理論の必要と展開とは? わかりやすく解説

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理論の必要と展開

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/03/16 06:19 UTC 版)

中間財貿易」の記事における「理論の必要と展開」の解説

中間財を含む貿易理論構築する要は1950年代末にすでにライオネル・マッケンジー指摘している。マッケンジーは、「綿がもしイギリス生育されなければならないとしたら、ランカシャー綿布生産することになることはありそうにもない」と注意している。教科書では、19世紀貿易多くは、最終財であり、リカード理論最終財念頭においていたと説明される。しかし、イギリス産業革命成否は、綿という中間財(綿は栽培され摘果されなければならない)の輸入依存していた。その意味では、19世紀初頭にも中間財貿易は、世界経済にとって必要不可欠のものであった中間財貿易理論構成されなかったのは、経済実態反映ではなくその理論むずかしさにあったマッケンジー継いでロナルド・ジョーンズ中間財貿易重要性指摘しすべての国がおなじ財の投入係数をもつ場合多数国・多数貿易理論労働のみが投入される場合延長上に展開できることを示した中間財貿易を含む多数国・多数財の一般理論は、塩沢由典2007年の2論文により提起された。先行研究としては、池間誠(1973)、東田啓作(2005)などがある。 塩沢理論によれば世界各国生産技術集合正則最終需要与えられれば、世界各国賃金率と財の価格体系(これを塩沢は「国際価値」と呼んでいる)が一義的定まり生産特化パタン定まる塩沢由典(2014)『リカード貿易問題最終解決』は、2007年論文成果の上に、新し国際価値論意義(第2章)、基礎的概念(第3章)、リカード以来国際価値論に関する学説史(第4章)、国際価値論厳密な数学的構成(第5章)、および塩沢国際価値論基本概念というべき上乗せに関する補論からなる大著であり、もちろん外国にも類をみない。この一般理論の系として、ある最終財への投入部品表定まれば、どの部品のどの生産工程はどの国により生産するがもっと競争的かが(原理的には)決まる。したがって中間財貿易理論は、フラグメンテーションやグローバル・ヴァリュー・チェーン(国際価値連鎖)を説明する理論枠組みでもある。 中間財貿易については、一時期イートン&コータム(2002)が注目された。彼等地理的障壁存在観察される事実いかなる影響を及ぼすかについて(各国技術異なる)リカード型のモデル追究し中間財貿易をも含む形で世界全体貿易パタン考察した。この論文は、リカード・モデルの展開として、Dornbusch, Fischer and Samuelson (1977)を超える新し枠組み与えるものとして注目集めたが、イートンとコータムがこの論文中間財貿易真の意味で理論化きたかどうか疑わしいイートンとコータムは、「中間財貿易は、要素費用地理的障壁貿易感応的である点について重要な含意をもつ。その上中間財存在故に投入費用への効果通して立地重要な役割演じ特化決定する。」(p.1742.)と述べ中間財について並々ならぬ意欲語っている。しかし、彼等定式によっては、原材料貿易廃絶しても、GDP縮小最小日本場合0.2~0.3%(1/4%)、最大ベルギーの場合10.3%(p.1768および表IX)でしかないという結果終わっている。石油輸入を含む中間財(投入財)途絶影響正当に評価しているとは言えないであろう生産分担中心とする国際間の中間財貿易活発に研究されるようになったのをみて、ポール・サミュエルソンは、貿易の利益には、これまで分析されてこなかった種類のものがあると指摘したサミュエルソン提示したのは数値例に過ぎないが、最終財のみを貿易しているのでは得られない大きな利益中間財貿易にあることを示したサミュエルソンは、この利益を「商品による商品生産」という主題提起したピエロ・スラッファにちなんでスラッファ・ボーナスと名付けたフラグメンテーションが、(その言葉からも分かるように)既存生産工程分割することを基本発想としているのに対しサミュエルソンは、投入すべき原材料組み合わせ発見することから大きな利益得られるとした。

※この「理論の必要と展開」の解説は、「中間財貿易」の解説の一部です。
「理論の必要と展開」を含む「中間財貿易」の記事については、「中間財貿易」の概要を参照ください。

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