薬用植物としての利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/18 07:35 UTC 版)
「ソーセージノキ」の記事における「薬用植物としての利用」の解説
ソーセージノキは様々な用途についての報告があるが、特に対象となる疾患が複数の地域にわたって共通している、もしくは複数の文献において言及が見られるものは以下の通りである。 疾患国民族あるいは地域使用部位方法出典および備考肝臓の病気 ウガンダ ソ(So) 樹皮 冷たい煎じ薬を長期にわたって服用 Heine & König (1988) トーゴ ? 幹樹皮 500グラム分を2リットルのお湯で煎じたものを1リットルに減らし、ビールグラス1/2杯分を朝に服用 Adjanohoun et al. (1986) 赤痢 ガーナ ? 樹皮 ? カメルーン バクウェリ(英語版)(Bakweri、Bakueri、Kpe) 樹皮 煎じ薬を服用 ナイジェリア イボ 樹皮 ? ベナン ? 根もしくは幹樹皮 ? ボツワナ カバンゴ(英語版)(Kavango) 樹皮 煎じ薬を1日に3回、スプーン2-3杯分服用 象皮病 コートジボワール ? 果実 煎じ薬 。Neuwinger (1996) は利用部位や処理方法については示していない代わりに、陰嚢にできたものに用いると記している。 梅毒 ケニア ニエリ県のキクユ 葉、樹皮、果実 煎じ薬 ザンビア ? 未熟な果実 ? 中央アフリカ ? 未熟な果実 肌にあてる ナイジェリア ? 樹皮 石灰や粉と混ぜて調理 マラウイ チェワ 根 他の植物の根とともに浸し、液を服用 。 未熟な果実 摂取 。未熟な果実が有毒であるとされていることについても言及あり。 腹痛 ケニア サンブル 樹皮か葉か根 煎じ薬を服用 タンザニア ? 幹樹皮 煎じ薬を服用 浮腫 コートジボワール ? 果実 煎じ薬 ベナン ? 幹樹皮 マメ科の Aganope stuhlmannii(シノニム: Ostryoderris stuhlmannii)の幹樹皮と共に生石灰にし、粉砕したものを黒ヤギの脂肪少量と混ぜて水に浸した懸濁液を飲む 麻疹(はしか) ケニア ニエリ県のキクユ 葉、樹皮、果実 煎じ薬 マラウイ チェワ 果実 酒にして洗浄剤とする リウマチ ガーナ ? 樹皮 ? コートジボワール ? ? ? コンゴ民主共和国 キサンガニ地方 幹樹皮 関節リウマチで痛む箇所を樹皮入りの水につからせる、または樹皮を粉にして摂取する 中央アフリカ ? 未熟な果実 肌にあてる ナイジェリア ? 樹皮 石灰や粉と混ぜて調理 ベナン ? 果肉 煎じたものを塗る マラウイ チェワ 未熟な果実 摂取 。未熟な果実が有毒であるとされていることについても言及あり。 淋病 ケニア ニエリ県のキクユ 葉、樹皮、果実 煎じ薬 ナイジェリア ? 樹皮 石灰や粉と混ぜて調理 また、女性の胸部に関連する用途も、以下のように複数の地域や民族において見られる。 目的国民族あるいは地域使用部位方法出典子の乳離れ後に胸を通常の状態に戻したい シエラレオネ ? 樹皮 加熱 乳の出をよくしたい ザンビアもしくは アンゴラ ザンベジ川西岸のルヴァレ(英語版)(Luvale、Luena) 果実 胸にこすりつける ナイジェリア 北部のハウサ 果実 煮沸して出た液体を飲ませる マラウイ チェワ 果実 粉にする 豊胸 セネガル ? 熟した果実 お湯で煮たものを胸にこすりつける タンザニア サンバー(英語版)(Sambaa) 樹皮 ? また、以下のように生殖に関連する用途も複数の地域において見られる。 目的国民族あるいは地域使用部位方法出典陰茎の発達の促進 マラウイ チェワ 果実 切って乾燥させたものをつき砕き、粉を水につける Malanga (1971) 陰茎の膨張 南アフリカ共和国 ヴェンダ(英語版)(Venda) 果汁 局部の皮膚を傷付け、そこに揉みこむ 不妊治療女性の トーゴ ? 幹樹皮 500グラム分を2リットルのお湯で煎じ、1リットルに減らしたものを服用 Adjanohoun et al. (1986) 男性の タンザニア ? 樹皮 煎じ薬を服用 トーゴ ? 幹樹皮 500グラム分を2リットルのお湯で煎じ、1リットルに減らしたものを服用 Adjanohoun et al. (1986) 原発不妊および続発不妊(性別は不明) ベナン ? 根 マメモドキ科の Rourea coccinea(シノニム: Byrsocarpus coccineus)や ノウゼンカズラ科カエンボク属の Spathodea africana の根と共に煎じたものを服用 ? 幹の皮 200グラム分をギニアショウガ(Aframomum melegueta)の果実1個、ヒメコラノキ(Cola acuminata)の果実1個、および玉ねぎ1個と共に煎じたものを服用 以上のように、対象となる疾患あるいは利用目的が同一のものであっても、用いられる部位や処理方法、用法は地域や民族によって多種多様であることが窺える。
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