様式の分析と後世への芸術的遺産とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 様式の分析と後世への芸術的遺産の意味・解説 

様式の分析と後世への芸術的遺産

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/17 18:29 UTC 版)

システィーナ礼拝堂天井画」の記事における「様式の分析と後世への芸術的遺産」の解説

ミケランジェロは、15世紀フィレンツェ活動した偉大な画家彫刻家たちの後継者であった。彼がはじめに修業したのは、卓越したフレスコ画家であったドメニコ・ギルランダイオの下であったギルランダイオは、サンタ・トリニータ教会サセッティ礼拝堂及びサンタ・マリア・ノヴェッラ教会トルナブオーニ礼拝堂一連のフレスコ画知られシスティーナ礼拝堂側壁フレスコ画制作にも参加している。さらにミケランジェロ初期ルネサンス期のフィレンツェ生んだ2人高名なフレスコ画家ジョットマザッチョ作品研究し、それにならって作画している。マザッチョ描いたエデンの園から追放されるアダムとエヴァの像(サンタ・マリア・デル・カルミネ聖堂ブランカッチ礼拝堂)は、天井画裸体全般、特に裸体像を用いて人間感情伝えようとする場面多大な影響与えている。ヘレン・ガードナーは、ミケランジェロにおいては人体とは、人の魂、あるいは心理状態性格発現ほかならないのだ」と述べている。 ミケランジェロまた、ルカ・シニョレッリ絵画から影響受けたこともほぼ間違いないルカ・シニョレッリ作品、特にオルヴィエート大聖堂の『罪されし者たち』『肉体復活』などの画面には数多く裸体独創的な群像構成みられるミケランジェロは、ボローニャでは、大聖堂の扉の周囲施されヤコポ・デッラ・クエルチャ浮彫彫刻見ている。ミケランジェロの『エヴァ創造』の描写において、全体の構成人物の形態エヴァ創造主との関係についての比較的伝統的な解釈は、ヤコポデザインをよく受け継いでいる。一方で天井画の他の場面なかんずく印象的な図像をもつ『アダムの創造』は、前例のない独創性示している。 システィーナ礼拝堂天井画は、他の芸術家たちに多大な影響与えることとなった天井画完成前でさえ、その影響大きかったのであるヴァザーリは彼が執筆したラファエロ伝の中で次のように伝えている。礼拝堂の鍵を持っていたブラマンテは、ミケランジェロ不在中にラファエロ礼拝堂招き入れ天井画観察させた。ミケランジェロ作の預言者像を見たラファエロは、自分制作していたサンタゴスティーノ教会柱絵預言者イザヤ像のところに戻ったヴァザーリ伝えところによれば、ラファエロはすでにできあがっていたイザヤ像を壁から削り落としミケランジェロ風のより力強い様式描き直したという。 見せかけの建築形態筋肉質人体表現短縮法、人物のダイナミックな動き目の覚めるよう色彩感覚一度見た忘れられないルネッタ人物表現、プットー豊富な表現など、この天井画デザイン要素の中で、後の芸術家たちに模倣されなかったものはほとんどない。ガブリエーレ・バルツとエバーハルト・ケーニッヒは、イニューディ青年裸体像)についてこう述べている。「これらのイニューディほど、永続的な影響後の世代に及ぼしたイメージはない。これらと似たような人物像は無数の装飾美術 - 絵画、ストゥッコから彫像に至るまで - に登場している」。 天井画作風は、ミケランジェロ自身の作品の中では、後年のよりマニエリスム風の強い『最後の審判』つながっていく。『最後の審判』多人数群像構成の中では、体をねじり、短縮法で描かれた人物が、裁かれた者たちの絶望歓喜表現しており、ミケランジェロ創造性存分に発揮されている。作品ミケランジェロ直接的な影響うかがえる芸術家としては、ポントルモアンドレア・デル・サルトコレッジョティントレットアンニーバレ・カラッチパオロ・ヴェロネーゼエル・グレコらがいる。 2007年1月バチカン美術館1日入場者は約1万人であり、人々にもっとも人気があるのはシスティーナ礼拝堂天井画であると発表された。バチカン当局は、新たに修復されフレスコ画傷むことを恐れ入場時間短縮入場料値上げ等により訪問者を減らす計画のあることを明らかにした。すでにその500年前、ヴァザーリはこう書いていた。「(足場はずされて)天井画公にされると、世界中から人々殺到した天井画一目見るだけで人々驚嘆させ、言葉失わせるに十分であった」。

※この「様式の分析と後世への芸術的遺産」の解説は、「システィーナ礼拝堂天井画」の解説の一部です。
「様式の分析と後世への芸術的遺産」を含む「システィーナ礼拝堂天井画」の記事については、「システィーナ礼拝堂天井画」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「様式の分析と後世への芸術的遺産」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「様式の分析と後世への芸術的遺産」の関連用語

様式の分析と後世への芸術的遺産のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



様式の分析と後世への芸術的遺産のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのシスティーナ礼拝堂天井画 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS