1000万km軌道移った太陽周りあかつきが約11周する間に金星は約10周して「周回遅れ」になるため、2016年12月2017年1月両者は再び接近する2010年12月8日宇宙開発委員会で、JAXAはこの時に金星周回軌道への再投入を行う可能性追求する報告した12月9日あかつきは3台のカメラLIR, UVI, IR1)を起動し、約60kmの距離から金星撮影した2011年1月JAXAあかつきについて「軌道を微修正して金星再会合する前に金星付近小惑星観測する」あるいは「減速し公転周期がより長くなるように軌道修正し)、金星後ろから追いついてくるのを待つことで、再会合までの期間を1年短縮する」などを検討しているとの報道なされた。ただしその時点では、これらについてJAXAからの公式発表無かった2011年初頭軌道のままだと2016年から2017年にかけて金星再接近するが、その距離はVOI-1の時より遥かに大きいため、いずれにせよ軌道修正は必要である。 2011年3月科学データ取得観測機器健全性確認兼ねて4台のカメラLIR, UVI, IR1, IR2)を用いて1000万km上の距離から金星複数撮影しカメラ健全性確認したまた、4月17日第1回近日点通過では、衛星表面および表面取り付けた機器など温度上昇し許容温度上限に迫る可能性断熱材劣化等が想定された。このため近日点付近では、熱入力による機器への影響最小にするため姿勢変更等の運用行った2011年6月30日宇宙開発委員会JAXAは、逆止弁閉塞させる原因や、第2回2011年11月)または3回2012年6月)の近日点通過周辺で、OMEまたは姿勢制御スラスタ使い軌道調整実施し遠日点高度を下げ周期短くし、2015年11月金星再会合させる計画報告した2011年9月7日午前1150分(日本時間)に、再び軌道投入スラスターOME, Orbit Maneuvering Engine)が使えるかどうか、またOME使用時姿勢乱れ量等を調べることを目的とした第1回OMEテスト噴射噴射時間2秒)を実施した9月9日JAXA第1回OMEテスト結果OME推力想定の約1/9であったことを発表した。この結果を受け、9月14日第2回OMEテスト噴射(同5秒)はOME噴射状況再確認することを目的として実施した9月15日JAXA第2回OMEテスト結果OME推力第1回OMEテスト結果同程度であったことを発表した。これにより当初計画された金星周回軌道への投入が困難であることが確認された。ただしOME代わりに姿勢制御エンジンRCS, Reaction Control System)を使う場合でも、軌道投入時期は同じ2015年11月とする計画立てられた。 2011年9月30日JAXAは、OME燃焼器今後使用断念し今後姿勢制御エンジンRCS)による軌道制御行いRCS運用のため、酸化剤を全投棄する報告した2011年10月26日JAXAは、宇宙開発委員会対しあかつき」の現状と金再会合に向けた軌道制御運用について報告行った。これによればOME用の酸化剤投棄2011年10月6日6分12日13日それぞれ9分行い計画通り成功したことが明らかになった。また、姿勢制御エンジンRCS使った運用計画報告され2011年11月1日にΔ90m/s、10日にΔ90m/s、21日過去2回の補正含めΔ70m/sの軌道制御実施することが明らかになった。2011年11月1日1回目軌道制御実施結果会見が行われ、これによれば姿勢制御エンジンRCS噴射時間は9分48秒、テレメトリデータ解析後に次回計画詳細決定するとの報告なされた2011年11月10日2回目軌道制御に関する発表JAXAより行われ1337分から544秒間(9分4秒)実施したとの報告なされた同時に1回目軌道制御実施時間は587.5秒(9分47.5秒)であったことを明らかにした。2011年11月21日3回目軌道制御に関する発表JAXAより行われ1357分から342秒間(5分42秒)実施したとの報告なされた2012年1月31日宇宙開発委員会調査部会は、「あかつき」の金星周回軌道への投入失敗係る原因究明及び今後対策についての調査審議報告宇宙開発委員会行った同日JAXAこれまでの調整をまとめた上で今後の運用方針について宇宙開発委員会報告行った上の調整結果2015年金星再会合できる軌道飛行中であり、金星周回軌道再投入含めて今後全く補加圧できない場合でもRCS運用可能な態となっている。探査機寿命勘案しつつ、2015年以降金星周回軌道再投入検討しており、それに向けて各種調整試験継続引き続き行われた2015年8月5日JAXA7月17日24日31日3回、計7分半姿勢制御用の姿勢制御エンジン噴射し、再投入11月から12月変更する軌道修正行い8月2日までの観測より目的の軌道修正成功した発表した2015年8月31日JAXAは「あかつき」が、太陽に最も近づく近日点通過したことを明らかにした。JAXA1ヵ月程度かけて機体が無事か確認行った

※この「軌道修正制御」の解説は、「あかつき (探査機)」の解説の一部です。
「軌道修正制御」を含む「あかつき (探査機)」の記事については、「あかつき (探査機)」の概要を参照ください。

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