殺菌剤、殺菌消毒薬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 05:52 UTC 版)
これらは通常、液体あるいは水溶液として消毒の目的で用いられることが多い。ただし、重金属化合物や一部の殺菌剤は樹脂やセラミックなどに混ぜて使うことで抗菌樹脂、抗菌セラミックなどとして用いられることがある。 エタノール、イソプロピルアルコール (消毒)細菌の細胞膜やウイルスのエンベロープの破壊、タンパク質の凝固作用による。エタノールは細菌には70%程度、ウイルスでは100%の濃度が最も効果が高い。イソプロピルアルコールは30~50%で用いる。 フェノール、クレゾール (消毒)タンパク質の凝固作用。 逆性石鹸(塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム)、両性石鹸(塩酸アルキルジアミンエチルグリシン、グルコン酸クロルヘキシジン) (消毒)表面張力低下による細胞膜の障害、タンパク質を凝固・変性をさせ、菌を死滅させる。通常の石鹸と反応すると殺菌力が失われるので注意する。 酸化剤 細胞の成分を酸化し、機能を阻害する。アルキル化剤 生体高分子にあるアミノ基をアルキル化する。 (消毒、滅菌)ホルムアルデヒド (消毒)グルタルアルデヒド(グルタラール) ハロゲン化合物 塩素化合物 (消毒)次亜塩素酸ナトリウム、二酸化塩素、さらし粉など。 ヨウ素化合物 (消毒)ヨードチンキ…ヨウ素 - ヨウ化カリウム溶液とエタノールを混ぜたもの。 (消毒)ポビドンヨード、イソジン液…界面活性剤であるポリビニルピロリドンとヨウ素の結合体。うがい薬として最もよく知られている。 過酸化物 (消毒、滅菌)オゾン (消毒)過酸化水素 - 3%水溶液はオキシドールとして殺菌消毒用に市販されている アクリノール (消毒)アクリニジウムイオンによる呼吸酵素の阻害。 酸・アルカリ 生石灰、消石灰 (消毒)安価で大量に入手し得るので、水害時の土壌・建物等の消毒、家畜伝染病発生時の建物・車両・器具等の消毒に用いられる。強アルカリであれば十分であるので炭酸ナトリウム等も用いられる。 ホウ酸 (消毒)タンパク質の沈殿作用がある。眼科のみに使用。 重金属化合物 (消毒)金属イオンを添加した各種製品の他、調理用品や配管などに銅製の製品を用いることがある。水銀化合物 塩化第二水銀(昇汞) 毒性が高く現在では用いられてはいないが、過去多用された。 マーキュロクロム液 通称「赤チン」。水銀イオンが細菌の酵素阻害を起こす。 銀化合物 銀イオンと、多くの細菌の持つ硫黄との強力な親和性[要出典]を利用して殺菌する。銀イオンはごく微量でも効果を発揮するが、具体的な殺菌力に関しては諸説ある。また貴金属を含みコストが高い。 銅化合物 銀化合物と同様の作用により殺菌する。銅は安価であるが、多量に摂取した場合や、微量でも長期間にわたり摂取した場合は人体に蓄積し悪影響があるため、広く用いられてはいない。家庭用としては排水口のゴミ受けや生ゴミ受けなどが製品化されている。 その他 トリクロサン (消毒)分子中の塩素原子による酸化作用、細菌の脂質代謝阻害作用。 この他、カテキンなどのポリフェノールや、ペパーミントやユーカリなどの植物精油、わさびやしょうがなどの香辛料にも殺菌効果が認められるものがある。
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