福知山線脱線事故による影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/23 21:47 UTC 版)
「JR西日本207系電車」の記事における「福知山線脱線事故による影響」の解説
「JR福知山線脱線事故」も参照 2005年4月25日の午前9時18分頃、福知山線(JR宝塚線)尼崎駅 - 塚口駅間で宝塚発同志社前行上り快速5418M(7両編成)が右カーブで7両中5両が脱線し、うち先頭2両が進行方向左側の線路沿いにあるマンション1階に激突、大破する事故が起きた。 事故にあった7両は、Z16編成(4両)とS18編成(3両)である。2編成は、Z16編成を先頭に途中の京田辺駅まで併結して運転した後、京田辺駅でS18編成を切り離し、Z16編成のみの4両が同志社前駅まで向かう予定だった。7両のうち、Z16編成の先頭車がマンション1階の立体駐車場に横転した状態で突っ込み、前から2両目が横転した状態でマンション1階側壁に衝突、この2両は原形が全く残らないほどに大破した。3両目、4両目もすべての台車が脱線し、車体が歪むほどの衝撃を受けている。後方に連結されたS18編成も、クハ206-1033とサハ207-1019の塚口寄りの台車以外の全てが脱線した。 ← 同志社前・京田辺・尼崎 塚口・宝塚 → 車両クハ207-17 モハ207-31 モハ206-17 クハ206-129 クモハ207-1033 サハ207-1019 クハ206-1033 編成番号Z16編成 S18編成 脱線した車両のうちZ16編成の4両については事故当日に車籍を抹消され、鉄道線復旧時に事故現場で解体された。S18編成は塚口駅へ人力で回送された後、DD51の牽引で宮原総合運転所に搬入され、4両目がぶつかったため前面が破損していたクモハ207-1033にはブルーシートが掛けられた。この3両は重要証拠として兵庫県警に押収され、県警の施設で前4両の台車などと共に保管された。 鉄道書籍によると、これら3両は警察の指示で返却または除籍許可が出るまでは車籍抹消ができないため車籍こそあるものの、車両が破損していること、事故の証拠として今後の裁判に使用される可能性があること、また事故を風化させない目的から、JR西日本では警察から返却され次第廃車とし、大阪府吹田市にある社員研修センター敷地内の鉄道安全考動館に保存する予定とされている。そして、2011年2月2日に神戸地方検察庁は保管していた同編成を同年2月1日付でJR西日本に返還した。2018年(平成30年)11月17日、事故の風化防止および社員教育活用のため事故当該の7両を保存する意向を明らかにした。解体された4両に関しては、復元が困難だとして、部品ごとに展示されることになった。事故当該の7両は2024年秋に社員研修センターに設置される専用設備(鉄道安全考動館とは別施設)に保存される予定である。 この7両が使用不能となったことにより森ノ宮電車区から103系が貸出され、さらに予備車確保のためにJR東日本から103系8両を購入し、代走車とした。その後は321系を予定より3編成21両多く投入して車両不足を補った。 そのほか、脱線事故後に207系に搭載されていた非常管(自動空気ブレーキの原理を利用し、ホースが破裂するか乗務員室にある非常管スイッチを抜くと非常ブレーキが作動する装置)のホースが交換期限を過ぎても取り替えられていないことが一部で報道された。そのため一斉に207系全車両において非常管の点検作業が行われた。
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