桃川如燕の「妲己のお百」とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 桃川如燕の「妲己のお百」の意味・解説 

桃川如燕の「妲己のお百」

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 15:19 UTC 版)

妲己のお百」の記事における「桃川如燕の「妲己のお百」」の解説

河竹黙阿弥の『善悪両面児手柏』(1889年)には「妲己のお百」が登場する。その、河竹黙阿弥初代桃川如燕の「妲己之於百」の講談聞いている。『厚化粧万年島田』 を描いた為永春水は九篇序(明治5年1872年)で「講釈桃川如燕は『秋田蕗』という本を見て毒婦阿百を見いだし、物語作った。私はその外伝作ると書いている。『秋田蕗』は『秋田杉直物語』悪役、那河忠左衛門のことを詳細に加筆した本である。 桃川如燕は「妲己のお百」を次のように表現している。 どう言うわけで「妲己のお百と言うのかというと出生大坂で、江戸で悪事働き佐渡流されたものの、佐渡脱出し佐竹愛妾百合という名前になった。しかし、遂に佐竹処刑された。天竺華陽夫人が、唐土妲己と言い日本では玉藻前3度名前が変わった等し夫人ということ妲己のお百の名前がついている前記通り『秋田杉直物語』ではお百を玉藻前例える記述存在した物語怪談物として脚色されており、前半概要次の通りである。 秋田藩船頭桑名屋徳蔵が掟を破って大晦日船出したところ、海坊主現れる佐竹氏から拝領した国俊の刀で切りつける海坊主姿を消す。翌元日徳蔵の妻は真っ黒な按摩に鍼で殺される大坂戻ってこれを聞いた徳蔵は車禅坊と名前を変えて修行の旅に出かける年月が過ぎ、徳蔵息子徳平衛は立派な回船問屋営んでいる。享保8年大晦日海坊主13回忌回向後で国俊の刀を抜くと煙のような気が立った大坂雑魚場売り新助の妹お百(13歳)は器量よし従順である。お百は海坊主の気に乗っ取られ、肩から胸元にかけて赤い痣が生じ性格もすっかり変わって荒々しくなる。お百を桑名屋に奉公に出すと、お百は徳平衛と密通し、妻のお高追い出そうと図る。お百は徳平衛にお高番頭不義働きお高の腹の子番頭の子だという。これをすっかり信じた徳兵衛お高折檻し、庇った奉公人佐吉ともども裸で中に追い出すお高新助宅に引き取られ子供を産むが、赤子が痣だらけなのを見て折檻のせいだと、お百を恨み死ぬ。 お百は贅沢三昧の生活をしていたが、3年後桑名屋は火の気が無い土蔵から火が出て全焼する。お高一念よるものである。持ち船も難破し徳兵衛とお百は江戸下った持ち金がなくなり江戸で徳兵衛はお百と心中しようとするが、お百は高笑いをする。夫婦喧嘩しているところに割って入ったのが美濃屋兵衛である。重兵衛二人自宅に連れ帰る徳兵衛が金を返してもらうため、甲州まで行って来ると重兵衛の家は貸屋になっており、二人行方知れないそれより徳兵衛紙屑買いになってお百を訪ね歩く。2年後深川八幡前で流行芸者小三となったお百に徳兵衛邂逅する。徳兵衛一度はお百に斬りかかったものの言いくるめられてしまう。お百はその日夜中駆け落ちしようと持ちかけ、刻限になると徳兵衛石瓦詰めた大荷物持たせ木場で海に突き落とし殺してしまう。帰ろうとすると、徳兵衛人魂となってお百の前に現れるしかしお百は「お前はとんだ親切者。提灯がわりに照らしておくれか」と言う。 (後略この後お百は数々悪行行い秋田騒動関わり秋田20万石横領しよう企むが、見破られ最後迎える。 『増補秋田蕗』は3分の2程が、このような脚色されたお百の怪談話描かれていて、元のお家騒動の話は簡略化されている。 夫を殺した"毒婦"の物語は多いが、妲己のお百夫殺しの後も次々殺人繰り返し最後に一国乗っ取ろうとまでした。綿谷雪は『近世悪女奇聞』(1979年)で「女として、人間として、妲己のお百には他に比肩し得ないスケール大きさ重厚さがある」と評している。

※この「桃川如燕の「妲己のお百」」の解説は、「妲己のお百」の解説の一部です。
「桃川如燕の「妲己のお百」」を含む「妲己のお百」の記事については、「妲己のお百」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「桃川如燕の「妲己のお百」」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「桃川如燕の「妲己のお百」」の関連用語

桃川如燕の「妲己のお百」のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



桃川如燕の「妲己のお百」のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの妲己のお百 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS