ザンベジ川とは? わかりやすく解説

ザンベジ‐がわ〔‐がは〕【ザンベジ川】


ザンベジ川

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/21 02:49 UTC 版)

ザンベジ川
Zambezi, Zambesi, Zambeze
River
ナミビア、ザンビア、ジンバブエ、ボツワナの国境の接点付近を流れるザンベジ川
愛称: besi
ザンビア,  コンゴ民主共和国, アンゴラ, ナミビア, ボツワナ, ジンバブエ, モザンビーク, マラウイ, タンザニア
源流
 - 所在地 ムウィニルンガ英語版, ザンビア
 - 標高 1,500m (4,921ft)
 - 座標 南緯11度22分11秒 東経24度18分30秒 / 南緯11.36972度 東経24.30833度 / -11.36972; 24.30833
合流地 インド洋
 - 所在地 モザンビーク
 - 座標 南緯18度34分14秒 東経36度28分13秒 / 南緯18.57056度 東経36.47028度 / -18.57056; 36.47028座標: 南緯18度34分14秒 東経36度28分13秒 / 南緯18.57056度 東経36.47028度 / -18.57056; 36.47028
長さ 2,574km (1,599mi)
流域 1,390,000 km² (536,682 sq mi) [1][2]
流量
 - 平均 3,400 m3/s (120,070 cu ft/s) [1][2]
ザンビア北西部ザンベジ近郊でのザンベジ川
ジンバブエ共和国内の主な考古遺跡と川の位置図。インゴンベ=イレデの町と初期のモノモタパ王国は、ザンベジ川を利用した交易が繁栄の契機となった。

ザンベジ川(ザンベジがわ、英語:Zambezi River、フランス語:Zambèze、ポルトガル語:Rio Zambeze、スワヒリ語:Mto wa Zambezi、ショナ語:Rwizi Zambezi、チェワ語:Mtsinje wa Zambezi)は、アフリカ南部を流れインド洋に注ぐ河川である。全長は2,750キロメートル、2,736キロメートル、2,740キロメートル、2,470キロメートル[3]ナイル川コンゴ川ニジェール川に次ぐアフリカで4番目の長さの川である。

地理

ザンビア北部に源を発し、アンゴラ、ザンビア、ナミビアと流れた後ザンビアとジンバブエ国境を流れ、モザンビークに入りインド洋モザンビーク海峡に注ぐ。途中には世界三大瀑布の一つ、ヴィクトリア滝があり、ほかにチャヴマ滝英語版(Chavuma)、ンゴニェ滝(Ngonye)もある。

支流

主な支流はカフエ川英語版ルアングワ川およびマラウイ湖を水源とするシーレ川などがある。

生物相

上流域はカラハリ砂漠の周縁部を流れる。氾濫原にはシロアカシアギニアシジギウム英語版などの河畔林およびDiplorhynchus英語版属の低木林パルミラヤシ属英語版ザンビアチーク英語版アンゴラカリン英語版などの森林が分布しており、ライオンオグロヌーなどの動物が生息している[4]。ヴィクトリア滝を過ぎると、中流域一帯にはイチジク属Ficus sur英語版オリーブOlea europaea subsp. cuspidata英語版)、Trichilia emetica英語版セネガルヤシ英語版Ilex mitis英語版アカテツ科マホガニーアカシアバオバブなどの植物が生え、アフリカゾウアフリカスイギュウ、ライオン、ヒョウクロサイカバキリンシマウマレイヨウイボイノシシヒヒサルハイエナチーターナイルワニハヤブサ類タカ類ナベコウサギ類ミナミベニハチクイ英語版などが多く生息している[5][6]河口に近い沖積平野三角州にはマングローブ熱帯草原ヤシ林、湿地などが広がり、周辺の海域を含む一帯にアフリカスイギュウ、アフリカゾウ、カバ、ライオン、ヒョウ、モモイロペリカンコシベニペリカン、サギ類、フラミンゴシラサギサンショクウミワシコウノトリ類オニアジサシホオカザリヅルホオジロカンムリヅルハンドウイルカ類ウスイロイルカ類魚類貝類などが生息している[7]

ザンビア西部にあるバロツェ氾濫原英語版[4]、ジンバブエのビクトリアの滝国立公園[5]マナ・プールズ国立公園[6]およびモザンビークの河口部にあるザンベジ川の三角州[7]ラムサール条約登録地である。

交通

大型船は河口からモザンビークのテテまで航行可能だが、そこから上流はカボラ・バッサ英語版急流に阻まれ、遡上は不可能である。中流・上流域は急流が多く、カヌー丸木舟を除き航行はほぼできない。

橋梁

ザンベジ川には、チニンギ英語版、ヴィクトリア滝(ヴィクトリアフォールズ橋)、チルンド英語版チルンド橋)、テテ(サモラ・マチェル橋英語版)の4箇所にしか橋が架かっていない。

河川施設

流域には水力発電所が2つある。一つはカリバダムでザンビアとジンバブエに、もう一つはカオラ・バッサダム英語版南アフリカに電力を供給している。カリバダムによってせき止められて出来たダム湖であるカリバ湖は、世界最大の人造湖である。

ザンベジ川の怪物魚

ザンベジ川には怪物魚がいると言われ、釣り人が川に引きずり込まれる事件が次々と報告されている。その姿は地元の人の説明では「蛇のような魚」だという。その魚の名は「ソロモンフィッシュ」とも「マズンダ」ともいわれ、場所によっては名前が様々である。特に有力な説として、カリバダムカリバ湖周辺に巨大魚が棲みついているらしく、そこでは「ヴンドゥー」というナマズの一種で体長は最大のもので3メートルとも5メートルともいわれているが定かではない。イギリスの生物学者・釣り師であるジェレミー・ウェイドが自身の番組『怪物魚を追え!』にてヴンドゥー英語版を釣り上げた[8]

脚注

  1. ^ a b Richard Beilfuss & David dos Santos: Patterns of Hydrological Change in the Zambezi Delta, Monogram for the Sustainable Management of Cahora Bassa Dam and The Lower Zambezi Valley (2001). Estimated mean flow rate 3424 m³/s
  2. ^ a b International Network of Basin Organisations/Office International de L'eau: "Développer les Compétences pour mieux Gérer l'Eau: Fleuves Transfrontaliers Africains: Bilan Global." (2002). Estimated annual discharge 106 km³, equal to mean flow rate 3360 m³/s
  3. ^ [1]
  4. ^ a b Zambezi Floodplains | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2007年2月2日). 2023年4月9日閲覧。
  5. ^ a b Victoria Falls National Park | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2015年11月24日). 2023年4月9日閲覧。
  6. ^ a b Mana Pools National Park | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2016年3月24日). 2023年4月9日閲覧。
  7. ^ a b Zambezi Delta | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2015年10月23日). 2023年4月9日閲覧。
  8. ^ [2]アニマルプラネット怪物魚を追え!』シーズン4第7回の「ザンベジ川のモンスター」(原題:Invisible Executioner)の回。

関連項目

外部リンク


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