程錫庚暗殺事件とは? わかりやすく解説

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程錫庚暗殺事件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/03 09:30 UTC 版)

天津事件」の記事における「程錫庚暗殺事件」の解説

1939年夏、天津事件日英関係の大危機発生した1939年4月9日日本所有する華北中国聯合準備銀行管理者であった程錫庚が天津大劇場中国人国家主義者たちによって暗殺された。程錫庚を殺害した爆弾攻撃では、劇場内で偶然に程錫庚の近く座っていた無関係の人も巻き添えとなって数人死亡した日本は、イギリス租界に住む6人の中国人男性暗殺関与した非難した地元イギリス警察は、6人のうち4人を逮捕し拷問をせずに5日以内英国管理下に戻すという約束の下で、日本引き渡した拷問受けて、4人のうち2人暗殺への関与自白した自白拷問により得られたものであるが、地元イギリス警察被告人暗殺関与した結論付けた。4人の男が英国管理下に戻ると、蔣介石の妻である宋美齢重慶イギリス大使カーに対して被告人暗殺者抵抗活動関与した中国の工作員であることを知らせて被告人日本返還され処刑されるのを防ぐロビー活動行った地元イギリス領事であるジェミーソン氏は、事件の詳細中でも告発され暗殺者引き渡すことを彼が日本人に対して約束した事実について、イギリス政府十分な情報提供していなかった。イギリス外相ハリファックス卿は、自白拷問によって得られたと聞いて告発され暗殺者日本返還しないよう命じた天津駐在日本陸軍第27師団長の本間雅晴中将イギリス人から友好的であると見なされていたが、北支那方面軍参謀長山下奉文中将中国における西洋租界全廃する主張信奉者として知られていた。1939年初頭以来山下は、天津イギリス租界廃止主張しイギリス暗殺者とされる人物の引き渡し拒否すると、租界封鎖命じるよう東京の上司を説得した1939年までに、日本人の間では、中国動かし続けているのはイギリスの経済支援であり、物事前に進めるにはイギリスとの対決が必要であるとの確信高まっていた。日本の外務省秘密研究での議論によれば中国全体日本の影響範囲内に入るのを許すということはアジアにおけるイギリスの影響力実質的に終焉することを意味する日中組み合わされば、それはアジア支配する巨象となる。つまりイギリス観点からみれば、中国敗北することは許容できないということであり、したがって外務省イギリス政策変化させられる可能性はまずなかった米英共同所有している上海国際居留地とは異なり天津イギリス租界であれば英米両国一度対立することは回避できるから、まさにおあつらえ向きであり、日本1939年初頭にはそれを封鎖することをすでに決定していた。イギリスにとって更なる問題は、通常ならば租界警察中国人容疑者天津警察引き渡して中国裁判所裁判かけられるものとされていたのだが、イギリスは、名目上天津警察支配している南京汪兆銘政権承認していなかったため、租界警察は、ロンドン中国政府として承認していない政権属す警察中国人容疑者を渡すのをやめていた。租界警察捕らえられれば地元牢獄入れられるが、日本捕らえられ拷問され処刑されるよりはまだましなため、多くの「軍統工作員イギリス租界拠点として工作活動を行うようになっていた。日本汎アジア主義宣伝によれば、平和、繁栄兄弟愛によりアジア全ての人々団結させると言われていたが、中国人たちは日本よりもイギリス囚人になることを好んだ同時に1938年後半からのドイツ外務省との交渉において、防共協定反英軍事同盟転換するというドイツ要請に対して日本反ソビエト軍事同盟にのみ署名することを主張して日本外務省拒否していたという事実は、日本がまだイギリスとの戦争へ進む準備ができていなかったという事実を反映している。ドイツ海軍英国との戦争準備ができるまでに、まだ数年かかるため(ヒトラー1939年1月承認したZ計画は、ドイツ海軍に対して1944年までに王立海軍との戦争準備整えるよう要求していた)、ドイツ外相ヨアヒム・フォン・リッベントロップは、ドイツの海軍弱さ対す最良補償として、日本のような強力な海軍力を持つ国との同盟望んでいた。

※この「程錫庚暗殺事件」の解説は、「天津事件」の解説の一部です。
「程錫庚暗殺事件」を含む「天津事件」の記事については、「天津事件」の概要を参照ください。

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