竹宮流
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 17:13 UTC 版)
泉宗一郎(いずみ そういちろう) 40歳を過ぎながらもまだまだ現役の古武術家。「狛犬のような男」と形容される。文七と戦って敗れているが、より大柄な文七との体重差さえ無ければ蹴りで致命傷を負わせて、勝利していた可能性もあったほどの実力者。負けて重傷を負わされたものの、文七の強さと彼が手加減をしなかったことが気に入ったようで、竹宮流の技を教えるようになる。北辰館とも交流があり、これまでに館長の松尾象山や姫川勉を始め複数の空手家に竹宮流を教えている。 藤巻十三(ふじまき じゅうぞう) 北海道出身、30歳。目の前で強盗に母親を陵辱され、さらに両親を殺害されたことをきっかけに高校卒業直後に奈良に来て、泉宗一郎に弟子入りした。7年間にわたって竹宮流を習っていたが宗一郎の娘の冴子が強盗に凌辱された現場に出くわし、逆上。強盗を投げ技で殺害して姿を消し、以後指名手配されていた。逃亡中だったが、宗一郎が文七に敗れたことを知り再び宗一郎の前に姿を現した。師の仇である文七のみならず、以前に竹宮流を習った北辰館空手の選手たちも敵視しており、闇討ちを敢行する。姫川が泉冴子と男女の関係にあることを知ってからはさらに敵意を燃やし、北辰館トーナメントに乱入して姫川と対戦するが、敗北。その直後に逮捕される。宗一郎は藤巻が釈放された後には竹宮流の跡目を譲る予定である。 泉冴子(いずみ さえこ) 宗一郎のひとり娘。20歳。14歳の時、家に押し入った強盗に強姦された過去を持つ。竹宮流を学ぶため派遣されていた姫川と男女の関係になり、その後姫川を追って上京。一時期北辰館の世話になっていたが、すぐに自分で仕事を見つけ独立した。竹宮流は習っていない模様。 泉重介(いずみ じゅうすけ) 宗一郎の父。すでに故人。松尾象山に竹宮流の手ほどきをした。
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竹宮流(流派と技)
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江戸時代中期、泉彦次郎によって柳生新陰流から、徒手武術のみを独立させたとされる。竹宮流においては関節技は葛(かずら)と総称され、相手を投げた瞬間に技に入り、投げ終えたときには極めているものが多い。 千鳥(ちどり) 葛技の1つ。相手を前屈みの姿勢にし、両手首を掴んで捻り上げ頭部を両足で挟み込む。 片羽千鳥(かたはねちどり) 葛技の1つ。片腕を捻り上げ、その腕の付け根をまたいで、尻を肩に落としてさらに腕を絞り上げる。作中では片羽千鳥の変型技と虎王(後述)を組み合わせて使用している。 千鳥落(ちどりおとし) 葛技の1つ。千鳥の体勢から体重をかけて相手の頭を地面に叩き付け、そのまま両肩の骨を同時に外す。 横千鳥(よこちどり) 葛技の1つ。相手をうつぶせの状態から腕挫十字固の形で相手の片腕を掴み腕の付け根を両足で挟む。片足で相手の後頭部を、もう一方の足で背中を抑え、同時に両足の先で相手の反対側の腕を絡めとる。 裏千鳥(うらちどり) 葛技の1つ。仰向けにした相手を、横千鳥と同じ体勢で極める。 仰月(ぎょうげつ) 立った姿勢で、背後から相手の顎の下に腕を潜り込ませ、首をねじって斜め上方を見上げる形に極める。この技に相手の片腕を絡め取る変型の片羽千鳥を組み合わせると、チキン・ウィング・フェイスロックと同様の形となる。 虎王(こおう) 両足で相手の頭を挟む打撃技。自分の両脚を虎の顎(あぎと)に見立てた技で、虎が獲物の頭部を、その巨大な上顎と下顎で噛み、延髄に牙を突き立ててとどめを刺すことが、虎王という名の由来となっている。両脚の間に相手の頭部を挟むという形で打撃技が決まれば竹宮流では多少の変型も虎王とみなされ、片羽千鳥と組み合わせたもの以外にも様々なバリエーションがある。作中で丹波が使用したのは、拳打に飛びつき、両足で相手の頭を蹴り挟んだ後、取った腕をそのまま捻り上げ、肩関節を極めた形で相手を顔面から地面に叩きつけるというもの。 雛落とし(ひなおとし) 両腕を交差させて相手の両襟を捕り、下腕を喉輪に極めてかち上げ、そのまま背負投の要領で首から投げ落とす。落ちる際、喉輪に極めた下腕が体重を乗せたワンハンド・チョークとなり、相手の喉を圧し潰す。技の名は「雛人形の首を落とす」という意味合いでつけられた。 地被(じかぶり) 板垣版のオリジナル技。目を打って視覚を奪いつつ後帯を捕り、急回転させて頭から落とす。受け手は平衡感覚が狂うため、受身を誤りやすい。
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