歴史と作者とは? わかりやすく解説

歴史と作者

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/22 15:22 UTC 版)

交響曲K.16a」の記事における「歴史と作者」の解説

ライプツィヒ楽譜出版社であるブライトコプフ・ウント・ヘルテルは、1799年モーツァルト全作品出版試みたブライトコプフ社はモーツァルト作品を姉のアンナ・マリアや妻のコンスタンツェをはじめ、音楽家写譜屋、他の出版社などから収集した。その中にはイ短調の『交響曲 K. 16』が含まれていた。ブライトコプフの手書き目録にはこの交響曲から4小節インキピット掲載されており、提供者ハンブルク音楽商であるヨハン・クリストフ・ヴェストファールであるとされている。ルートヴィヒ・フォン・ケッヘル彼のケッヘル目録の中でこの曲が散逸したものと考え付録としてアンハング番号K. Anh. 220』を割り当てたモーツァルト研究者アルフレート・アインシュタインケッヘル目録改訂する中で、インキピット現存するモーツァルトの交響曲第1作目である第1番 K. 16を基に、この交響曲1765年ロンドン書かれたものではないかという説を提唱した。彼は『K. 16a』という番号付した上で現存するわずか開始小節だけであっても初期作品容易に判別し得ると述べたケッヘル目録第6版そのままこれを踏襲した。 このイ短調交響曲デンマークオーデンセにある地方交響楽団保管庫から、自筆譜ではなく複数写譜者による手書き写譜として1982年発見された。表紙書かれ注釈によれば、この交響曲遅くとも1793年にはデンマークコレギウム・ムジクム所有するところとなり、パート譜紙面入れられ透かしからは1779年のものであることがわかったモーツァルト家関わりのあった写譜屋にはこの交響曲写し作成できる者はいなかった。1780年代、ヴェストファールはモーツァルトの交響曲真作と、K. 16aやK. Anh. C 11.08のような由来の「疑わしい作品所有していた。おそらく彼はK. 16aを他の作品と共にデンマーク・コレギウム・ムジクムへと売却したのだろう。 モーツァルト研究者のヴォルフガング・プラート(英語版)は現在『オーデンセ』として知られるこの交響曲出版し専門家集う学術シンポジウム議題として挙げたエンシェント室内管弦楽団による録音が行われ、2000年に「真贋疑わしい作品」として新モーツァルト全集収録された。というのもまだ議論完了しておらず、とりわけモーツァルトではない真の作者決定されていなかったからである。 ニール・ザスローはこの交響曲がおそらく1765年以降作曲されたと考えられ1760年代1770年代モーツァルトの交響曲様式似通っていて確たる資料なければ正確な年代決定不可能であり、そしてK. 16aには他のどのモーツァルト作品とも様式的に異な個所散見される述べている。ヴォルフガング・ゲルストホーファーはモーツァルト初期交響曲に関する論評の中で、多く専門家K. 16aをモーツァルト真作考えていないことを理由にこの曲を無視した。フォルカー・シェルリースが述べたところによれば、モーツァルト専門家らは長期にわたる集中的な議論の末に、『オーデンセ交響曲流儀作風両面からモーツァルト作品とみなすことができない合意至ったという。

※この「歴史と作者」の解説は、「交響曲K.16a」の解説の一部です。
「歴史と作者」を含む「交響曲K.16a」の記事については、「交響曲K.16a」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「歴史と作者」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「歴史と作者」の関連用語

歴史と作者のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



歴史と作者のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの交響曲K.16a (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS