筆者と書風とは? わかりやすく解説

筆者と書風

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/20 04:22 UTC 版)

高野切」の記事における「筆者と書風」の解説

高野切筆者古来紀貫之882年 - 946年)と伝承されてきたが、実際は貫之の時代より1世紀ほど後の11世紀中期書写である。 近代における筆跡研究の進展により、高野切筆跡3種分かれることが明らかにされており、便宜上、「第一種」「第二種」「第三種」と称されている。全20巻を3人で分担書写したいわゆる寄合書よりあいがき)である。小松茂美は、「第一種」の筆者巻一、九、十、十一十二二十、「第二種」の筆者が巻二、三四、五六、七、八、「第三種」の筆者が巻十三十四十五十六十七十八十九担当し、「第一種」はあるいは真名序仮名序合わせて担当したではないか推定している(二玄社日本名跡叢刊・高野切第一種解説による)。 高野切本の現存する巻は巻一二、三、五、八、九十八十九二十で、残りの巻は失われたものと思われるこのうち、巻五(個人)、巻八(山口毛利博物館)、巻二十高知県)の3巻のみが巻物として完存し3巻とも国宝、ただし第五巻は二首が切り取られ断簡として現存)、巻一二、三、九、十八十九断簡として各所分蔵されている。巻一巻頭部分断簡東京五島美術館、巻九の冒頭部分断簡大阪湯木美術館所蔵である。

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筆者と書風

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/14 04:26 UTC 版)

大聖武」の記事における「筆者と書風」の解説

大聖武聖武天皇と言われていた。この伝承は古く、『実隆公記』や国宝前田本第3巻別紙奥書から永正年間にはすでに存在したことがわかる。しかし、大聖武書風聖武天皇宸筆とみられる正倉院宝物の「雑集と書風がまったく異なるため、現在ではほぼ問題にされていない。 この写経一人筆者によって写され一筆経である。筆者不明だが、脱字脱行などが認められることから、厳格な写経所における書写だとは考えにくい。字詰めは1行9字から15字と不定だが、おおよそ12程度書かれており、1行17字で書かれる一般的な写経比べ字粒は大きい。その書風は堂々、気宇雄大重厚謹直などと形容されるもので、一般に北魏龍門造像記、特に始平造像記との類似指摘されている。しかし、北魏をふくめ六朝時代大字経の遺品は見つかっておらず、大字経が書かれるのは唐代入ってからだと考えられている。そのため角井博は、大聖武筆者龍門書風系統をひく人ではないか推測する一方で多肉多骨の豊かな書風展開される中唐という時代背景にして生まれた感覚ではないかとも言う。樋口秀雄も、隋・初唐の頃に比べ極端に肉がついた中唐書風汲んだものと捉えている。また川上貴子は、大聖武顔真卿早期の作である多宝塔碑752年)と筆線や結構が酷似していると指摘する。なお、顔真卿北魏書法学んだと言われており、間接的に始平造像記影響があることは否定していない。 大聖武の字の特徴として、補筆をしているということ挙げられる点画一部手直ししたなぞり書きいわゆるちょうちん屋」)をしている箇所随所認められるのである。これについて角井は「筆者造形美意識叶わないのでナゾリ書きして形を整えた」と推定川上はその造形美意識内容について「筆線に重厚感を出すため」ではないかと言うまた、川上は、補筆除いた大聖武の字の形や大きさは、他の大字経(龍光院ほか大字法華経センチュリー文化財団ほか註楞伽経)に酷似しているとも指摘している。 天平勝宝9年757年)の首楞厳経山辺諸公写)、また天平宝字3年759年)の増一阿含経中阿含経一難宝郎ほか写)など、奈良後期写経前中期異なり力強く肉太の筆線が見られる。これについて角井は、遣唐使によってもたらされ当時の唐の書風影響示唆するが、田中塊堂写経生の山辺諸公や一難宝郎は大聖武影響受けていると言う

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