洞窟群
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/09 09:12 UTC 版)
ナハル・メアロットにあるのはタブーン、スフール、エル=ワド、ジャマルの4つの洞窟であり、世界遺産登録地域と一致している。それらの洞窟のうち、最初の3洞窟は、1929年にイギリスのドロシー・ギャロッドらの調査隊が初めて本格的に調査した。この調査は1934年まで続き、ギャロッドは帰国後の1939年に女性初のケンブリッジ大学考古学のディズニー教授職になった。ギャロッドらの調査は、初期のネアンデルタール研究史において重要な調査のひとつであったと見なされている。 第三次中東戦争(1967年)の後に、多くの大学が調査に赴くようになり、イスラエル政府は1971年にナハル・メアロットの洞窟群周辺に、「ナハル・メアロット自然保護区」を設定した。現在、これらの洞窟群はイスラエル自然・公園局が管理している。 国際記念物遺跡会議 (ICOMOS) は、カルメル山に残る4つの洞窟それぞれの意義を次のようにまとめている。 スフール洞窟とタブーン洞窟は、現生人類の起源とネアンデルタール人の運命に関連するヒトの遺物と加工品の存在によって、人類の進化のどの概説でも採り上げられている。エル=ワド洞窟は、食糧生産と定住生活の初期段階の痕跡によって、世界的に知られている。ジャマル洞窟は木製・石製の家財道具や皮革製品なども含めて、中期旧石器時代の物質文化の傑出した証拠が発見された場所である。
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