物品の説明
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/29 08:58 UTC 版)
名称に関して本項の機器は、フランス語圏では "appareil de recherche de victimes d'avalanche" (雪崩遭難者捜索装置)の頭文字を取って"ARVA"(アルヴァ)、あるいは "détecteur de victimes d'avalanches" (雪崩遭難者捜索機)の頭文字を取って"DVA"(デヴェア)と呼ばれる(ARVAがARVA社の商標であるため一般名詞としてDVAを使う場合がある。)。ドイツ語圏では "Lawinenverschüttetensuchgerät"(雪崩遭難者救助装置)、あるいはその頭文字を取って "LVS-Gerät" と呼ばれる。英語圏では "avalanche transceiver", "avalanche beacon"などと呼ばれる。日本語では単にビーコンと呼ばれることが多いが、「ビーコン」という言葉が通常想起させる信号発信の機能のみならず、信号受信の機能も備えることが、規格上、求められる。 雪崩ビーコンは、中波(MF)に分類される457kHzの微弱電波を利用するものとして、欧州電気通信標準化機構(ETSi)、米国国家規格協会(ANSI)、ASTMインターナショナルなどで世界的に規格化されている。欧州電気通信標準化機構が1996年~1999年に発行した国際規格(the European standard EN 300 718 for avalanche beacons)によると、次の条件を満たす製品が「雪崩ビーコン」の定義に当てはまる物品となる。 周波数457 kHz、誤差±100 Hz 摂氏10度で200時間の連続出力(防護服内にあるものと仮定) 摂氏-10度で1時間の受信(手に持っているものと仮定) 摂氏-20度から45度の範囲内で利用可能。 キャリア変調方式 (パルス周期) 1000±300 ms ビーコン信号の周波数として許容されるのは457kHzの単一周波数とされ、2001年にはその許容誤差が±80 Hzとなった。 雪崩ビーコンは、457kHzの周波数の電波を使用した携帯型の雪崩埋没者を捜索するための無線装置である。送信モード(通常使用時)と受信モード(捜索時使用)の2モードを少なくとも備える。バッテリにより駆動する。できるだけ長く送信が続けられるように、電波をパルス状に発信することで省電力化が図られている。規格上は、0.9±0.4秒おきに0.07秒以上の間欠発信である。長中波帯、より詳しくは、中波(MF)に分類される457kHzの周波数は、雪中での電波透過特性が良好であることなどから採用されている。周波数が高いが波長の短い電波は、雪中を透過する際に減衰しやすいためである。アンテナはコイルを複数回巻いたバーアンテナを使用する。そのため、電界強度の断面は8の字状となる。雪崩埋没者捜索時は電波強度の強いほうに向かって捜索するのが一般的である。したがって、雪崩ビーコンの基本機能の向上に係る技術分野に関しては、電波強度や減衰に関する研究や開発が行われている。雪崩ビーコンが送出する電波の減衰量は、雪の含水率、密度、温度に依存する。その他に大地反射の影響により減衰する。岩などの障害物によっても減衰する。 雪崩ビーコンは無線機であるため各国の電波関連法規による規制と無縁ではなく、アメリカやオーストラリアではアマチュア無線に割り当てられた周波数帯に属し、中国やインドでは航空機ナビゲーションに割り当てられた周波数帯に属するため、それぞれの規制に従う必要がある。日本においては電波法第4条第1項1号(微弱無線局)に該当し、雪崩ビーコンの使用に際して免許取得の必要はない。
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