格の種類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/27 13:46 UTC 版)
多くの言語に見られる格には、主格、対格、与格、奪格、処格、属格などがある。 同じような格でも、言語によって名前が異なることがある。「太郎が犬に水を与える」という文では、一般に「太郎が」は主格、「犬に」は与格、「水を」は対格と呼ばれるが、それぞれ「が格」、「に格」、「を格」と呼ばれることもある。格とは意味ではなく標識なのでこの呼び方は明確だが、他の言語との比較はできない。 格は基本的な格(論理的格)と、場所的な格に分けられる。前者は主格・呼格・与格・対格のように、文中における論理的な関係を表す。カフカスの諸言語や、フィンランド語などには多くの格が存在するが、その多くは場所的な格である。たとえばアヴァル語には20近くの格があるが、基本的な格は4種のみである。それ以外は場所的な格であって、「静止(で)・着点(へ)・起点(から)」の3種類の方向と、「上・周り・中・下・(中空のものの)中」の5つの系列との組み合わせによる15種類の格が存在する。フィンランド語では数え方により14ないし15の格があり、うち6つは場所的な格で、やはり3種類の方向と2つの系列(内部・外部)の組み合わせによる。 静止起点着点内部内格 出格 入格 外部接格 奪格(離格) 向格
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