(参考)格上げの事例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/03 06:58 UTC 版)
「遜色急行」も参照 優等列車はその性質上、速達性と快適性が要求されるため、格下の車両から格上げしたケースは格下げ車両より少ない。 国鉄・JRにおいては電車では157系電車は元来は準急形であったが、特急形車両に近い接客設備から臨時特急列車にも使用され、後年に完全に特急車と同一水準化する改造が行われ、それ以後は専ら特急形車両として使われた。気動車ではキハ40系気動車が優等列車用に改造された事例があり、北海道旅客鉄道(JR北海道)では急行列車用に高出力化と座席をリクライニングシートに交換したキハ400・480形が存在した他、九州旅客鉄道(JR九州)では「はやとの風」「指宿のたまて箱」用に格上げ改造した車両がある。またJR九州では「海幸山幸」用にキハ125に編入した上で格上げ改造している。西日本旅客鉄道(JR西日本)では117系を「WEST EXPRESS 銀河」用に格上げ改造しているほか、東日本旅客鉄道(JR東日本)ではE721系のクハE720-12の後位側を指定席用に格上げしている。この他に急行形気動車であるキハ65形気動車では特急列車である「ゆぅトピア和倉」や「エーデル北近畿」用などに改造された車両が存在した。他にも60系客車においてオハ61形からオロ61形・オロフ61形への格上げ改造をはじめ、国鉄からJRへの以降期に余剰急行型車両や余剰一般客車からジョイフルトレイン化改造された事例が多数存在する。また、貨車からトロッコ列車などに改造された事例や、JR西日本では223系1000番台のクハ222-1007・1008を新快速の有料座席車用として改造した事例があり、これもある種の格上げと言える。珍しい例では格下げ車両が多かった近郊型グリーン車で、サハ165からサロ110-501に格上げ改造された車両がある。 国鉄157系 JR北海道キハ480形 「はやとの風」用改造キハ140 「指宿のたまて箱」用改造キハ47 「海幸山幸」用改造キハ125 「ゆぅトピア和倉」用改造キハ65。電化区間では485系と併結されていた 「エーデル北近畿」用改造キハ65 私鉄においては、東武鉄道の300系・350系電車は導入時点では運用列車の種別が急行であったが、後に運用列車が特急に格上げされたことにより特急用車両となった。ただし300系・350系電車は接客設備や速達性が他の特急用車両より劣るため、急行時代の料金が適用されている。名古屋鉄道ではキハ8000系気動車は元来は準急「たかやま」で使用されたため、準急用であったが、特急形に近い接客設備を持つことから1975年に特急「北アルプス」に格上げされたため、実質的に特急用として使用された。西日本鉄道では1000形電車は元来は急行用であったが、急行の特急格上げにより、2000形電車が登場するまで実質上の特急用車両として使われた。 大掛かりな格上げ改造を伴う事例としては、3扉ロングシート通勤車である西武101系電車を購入し、2扉リクライニングシート化した秩父鉄道6000系電車有料急行用車両や、近畿日本鉄道が買収した奈良電気鉄道より引き継いだ一般車を京都線の有料特急設定に際して格上げ改造した680系・683系電車が存在する。一般型車両を改造して観光列車化したものでは近鉄2013系「つどい」や南海2200系「天空」、有料特急列車に改造したものでは東武日光線快速用車両であった6050系を634型電車「スカイツリートレイン」や近鉄6200系を16200系「青の交響曲(シンフォニー)」などの事例が存在する。 日本国外では、韓国の韓国鉄道公社では日本の普通列車と同種の列車である通勤列車の廃止・削減で余剰となった9501系気動車がムグンファ号に転用されるケースが現れている。窓の大型化、座席のリクライニングシート化など優等列車に適した接客設備に改造している。 特急格上げ後も使用する東武300系 「北アルプス」に使用される名鉄キハ8000系 西鉄1000形 ムグンファ号へ改造された9501系気動車
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