歴史と入力インタフェース
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 23:57 UTC 版)
「ディスプレイ (コンピュータ)」の記事における「歴史と入力インタフェース」の解説
初期のCRTを用いたVDTはグラフィクス表示機能を持たず、前身の電動機械との類似性から「ガラスのテレタイプ端末」などと呼ばれた。 モノクロ(モノクローム)・ディスプレイは、単色のON/OFFだけが表示でき、グレイスケール・ディスプレイは単色の階調を表現できる。CRT時代はモノクロディスプレイというと実際にはグレイスケールディスプレイであったが、初期のLCD (Liquid crystal display) /PDP (Plasma Display Panel) ディスプレイはカラー表示ができなかったため、単色のみで階調表示もできないものが珍しくなかった。色信号を付加する必要が無いため、画像信号の伝送には、通常のNTSC等のビデオ信号と、単一のRCA端子、または、BNCコネクタが使用されていた。また、ブラウン管では表示色は蛍光材で決まり、グリーン、アンバー(オレンジ)、白があった。 初期のカラーモニタのインタフェースにはデジタル式とアナログ式があった。デジタル式の場合、三原色のRGB(赤・緑・青)それぞれをON/OFFできるだけであり、表示可能な色は8色(黒・青・赤・マゼンタ・緑・シアン・黄・白)である。デジタル式でもRGBI (RGB-Intensity) 方式では、8色の各々の輝度を全輝度と半輝度とに制御することができ、8色の明暗で合計16色が表示できた。初期のIBM PCのCGAカードのインターフェースはこの方式であり、今日のディスプレイ標準でも16色というとこの組み合わせが用いられる。デジタルモニタはTTLモニタと呼ばれることがあった。これはRGB各色を表すのにTTLレベルの電気的インターフェースを用いたことによる。9ピンのD-Subコネクタ (DE-9)、または8ピンか6ピンのDINコネクタと8ピン角型デジタル端子で接続される。 アナログ式の場合、RGB各色が連続的に表現されるため、原理的にはすべての色が表示可能であるが、コンピュータの表示回路が生成可能な色数に制約される。最新のディスプレイ装置では24/32ビットカラー表示に対応する。24ビットの場合はRGBそれぞれが8ビット、すなわち256階調の組み合わせで1677万色。32ビットの場合は8ビットが余りとなるが、これは表示には関与しない。国内規格としては15ピンのD-sub (DA-15)、PC/ATにおいてはVGA端子(15ピンミニD-sub、DE-15)が一般に用いられる。または、家庭用テレビ受像機と互換性のある21ピンコネクタが使用される。表示領域が広く、同期周波数が高い場合(いわゆる高解像度)は、同期信号と色信号を別々のBNCコネクタで接続する場合もある。また、新しいデジタルインターフェースであるDVI規格においては、32ビットフルカラー表示に対応した信号伝送が可能である。デジタルコンテンツ保護の規格HDCPを備えるものもある。 2007年頃からデジタル家電やパソコン・ビデオカードにHDMI端子が普及したことに伴い、液晶ディスプレイでもこれを備えるものが増えてきた。HDMI規格自体にライセンス料が発生するが、DVIと互換性があり設計コストが低いことから、2009年現在では低価格帯のディスプレイにも搭載されるようになっている。 2007年にはUSB接続の液晶ディスプレイが登場した。液晶ディスプレイ側にグラフィックスコントローラを搭載し、別途ディスプレイケーブルを接続する必要がない。またUSBポートから電源を供給できる製品もある。 2009年現在ではサブディスプレイとして利用できる小型サイズの製品が一部で普及しつつある。 新しい世代のインターフェイス規格としてDisplayPortがあるが、コストや互換性などの問題もあり、2017年現在、ディスプレイでは一部の高級機種で搭載されるに留まっている。しかしビデオカードについては、2017年現在、低価格でもDisplayPortの出力に対応する製品が増えている。
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