満漢全席
「満漢全席」とは、中国の宴席における料理の提供方式の一種で、豪勢な料理を大量に並べ、数日かけて食べるという、贅を尽くした様式のことである。清朝の乾隆帝の時代(18世紀)に宫廷料理として始まったとされる。宮廷に献上された満漢全席には、少なくとも数十皿に及ぶ料理が用意され、しかも「フカヒレ」や「燕の巣」をはじめ「アワビ」「黒ナマコ」「熊の手」「象の鼻」「ラクダのコブ」等々、珍奇な高級食材がふんだんに使われたという。中華料理の粋を集めた、豪華絢爛な宴席料理である。
「満漢全席」の語源・由来
「満漢全席」は、清朝の最盛期・乾隆帝の時代に催された宴席が発祥とされている。「満漢全席」という呼び名は、「満州人と漢人の料理を集結させた」を意味するとされる。
乾隆帝のもとで始まった満漢全席は、100年あまり後、西太后のもとでさらに発展し、洗練されたが、清が滅び、王朝の時代が終焉すると、満漢全席のような豪奢きわまる宴席も行われなくなったという。
現代においても中華料理店などで「満漢全席」と銘打った宴席料理が提供される場合はある。とはいえ、それらと清朝の宮廷料理としての「満漢全席」との直接的な繋がりは基本的にはない。
「満漢全席」を含む様々な用語の解説
「満漢全席(ももいろクローバーZの曲)」とは
ももいろクローバーZ(通称ももクロ)の曲としての「満漢全席」は、ももクロの通算6枚目のアルバム「祝典」に収録されている。ヒップホップグループ「餓鬼レンジャー」が曲を提供(作詞作曲を担当)した。「満漢全席」は、結婚式などのイベントが憚られてきた世情を踏まえ、聴いた人が誰しも前向きな気持ちになれるようにという願いを込めて制作されたらしい。歌詞には「小籠包」や「上海ガニ」「酸辣湯」といった食欲をそそる中華料理の名がふんだんに登場する。
満漢全席
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/31 01:20 UTC 版)
満漢全席 | |||||||||||||||||||||||||
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中国語 | |||||||||||||||||||||||||
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繁体字 | 滿漢全席 | ||||||||||||||||||||||||
簡体字 | 满汉全席 | ||||||||||||||||||||||||
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日本語 | |||||||||||||||||||||||||
漢字 | 満漢全席 | ||||||||||||||||||||||||
ベトナム語 | |||||||||||||||||||||||||
クオック・グー | Mãn Hán Toàn Tịch |
満漢全席(まんかんぜんせき、中国語:繁体字: 滿漢全席、簡体字: 满汉全席、拼音: 、マンハンチュエンシー)は、中華料理の最高級の豪華な宴会料理の一種。清朝宮廷料理[1]と混同されていることが多いが、直接の関係は無い。もともと、19世紀以降に民間で発展した宴会料理である[2]。「満漢」は満州族と漢族に由来する。
歴史
揚州の富商たちが乾隆帝南巡の一行を接待した宴席について、1796年刊行の揚州画舫録は、「満漢席」と記録し、献立を記録している[3]。 1800年ごろの日本で著された「唐山款客之式」で、清朝の高級官吏や長官の宴席を「満漢席」と記録している[4]。 辛亥革命以降、類似の宴会に対して「大漢全席」「大漢全筵」という名称も使われた。 1956年,1925年創業で豪華な宴席を得意としていた香港の大同酒家で、美食家21人によって2日間の宴会が行われ、宣伝された[5]。 1976年10月、日本のTBSテレビ主催で香港国賓大酒楼で芸能界の知名人10人で、豪華な宴会が行われ、番組「料理王国」で放映された。これで香港に満漢全席を食べに行くフード・ツーリズムが盛んになり、日本で「満漢全席」の名称が広まった[6]。ショー的な香港の満漢全席は1980年代に衰え、1989年以降ほとんど行われなくなった。一方、中華人民共和国では政府主導で、北京の倣膳飯荘を中心に「満漢全席」が作り上げられ、21世紀には豪華な宴席として行われている。[7]
2002年にNHKがBSまるごと大全集「中国四千年の奥義 完全復元満漢全席」で「揚州画舫録」に記載されていた66品と「孔府档案」に記載されていた28品を杭州商学院・趙栄光教授の監修のもとで復元していた。
2006年4月、サントリーフーズはペットボトル入りの烏龍茶に海洋堂製作の満漢全席をモチーフにしたフィギュア全13種類を付けて販売するキャンペーンを行った。
四八珍
満漢全席には山・陸・海などから珍味を8品ずつ集めて「四八珍」と定義したものがあることもある。
- 海八珍
- 禽八珍
- 草八珍
- 山八珍
出典、脚注
参考文献
- 岩間一弘『中国料理の世界史』慶應義塾大学出版会、2021年。ISBN 4766427645。
- 田中 静一『一衣帯水―中国料理伝来史』 柴田書店、1987年。 ISBN 4388351539。
- 邱永漢『食は広州に在り (中公文庫 き 15-12)』 中央公論新社、1996年。 ISBN 412202692X。
- 李斗、揚州画舫録、巻四、1795、早稲田大学、古典籍データベース
https://www.wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/ru05/ru05_01120/index.html
- 荘吉發,満漢全席 故宮文物月刊 No.83 1990年2月、國立故宮博物院、台北
関連項目
外部リンク
満漢全席(まんかんぜんせき)
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「エスプリト」の記事における「満漢全席(まんかんぜんせき)」の解説
ロッテのジンクス。「食が生み出すエネルギーの可能性」を信じたことから発現した(?)ジンクスで、体内に摂取した「食のエネルギー」を、任意の他のエネルギー(「熱」や「電気」)に変換し、放出することができる能力。「不死の肉体」と併用することで、引きちぎった自分の片腕にエネルギーを凝縮して爆弾にするなどの荒業も可能。
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