角番から全勝初優勝
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場所前の9月6日、境川部屋に出稽古に来た日馬富士との三番稽古を終えた後、今年は大関の活躍が目立つが、という趣旨の記者の質問に対して「俺も目立ちたい。プロなんだから目立ってなんぼ」と4度目の角番を迎える大関の心境とは思えない前向きな言葉を発した。普段いくら軽口をたたいても、相撲のこととなれば慎重に言葉を選ぶ豪栄道であったが、8月に「タイを用意しといて」と言って周囲を驚かせた。場所前は「自分で『努力してます』って言うやつが嫌い」と稽古の内容を詳しく話すことはなかったが、場所中に二所ノ関審判部長(元大関・若嶋津)が「体が張っている。大きくなっている」と評したように、好調ぶりは明らかであった。自身4度目の角番で迎えた9月場所、初日から連勝を続け好調を維持。7日目に2横綱3大関を倒し快進撃を続けていた隠岐の海との全勝対決を制し隠岐の海の勢いを止め「負けないと思っていた。気合が入っていたので(隠岐の海の勢いは)気にしなかったです」と語り、11日目には逆転優勝を目指していた稀勢の里を渡し込みで下す。13日目には前場所優勝者の横綱・日馬富士に土俵際の首投げにて逆転勝利する。この勝利に豪栄道は「必死でした。褒められた技じゃないけど、今日に関してはよしとしないと」と、興奮気味に語っていた。そして迎えた14日目。玉鷲を完勝で下し14連勝を挙げ千秋楽を前に幕内最高優勝を決めた。かど番での優勝は2008年5月場所の琴欧洲以来8人目。幕内在位53場所目での初優勝は史上4位のスロー記録となった。また、大阪出身力士としては1930年1月場所の山錦(出羽海部屋)以来となる86年ぶり3人目の優勝であり、15日制となってからは大阪出身力士の優勝は初。また現行の優勝制度施行以来103人目の優勝力士誕生となった。優勝のインタビューでは涙を流し「いろいろな思いがありました。思い通りにいかないことが多くてつらかったけど、今日で少し報われました。うれし涙です」「大関に上がってなかなか思うように勝てなくて、そういうつらい中で、自分の中で我慢してきた」「僕は不安でいっぱいだった。勝負ごとは最後まで分からない」と語り、優勝できた勝因については「右差しにこだわって取ったのが良かった」と振り返り「まぐれだと言われないように来場所、頑張りたい」と来場所についても語った。綱取りについては「まだ何も考えていない。ちょっと余韻に浸らせてください」と、喜びをかみしめ家族との優勝記念写真におさまっていた。そして、千秋楽も大関・琴奨菊を寄り切りで破り初優勝を全勝で決めた。大関角番での全勝優勝は史上初。日本人力士の全勝優勝は1996年9月場所横綱・貴乃花以来20年ぶり。初優勝が全勝となるのは1994年7月場所の大関・武蔵丸以来22年ぶり。大関の全勝優勝は2012年9月場所の日馬富士以来4年ぶり。日本人大関の全勝優勝は1994年11月場所貴乃花以来22年ぶりとなった。全勝で場所を終えたことに豪栄道は「大満足です」と語っていた。また、埼玉県から彩の国功労賞を受賞。スポーツ報知は2016年9月25日付本紙で「涙の『ダメ大関』 けが 重圧 乗り越え」と見出しに書いて優勝を報じたが、本人は「ダメ大関」呼ばわりされたことに対して当時の担当記者を「大丈夫っすよ」と笑って許した。
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