盗伐事件の取り締まりとは? わかりやすく解説

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盗伐事件の取り締まり

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/08/23 04:34 UTC 版)

奥山廻り」の記事における「盗伐事件の取り締まり」の解説

『御縮山之圖』文化11年(1814)、原作者不明富山県立図書館新川御郡大綱色分絵圖江戸末期原作者不明富山県立図書館 奥山廻り初期目的国境警備であったが、しだいに世の中安定してくると木材盗伐密貿易取り締まり重点変わっていった。この黒部奥山へしきりに出没したのは信州であった奥山廻りらはこの取り締まり難儀したたちは奥山廻り近づくいち早く逃げてしまう。逃げ去った後の盗伐現場で奥山廻りは、盗伐小屋焼き払い伐採道具没収し木材押収した。しかし木材越中側へ運び出すのは困難であるため、仕方なく信州木材業者呼びかけ払い下げたが、足元見られ安く買い叩かれた。しかしその木材業者こそたちの元締めであった正徳2年(1712年)7月記録に残る最も古い大規模な盗伐事件起きている。それは針ノ木谷起きた事件奥山廻り現場発見して取り押さえた尋問するとこれらは尾張国ども25名で、遠国から出稼ぎ来て国境分からず入山したと言い信州松本町佐平次と安曇郡野口村弥左衛門二人元締めであるのが分かった奥山廻りは彼らにここは加賀藩領域であることを教え国境熟知しているはずの元締めこそ怪し人物であるとして元締め連れてくるようにと使い出した。しかし不正を行った元締めが来るはずもなく、4日経って使いの者とも帰って来なかった。そこで仕方なくたちを信州方面追放し小屋焼き払って伐採道具没収した。このどもは尾張から来たと言うが、尾張藩領の信濃国筑摩郡奈川村すぐそこであり針ノ木の国境を知らないはずはない。しかし寛大な措置をとったのにはいろいろと理由があった。元締め御三家尾張領民という親藩威光笠に着て加賀藩奥山廻り強制執行免れるためにわざわざ奈川村民を雇っているのであり、奥山廻りたちはこの御三家百姓紛争起こすことを避けたのである。それに同行8人の杣人夫に比べて相手方25人もおり、これらの者を盗伐者として強制的に加賀藩内まで引致することは困難と判断やむなくこのような寛大な処置とした。このことは加賀藩内で重大問題となり、その後奥山廻りには強健な杣人30名から40名が付けられるようになった。そして針ノ木岳以南の上奥山重点的に警戒するようになった奥山廻り百姓ながら当然帯刃も許され手錠縄も携行していた。また、小屋掛けした場所で「宝永八年八月野口山」と書いた石が立ててあるのを発見している。安曇郡野口村の山だという意味である。加賀藩役人はそれを見て怒り「砂磨き仕り文字相見申さず様に消し」ている。信州側では黒部川国境だという観念持っていたからである。「野口山」の石標対抗して加賀側では針ノ木峠上駒ヶ嶽に毎年金沢御領と書いた木札立てて国境主張した山廻り役の名も書き連ねて「杣頭十人、平百人五百人召連」などと書き付けた奥山廻り多くてせいぜい30人程度ところを200人とか500人などとかなり誇張して書いていて、「このような大勢山中隈無く見回っているぞ」と信州側に脅しをかけている。 安永4年(1775年)、不時登山が行われた。これは中嶽付近での盗伐情報急行したものであり、信州安曇郡高根新村の友右衛門の倅、三吉盗伐者として捕らえられている。その後しばらく大規模な盗伐無くなり三吉の名が三吉谷、三吉道、三吉小屋場跡などの地名となって残ったほどの大事件となった上高地の上嘉門次黒部川源流域地理までは知らなかったが、三ツ岳、赤牛岳方面の山域を漠然と赤牛三吉」と呼んでいたようで、昭和初期まで信州の古い猟師達は赤牛岳方面赤牛三吉呼んでいた。 天明2年(1782年)、針ノ木谷盗伐小屋発見したとの通報により不時登山享和3年(1803年)、中嶽の下、黒部川筋の池ノ谷付近に3軒の盗伐小屋発見文化7年(1810年)、針ノ木峠で5軒の盗伐小屋発見黒檜60本を切り倒して挽板などにして信州側へ持ち出されている。 文化14年(1817年)、針ノ木谷入り口盗伐小屋を3軒、その上方にも2軒発見嘉永2年(1849年)に針ノ木峠立てられ木札には、表側奥山廻り4名の名前と裏側杣頭20人、平200と書かれている

※この「盗伐事件の取り締まり」の解説は、「奥山廻り」の解説の一部です。
「盗伐事件の取り締まり」を含む「奥山廻り」の記事については、「奥山廻り」の概要を参照ください。

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