歴史と保護
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/04 02:16 UTC 版)
このナナフシは、かつてはロード・ハウ島では普通種であり、釣り餌として使われたこともあるが、最後の個体が確認されたのは、補給船Makambo号により島にクマネズミが持ち込まれてから2年後の1920年で、以降本種は絶滅したと考えられていた。 1960年代、ロード・ハウ島から約20キロメートル離れたボールズ・ピラミッドを訪れたロッククライマーが、ロードハウナナフシの死骸を発見した。その後、数年にわたり、数個体の死骸が発見されたが、生きた個体は発見出来なかった。 2001年、昆虫学者と自然保護団体からなる調査隊がこの島の動物相と植物相を調べるために上陸した。そして驚いたことにこのナナフシの個体群を再発見したのである。それは一本のMelaleuca(フトモモ科:ティートリーの仲間)の低木の下で、個体数は極めて少なく20-30個体だけだった。 2003年、ニューサウスウェールズ自然公園と野生動物局の調査隊がボールズ・ピラミッドを再び訪れ、二組の交配中の番いを採集し、一組はシドニーの個人的な飼育者に渡され、もう一組はメルボルン動物園へ持ち込まれた。最初は困難もあったが、無事に飼育下での繁殖は成功した。最終的な目的は、この種をロードハウ島へ再導入するのに十分なだけの個体数の確保である。2006年現在では、飼育下の個体群は50程の個体と、孵化を待っている1000程の卵からなっている。 2017年、沖縄科学技術大学院大学らの研究グループが、ロード・ハウ島で絶滅したとされていたロードハウナナフシが、現在も20匹のロードハウナナフシからなる個体群として実際にボールズ・ピラミッドに生息していることを確認し報告した。
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