研究の開始とその進展とは? わかりやすく解説

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研究の開始とその進展

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/06 13:31 UTC 版)

死海文書」の記事における「研究の開始とその進展」の解説

1947年写本発見から2年がたっても、研究者たちは、写本出所である洞窟発見にすら至っていなかったが、国連休戦監視部隊ベルギー人将校フィリップ・リッペンス (Phillip Lippens) 大尉らが、ベドウィンから情報得て洞窟第1洞窟)を発見した1949年1月28日)。委任統治領時代イギリスによって設立されヨルダン考古局 (Jordanian Department of Antiquities) の長官ジェラルド・ランケスター・ハーディング (Gerald Lankester Harding) は、同地域の考古学遺跡管轄していたため、このニュース聞いてクムラン洞窟探索企画しエルサレム・フランス聖書考古学学院 (École Biblique) の所長で、ヘブライ語聖書専門家ドミニコ会司祭ロラン・ド・ヴォー(英語版) (Roland De Vaux) を誘った1949年2月から3月にかけて二人指揮のもと、アメリカ・オリエント学研究所も協力して第1洞窟調査され残っていた数百写本断片回収された。 その頃ベドウィンたちも周辺洞窟探索続け考古学者たちを出し抜くようにさらなる写本発見する1952年新たな写本市場にでたことから、ド・ヴォーの指揮下でフランスアメリカ考古学者たちが共同周辺洞窟群調査新たに5つ洞窟(第2〜第6洞窟)から写本回収した第3洞窟から発見され異色発見物は「巻物」と呼ばれるもので、その名のとおり薄い銅版に文字刻んで巻物のように丸めたものであった巻物には金を含む財宝隠し場所が記されていて話題となったが、巻物記された「財宝」は一つ発見されていない)。また第4洞窟からは膨大な量の断片発見され、それらをつなぎあわせて600巻物復元された。これは死海文書の実に4分の3にあたる。以後、ヒルベト・クムラン遺跡含めて周辺調査続けられたが、洞窟からの写本の発見1956年第11洞窟発見最後になった。 死海文書研究は、特定の教派によらない超教派による国際的な委員会によって行われることになった。ド・ヴォーが委員会リーダーになり、ヨゼフ・タデウス・ミリク(Josef Tadeus Milik、ポーランドカトリック司祭(後に還俗)、文献学)、パトリック・スキーハン(Patrick Skehan、アメリカカトリック司祭聖書学)、ジャン・スタルキー(Jean Starcky、フランスカトリック司祭アラム語研究パリ国立科学研究センター)、モーリス・ベイェ(Maurice Baillet、フランスカトリック司祭パリ国立科学研究センター)、フランク・ムーア・クロス(Frank Moore Cross Jrアメリカプロテスタント長老派、後にハーバード大学教授)、クラウス・フンツィンガー(Klaus Hunzinger、ドイツプロテスタントルター派)、ゲッティンゲン大学)、ジョン・アレグロ(英語版)(John Marco Allegroイギリスメソジスト派(のちに無神論者)、オックスフォード大学)、ジョン・ストラグネル(英語版)(John Strugnell、イギリス英国国教会、後にハーバード大学)、そして後にド・ヴォーの後継者指名されるピエール・ベノワ(英語版)(Pièrre Benoitフランスカトリック司祭ドミニコ会))といった気鋭学者たちが集結した委員会研究成果は『ユダの荒野発見物英語版)』(Discoveries In The Judaean DesertDJD称す叢書としてオックスフォード大学出版局から出版されることになった1951年にはド・ヴォーの指揮によるヒルベト・クムランの本格的な発掘調査開始された(簡単な調査限っていえば1949年一度行われている)。調査チームはそこで洞窟にあったものと同じタイプの壷を発見し、ド・ヴォーは死海文書作ったのがクムラン教団であることを確信した調査1956年まで断続的に続けられたが、第二次中東戦争勃発1956年10月29日)によって中止された。遺跡最後調査1958年行われている。

※この「研究の開始とその進展」の解説は、「死海文書」の解説の一部です。
「研究の開始とその進展」を含む「死海文書」の記事については、「死海文書」の概要を参照ください。

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